夏になると、蚊がたくさん発生してあちこち血を吸われてしまう方もいらっしゃるのではないでしょうか?
それでは、そもそも蚊はどこから発生するか知っていますか?
今回は、「家で蚊を発生させないための大原則!」についてご紹介します。
*今回は、殺虫剤以外の対策です。
殺虫スプレーはそもそも問題ないの?
蚊を退治するために、ベープなど虫除けを利用されていますか?
ですが、どんなに「安全!」と記載されていても、小さい子ども達と暮らしていると「本当に殺虫剤を使っても大丈夫?」とどうしても心配になってきます。
例えば、アースノーマットのHPを確認すると・・・
- 締め切った場所で使用する場所は、ときどき換気が必要(妊婦さんや乳児がいるいないに関わらず)
- 殺虫成分は、尿などで短時間で排出されるため毒性は低い
とされています。
そもそも、小さな害虫(2~3㎜程)を退治するための微量な殺虫成分しか入っていないため、人とは何千万倍も体重差があり、その体重差から考えても全性が高いとされています。
つまり、説明通りの使い方をしていれば、妊婦さんや乳児がいるご家庭でも安心して使えます。
ただ、漠然とした不安がありますよね・・・
単純な話し、「殺虫剤を使わなければ、それにこしたことはない」「できれば必要最低限の使用にしたい!」ということです。
そもそも、子どもが殺虫剤の容器を口にしてしまうかもしれません。
とはいえ、屋外の蚊は虫除けスプレーなどを使うしか方法がないでしょう。
それでは、自宅内はどうでしょうか?
少なくとも、自宅内の蚊なら減らすことができると思いませんか?
蚊はどこからやってくる?
皆さんは、蚊がどこからやってくるかご存じでしょうか?
例えば、あなたが小学生の頃にバケツや空き缶、放置された遊具などに溜まった水たまりの中で動く、細長い虫を見たことはありませんか?
実は、それが蚊の幼虫=ボウフラです。
もし、あなたの家で蚊がたくさん発生しているのならチェックすべき場所があるのですが、その前に蚊の生態について説明した方が理解が進むのでまずは、蚊の生態について簡単に説明します。
蚊の生態
まず、蚊は水たまりから発生します。
まあ、これが答えなんですが・・・
①水面や水際に産卵。
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②水中で1~2日で孵化(卵のまま越冬する種類もある)
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③幼虫(ボウフラ):水中で過ごしますが、尾を水面に出して呼吸しています。
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④6~7日でサナギになる。
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⑤サナギ(「オニボウフラ」と呼ばれる)は、水中で2~3日後に羽化。
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⑥成虫(蚊):メスだけが産卵のために吸血。
→成虫は1ヶ月ほどの寿命ですが、3~4回産卵を繰り返します。(1回に数十~200個くらいを産卵)
さて、以前ネズミについて紹介したときに「ネズミ算」について触れましたが、増え方はそれどころではないことが分かります。
→ネズミ駆除についての記事はこちらで紹介しています。
蚊の発生場所?
さて、蚊の産卵場所は水場であることが分かりました。
そして、卵から成虫まで種類にもよりますが約2週間しかかかりません。
さらに、1回に200個も産卵したとすると爆発的に増えて行くことになります。
つまり、自宅やその周りで蚊が大量に発生しているということは、「産卵場所が近くにある!」ということになります。
蚊の産卵場所とは?
挙げればきりがないのですが、受け皿に溜まった水ですら産卵してしまいます。
つまり、例えばベビーカーや自転車などの雨よけカバーを、濡れた状態で放置していると蚊の産卵場所にされているかもしれません。
他にも、ベランダで使わなくなった植木鉢や空き缶など、水が長期間(約2週間以上)溜まったままの状態になっている場所があれば要注意です。
植木鉢の受け皿もすぐにボウフラがわいてしまうため、できれば受け皿は使わずに、花などへの水やりはこまめにすれば、蚊の発生を抑えることができます。
ちなみに、先程「屋外は仕方がない」とお伝えしたのは、自分で産卵場所をなくすといったことが、不可能なためです。
→草むら・排水溝・古タイヤ・捨てられたビニール袋など、水が溜まる場所は特に屋外では、ありとあらゆる場所に存在しています。
産卵場所をなくす対策は?
