花粉が飛ぶことは子どものことから当たり前でした。次は、「黄砂」という聞き慣れない言葉だったはずが毎年のようにニュースでも紹介されるようになり、今ではすっかり慣れてしまいました。
そして、次は「PM2.5」です。
大気汚染がどんどん深刻になっているような印象はありますが、個人的には特に自覚症状はありません・・・
ただ、目が痒くて・鼻水がでて「花粉症かな?」なんてのんきに構えていると身体の異常に悩むことになるかもしれません。
今回は、「これだけは知って欲しいPM2.5」についてご紹介します。
黄砂についてはこちらの記事で紹介しています。
そもそも「PM2.5」ってなに?
そもそもの話しですが、PM2.5は環境基準が設定されている大気汚染指標の1つです。
- PM=‘’Particulate Matter(粒子状物質)‘’
- 2.5=粒子の大きさ
つまり、PM2.5とは大気中に浮遊している直径2.5μm(マイクロメートル)以下の非常に小さな粒子の総称です。
→「微小粒子状物質」とも呼ばれます。
PM2.5は、環境基本法により次のような環境基準が定められています。
環境基本法
政府は、大気の汚染、水質の汚濁、土壌の汚染及び騒音に係る環境上の条件について、それぞれ、人の健康を保護し、及び生活環境を保全する上で維持されることが望ましい基準を定めるものとする。
このように、それぞれに環境基準が設定されています。
PM2.5の環境基準は、「1年平均値=15μg/㎥(1㎥当たり15μg以下)かつ、1日平均値=35μg/㎥(1㎥当たり35μg以下)。」となっています。→2013年2月に環境省が設定した暫定的な値。
*この環境基準は、人の健康を保護する上で維持されることが望ましい基準(達成目標)として設定されています。そのため、基準を超過したからといってすぐに健康被害があるというものではありません。
それでは、PM2.5のなにが危険なのでしょうか?
PM2.5(粒子が2.5μm以下)とSPM(粒子が10μm以下)を比較
例えば、同じ粒子状物質でも10μm以下の大気中に浮遊している粒子は、‘’SPM=浮遊粒子状物質‘’と呼ばれます。
SPM(10μm以下の粒子)も肺や気管などに沈着し、呼吸器系に影響を及ぼすとされています。
さて、このSPMの環境基準はこのように設定されています。
「1時間値の1日平均値=0.10mg/㎥以下。かつ、1時間値が0.20mg/㎥以下。」となっています。
それでは、比較しやすいSPM(粒子が10μm以下)とPM2.5(粒子が2.5μm以下の)の環境基準の差を見ていきましょう。
「1日平均値」のPM2.5とSPMを比較
PM2.5=35μg・SPM=0.10mg
- PM2.5は「μg」。→1μg=0.001mg(1mgの1000分の1)。
- 0.1mg=100μg
❶「mg」で比較 →PM2.5=0.035mg・SPM=0.1mg
➋「μg」で比較 →PM2.5=35μg・SPM=100μg
となります。
つまり、環境基準はPM2.5の方がSPMよりも約3倍厳しく設定されています。
PM2.5はなぜ危険視されているの?
結論からいえば、PM2.5の粒子が非常に細かいためです。
人間の身体は、異物が入らないようにフィルターが幾重にもあり汚染物質が体内にできるだけ入り込まないような構造になっています。
ですが、あまりに粒子が細かいためそれらのフィルターが十分に働かないと考えられています。
例えば、空気清浄機などもPM2.5に対応している物を購入する必要があります。
症状は?
❶眼科系疾患 →目の痒み・腫れ・流涙・目やになど。
病名:結膜炎
➋呼吸器疾患 →くしゃみ・鼻水・咳・痰・喘鳴・呼吸困難など。
病名:上気道炎・喘息・慢性閉塞性肺疾患・肺癌・肺炎など。
❸心血管系疾患 →動機・息切れ・胸痛・脈不正・血圧上昇など。
病名:狭心症・心筋梗塞・不整脈・動脈硬化・血栓形成など。
❹神経・脳 →頭重感・疲労感・不安感・うつなど。
このように、PM2.5は様々な危険が指摘されています。
*PM2.5の1日平均濃度が12.8μg/㎥以上の場合は、当日または数日以内に死亡する人が増加するという関連が報告されています。
ただし、PM2.5についてはまだまだ研究段階です。
PM2.5と黄砂の違い
「PM2.5も春先に多く黄砂とともに飛んでくる」とよく言われます。ですが、黄砂とは違いPM(粒子状物質)は身の回りにあふれています。
PMの発生原因
【人為起源】
- 工場等の排ガス
- 自動車
- 船舶
- 航空機
- タバコ
など。
【自然起源】
- 火山
- 土壌
- 海
- 花粉
など。
■ここからは主観になりますが・・・
これらから発生した粒子のうち、2.5μm以下の物は「PM2.5」となります。つまり、黄砂の影響で特に春先に増えるかもしれませんが、そもそもPM2.5は年中浮遊していると考えた方が自然でしょう。
例えば、今でも「野焼き」が普通におこなわれていますが、もちろんPM2.5も発生します。
つまり、PM2.5は1年中を通して昔から私達の周りにあふれていたことになります。
「だから大丈夫!」というつもりはありません。なぜなら、PM2.5に含まれる物質(粒子)や濃度によって同じPM2.5であっても、危険度はまったく異なると考えられるためです。
この項目でお伝えしたいことは、PM2.5は「黄砂のように中国から飛来するような特別なものではなく、身の回りに昔からある物」だということです。
予防するには?
乳幼児・妊婦・高齢者・喫煙者・野外活動が中心の人・呼吸器疾患や糖尿病などの基礎疾患がある人などは、特に注意が必要とされています。
ほとんどの人が当てはまると思うのですが・・・
というわけで「みんなが気をつける必要がある」という前提で紹介していきます。
- PM2.5の情報をチェック。→基準値を超えたときは長時間の外出・運動を控える。
- マスクを使用。(子どもは、子ども用を使用)
- 帰宅時の手洗い・うがい
- 換気や窓の開放は最小限。
- PM2.5に対応した、空気清浄機の使用。
- 定期健康診断
など、個人でもこのような対策ができます。
*PM2.5の濃度は、日平均値が70μg/㎥を越えると全ての人が注意する必要があるとされています。
最後に
PM2.5はまだまだ研究段階です。
どちらにしろ、危険といわれている以上、親としては気をつける他ありません。実際、子ども達のアレルギーなどが増えているといわれる昨今。
回避できるのなら対策をするしかありませんよね・・・
毎日の天気予報はチェックすることをオススメします!
参考
政府広報オンライン
→https://www.gov-online.go.jp/useful/article/201303/5.html
佐賀県
→http://saga-taiki.jp/pm25/pm25.html
環境省
→http://www.env.go.jp/kijun/
産業医科大学
→https://www.env.go.jp/air/osen/pm/info/cic/attach/briefing_h25-mat03.pdf
茨城県霞ヶ浦環境科学センター
→https://www.pref.ibaraki.jp/soshiki/seikatsukankyo/kasumigauraesc/04_kenkyu/shoukai/semina/documents/h27_pm25_03.pdf
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