サービスエリアや商業施設など、様々な場所で多機能トイレが当たり前になりました。
それでは、どんな人のために設置されているかご存じでしょうか?
今回は、「機能が増え続ける多機能トイレ」についてご紹介します。
そもそも多機能(多目的)トイレってなに?
一般トイレ付近にある男女共用トイレで、いろいろな設備が設けられているトイレのことをいいます。
誰でも使用できることはできますが、本当に必要な人が優先される優先トイレでもあります。
どんな人が優先されるの?
車イス使用者
- 車イスを回転できる広いスペースが必要。
- 便器に移譲するために手すりを使用。
オストメイト(人工肛門等保有者)
- パウチ(ベンを溜めておく袋)から排泄する必要があるため、汚物流しを使用。
介助が必要な人
- 介助者も一緒に入れるスペース。
- 異性の介助者でも入れるトイレ。
- 介助のためにベッドを使用。
子ども連れ
- ベビーカーで入るために広いスペースが必要。
- 子どもを座らせるためにベビーチェアーを使用。
- おむつ替えをするために、着替え台やおむつ交換シートを使用。
実は、問題が発生中・・・
多機能トイレは、誰もが使えることが目的として設置されているため、ユニバーサルデザインのトイレということができます。
ユニバーサルデザインとは、障害の有無や能力の差などを問わず、誰もが使用できることを目指した建築(整備)・製品・情報などの設計(デザイン)のこと。
身近な物で言えば、例えばスマホもユニバーサルデザインと言えるでしょう。
ただし、問題があります。
「さまざまな機能が1つに集約されていて、誰でも使える」と言うことは、必ずしも必要な人が優先されるわけではないということです。
多機能トイレで待たされた経験がある車イス使用者は94%!?
間違えないで欲しいことは、多目的トイレは待つことがあってもそれは仕方がありません。あくまでも、公共施設ですので個人の専用トイレではないのですから。
ただ、すぐに利用できない理由が次のような場合ならどう思いますか?
すぐに利用できなかった理由
- 多くの人がしょっちゅう使うようになり、待たされることが多くなった。
- 出しっぱなしのおむつ換えシートが邪魔で、出入りできないことがある。
- 着替えをする人が長時間占有。
- トイレ内の「閉」ボタンを押した状態で外に出て施錠されてしまっていた。
→障がい学生支援教室だよりから、約75%の人が「多機能トイレが不足している」と回答がありました。
最後に
多機能トイレは、使いやすさを目指した結果、利用率が上がりました。
これは、とてもいいことです。
ただ、一般のトイレを利用できるなら、やはり多目的トイレは避けるべきでしょう。
→商業施設では、例えば一般トイレの手洗い場付近に、乳児のおむつ換え台が設置されいることもあります。
なにより、電車などの優先座席の場合なら乗車してこられたことが分かるため譲ることができます。しかし、トイレ内は個室のため、そもそも誰かを待たせているかどうかも分かりません。
一般のトイレでも同じことが言えますが、1人で占有してしまわないようにご注意下さい。なにより、多機能トイレは1つの場所に1箇所・2箇所と数に限りがあります。
個人的には、必要があれば障害などがなくても使用してもいいとは思います。
ただ、一般の公共トイレと同じで・・・
- 不必要に占有しない。(短時間利用)
- 必要な人を優先する。
- 使ったら元の状態に戻す。
これらは、最低限のルールでしょう。
そもそも、突然の腹痛でどこのトイレも空いてなくて、多機能トイレしか空いていないこともあるでしょう。
緊急事態は誰にでも起こりえます。(特に、男性はお腹を壊しやすい)
「一般の人は絶対に使ってはいけない!」のではなく、不必要な使い方をしないように心がけることができればいいですね。
最近では、多機能トイレの場所が分かるアプリもあるため、利用してみてはいかかでしょうか。
トヨタの情報提供サービス
スマートフォン向けナビゲーションアプリ「TCスマホナビ」でApp Storeを検索。
アプリ起動→「目的地検索」→「ジャンル」→「多目的トイレ」を選択すれば、近場の多目的トイレを検索することができます。
介助者に簡単に探してもらうことができます。
参考
国土交通省
→https://www.mlit.go.jp/common/001275326.pdf
トヨタ:トヨタ自動車、「多機能トイレ」の情報提供サービスを開始
→https://global.toyota/jp/detail/16758513
コメントを残す