自宅でできる対策はひと言でいえば、「水場をなくすこと」に尽きますが・・・
先程お伝えしたように、受け皿のような小さな場所まで産卵場所になってしまいます。
そのため、雨が当たるような場所に「子どもの三輪車」や「スコップ」など、水が少しでも溜まるようなおもちゃなどを放置しないことが対策になります。
ちなみに、台風などで風でゴミがベランダなどに落ちる。
ゲリラ豪雨などでいつもは水がかからない窓際にまで雨がかかるなど、状況は日々変わっていきます。
「蚊が多いな・・・」と思ったら発生源(水たまり)があるため、そもそも屋外に物を放置しないほうがいいでしょう・・・
→屋外に放置している物は、ボウフラがわいていてもおかしくありません。
ちなみに、目黒区では対策として水を取り除けない防火水槽や排水溝などに、「昆虫成長制御剤」と言われる殺虫剤が使われています。
→殺虫剤については、こちらの記事で紹介しています。
それでは、「この対策は夏だけすればいいのか?」といえば、残念ながらそういうわけでもありません・・・
蚊の種類によって活動が違う!?
都市に多く見られる蚊の種類
ヒトスジシマカ
「ヤブ蚊」とも呼ばれている蚊ですが、名前の通り背中に1本の縦筋があります。
日中、木陰や草むらで刺されることが多い蚊ですが、空き缶といった小規模な水たまりに発生します。
アカイエカ
夜に刺される代表的な蚊です。汚れが進んだ雨水マスなどに発生します。
チカイエカ
低温に強いため、冬でも生きることができ地下街や地下鉄で見ることができます。
つまり、「蚊」とひと言でいっても夜・日中・冬と刺されるシチュエーションは様々です。
蚊は、世界で約3200種。日本では確認されているだけで約100種もいます。
豆知識!
蚊は、全ての種が吸血するわけではなく1/4(約800種)は吸血しない種です。
また、蚊の主食は血液ではなく雌雄ともに花の蜜です。人や動物の血液は、あくまで卵を熟成させるための栄養源として使われています。
そして、多くの方がご存じのように吸血するのは卵を熟成させる必要がある「メス」だけということです。
最後に
今回は、殺虫剤を使わない蚊の対策についてご紹介しました。
正確には、蚊の対策というより「ボウフラ対策」ですが・・・
蚊の対策としては、防虫網や網戸などで蚊の浸入を防ぐ必要があります。また、庭があるお家なら定期的に草刈りをして風通しをよくしないと蚊が大量発生してしまいます。
蚊の面白い撃退法として、ある研究チームが「ある人間の臭いが漂う中で、20分間にわたり血を吸おうとした蚊に腕を叩いたときと同じ震動を繰り返した場合、蚊は24時間以上もその臭いを避けるようになった」
という研究成果も発表されています。
これをそのまま実行しようとすれば、なかなか大変ですがこれが本当なら応用した新しい商品が出てくるかもしれませんね。
蚊の危険性
さて、そんな蚊の浸入を防ぐことで、「痒み」だけでなく命に関わることもある「蚊媒介感染症」は、2014年に国内でデング熱の感染例がでたことで注目をあびました。
蚊は、感染症の媒介者となります。そして、蚊媒介感染症の中でも特異な治療薬がある「マラリア」以外は、対処療法しかありません。
現実問題として、蚊に刺されないことが蚊媒介感染症を防ぐ唯一の方法となります。
蚊に刺される可能性は、少しでも減らしていった方がいいでしょう。特に、子育て中の方は発生源にはご注意下さい。
参考
アース製薬
→https://www.earth.jp/nomat/safety/
品川区
→https://www.city.shinagawa.tokyo.jp/PC/shinagawaphotonews/shinagawaphotonews-2015/hpg000025336.html
目黒区
→https://www.city.meguro.tokyo.jp/kurashi/hoken_eisei/eisei/nezumi_gaichu/kanotaisaku.html
SEIKIグループ
→https://www.seiki.gr.jp/gaicyu/whats_g/mosquito.html
NATIONAL GEOGRAPHIC:蚊は叩こうとした人を覚えて避ける、はじめて判明
→https://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/news/18/012900040/
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