みなさんは火災の原因として圧倒的に多い理由が「放火」であることをご存じでしょうか?
「放火の疑い」も含めれば、H29年に起こった火災全体の37.8%をしめています。
今回は、東京で発生した建物の放火場所や時間帯から家族を守るための放火対策をご紹介します。
火災の状況に関しては、こちらの記事で紹介しています
→火災原因は⚪⚪だった! ~初期消火の約2分間でできること~
放火場所
東京消防庁が発表している東京都内で発生した平成29年度の放火火災件数は、896件。
*総務省の発表から、平成29年に全国で放火と断定されているのは3,528件なので東京で発生している放火は全体の25%。(疑いも含めるともっと多くなります)
896件中、建物から出火した放火件数は351件(H29年に東京で発生した建物放火の約4割)にのぼります。
放火された建物351件の内訳
- 住宅:43件
- 共同住宅等:128件
- 事業系:118件
- その他:62件
となっています。
図1 平成29年に発生した東京都内の建物放火割合
図1から、建物放火の約半分(48.8%)が私たちが住む家(住宅・共同住宅等)で起こっていることが分かります。
そして、東京で発生した建物火災の中でも、共同住宅等での放火火災がもっとも起きやすいことが示されています。
「家」のどこが狙われやすい?
- 共用部分:133
- 住宅部分:75
- 車庫・駐車場:11
- 建物の外周部:21
- 物置・倉庫:35
- ベランダ・屋上:15
- その他:32
図2 住宅(共同含む)で放火がおこなわれた場所
図2を見ると、いがいと「車庫・駐車場」での放火は少なく4割以上は「共用部分」で発生していることが分かります。
放火が発生しやすい季節・時間帯は?
季節
図3 月別放火件数
1月と2月が100件を超えており、2月が127件ともっとも放火が起こりやすいことが分かります。
一方、8月・9月は50件前後と1月・2月に比べると約半数になっています。
発生時間
図4 放火の時間別割合
図4を見ると、
①もっとも多い「0時~(83件)」ともっとも少ない「8時~(23件)」を比較すると、3倍以上の差があることが分かります。
②8時を中心にして・・・
- 0時~8時に向かって徐々に減少。
- 8時~18時に向かって増加。
という特徴があります。
放火の発生場所や時間帯は、確かに特徴が見受けられます。
ただ、24時間365日発生していることを考えるとやはり油断は禁物という答えになります。
放火を防ぐには?
放火で多い場所は図2からみてもあきらかに共有部分です。
よくポスターでも見られますが・・・
- ゴミは決められた時間帯に出す。(0時がもっとも放火の危険性が高く、夜間ゴミを放置しない)
- 住宅の周りに可燃物を置かない。(住宅放火の中でも住宅部分の放火は23%)
- 放火は、誰にも見られない時間帯だけでなく24時間発生しています。このことから、死角になっている場所が狙われていることが考えられます。放火の多い共用部分の施錠や防犯カメラ、近隣同士の協力などで死角をなくす必要があります。
ちなみに、着火物としては「紙・紙製品」が圧倒的に多くなっているので燃えやすい物は置かないようにする必要があります。
ということで、今回の放火条件でもっともリスクが高いのは・・・
2月の0時頃で、共同住宅の共用部分がもっとも狙われやすいことになります。
→ゴミ収集場所などは、かなり危険スポット!
~最後に~
総務省消防庁が実施している「放火火災防止地域戦略プラン」で消防局がおこなったあるアンケート結果が記載されています。
消防局が服役中の放火犯に対してこんなアンケートを実施しました・・・
Q.放火しやすい環境は?
- 「燃えやすい物が放置されている」
- 「一目に付きにくい」
- 「侵入しやすい」
- 「警戒心がない」
あなたの周りで当てはまる場所はないですか?
十分にご注意下さい。
まとめ
- 建物放火の約半数(48.8%)が住宅(共同住宅含む)で発生している。
- 住宅放火のなかでも、共用部分がもっとも放火が多い。
- 放火時間帯は8時がもっとも低いが、もっとも放火が多い0時~8時に向けて発生件数は減少していく。
- 8時~18時向けて放火件数は増加していく。
- 2月の0時頃で、共同住宅の共用部分がもっとも狙われやすい。→ゴミ収集場所は放火スポット
参考
東京消防庁
→http://www.tfd.metro.tokyo.jp/hp-bouanka/house/fire/h29.html
放火火災防止地域戦略プラン
→http://www.fdma.go.jp/html/data/tuchi1701/hokakasai.html
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