学校でエアコンは当たり前? エアコン普及率が最も高い学校種とは!? 

 

私が小学生の頃は、エアコンが設置されている教室と言えば、「図書室」や「コンピューター室」ぐらいでした。

そして、今年(2020年)は新型コロナウイルスの影響で、夏休みが短縮され殺人的な暑さの中、学校が開始されました。

それでは、学校でのエアコン普及率に変化はあるのでしょうか?

今回は、「学校とエアコン普及率」についてご紹介します。

 

そもそも夏は暑くなっているの?

気象庁によると、日本の平均気温は1898年以降で100年当たり約1.2℃の割合で上昇しています。

世界の年平均気温は100年当たりで0.74℃。

さらに言えば、1990年代以降、高温となる年が頻繁に現われるようになりました。

このように、日本の気温は世界に比べても大きく上昇しています。

これは、「日本が地球温暖化による気温の上昇率が比較的多きい、北半球の中緯度位置していることが原因」と言われています。

つまり、昔と比べると実際に気温は上昇していますし、世界的にみても日本の気温の上昇は大きくなっていることが示されています。

geralt / Pixabay 

さて、1927年~2018年までの統計期間で、100年当たりの変化率が以下のように示されています。(これには、「平均気温」「日最高気温」「日最低気温」の100年の変化率が示されています。)

それによると、平均気温は「東京:冬」が最も高く、4.2℃上昇していることが示されています。

さらに、日最高気温では横浜が2.9℃と最も高くなっています。

つまり、最高気温よりも、平均気温の方が上昇していることが分かります。


ところで、「暑い日が続く?」と感じている人も多いのではないでしょうか?

実は、日最低気温を確認すると、「東京:冬が5.8℃」・「札幌:冬が5.6℃」と6℃近く上昇しています。

つまり、最高温度が上昇していることに加えて、それ以上に日最低気温が上がったことが挙げられます。

ただ、地域によって上昇率は違うため、特に東京への影響が大きいことが示されています。

また、夏と比較すると冬の方が気温の上昇が顕著に表れています。とはいえ、基本的にどの地点においても年間を通してどの季節も気温の上昇が見られています。

ちなみに、気象庁が発表している観測史上最も最高気温が高かったのはいつかご存じでしょうか?

A.2020年8月17日:41.1℃を観測した静岡県浜松市

→実は、今年が一番暑かったりします。

 

つまり、東京の方が顕著に気温の上昇は見られますが、他の地域も気温の上昇に警戒しないといけません。これは、北海道も同様で2019年には39℃を越える地域までありました。

この気温は、命に関わる暑さです。

 

「気温と熱中症」についてはこちらの記事で紹介してます。

熱中症警戒アラートは、本当に危険なアラート!命を守る行動が必要!?

それでは、今年も危険な夏だった学校では、エアコンが設置されているのでしょうか?

 

学校でのエアコン普及率は?

例えば、基本的に大学ではエアコンが設置されていると思います。

それでは、それ以外の学校ではどうなっているのでしょうか?

文部科学省が令和元年9月19日に発表した「公立学校施設の空調(冷房)設備の設置状況について」より

 

設置率は大幅に上昇している!?

例えば、公立小中学校ではその設置率が大幅に上昇しています。

2010では、普通教室でのエアコン設置は23.2%しかありませんでした。

ですが、2017年には52.2%となり2019年には78.4%と、大幅に設置が進んでいます。

ただ、学校といえば普通教室だけでなく、特別教室(音楽室や理科室など授業のために特別に設置された教室)や体育館もありますよね。

残念ながら、特別教室は2019年でもまだ50.5%しか設置されていません。体育館にいたっては2018から数値が上がっていますが、2019年でも3.2%となっています。

つまり、普通教室を優先的に設置しており、特別教室はそれに遅れて設置が進んでいる段階です。

体育館にいたっては、ようやくエアコン設置を実施している学校が出てきた段階です。

全国的には、学校種別にこのような設置状況になっています。

 

学校種別の空調(冷房)設備設置状況

令和元年9月1日現在

 
学校種 室の種類 設置率
小中学校 普通教室 77.1%
特別教室 48.5%
幼稚園 保育室 89.2%
保育室以外の諸室 72.4%
高等学校 普通教室 83.5%
特別教室 43.7%
特別支援学校 普通教室 89.7%
特別教室 75.2%

つまり、普通教室の普及率はそれほど変わりませんが、特別教室では「幼稚園」や「特別支援学校」の方が進んでいることが分かります。

それでは、都道府県別にエアコンの設置率はどのように変化するのでしょうか?

 

都道府県によってエアコンの普及率はどれくらい差があるの?

それでは、最もエアコンが普及している普通教室でのエアコン普及率について見ていきましょう。

 

小中学校での地域別の普及率は?

普通教室でのエアコンの普及率が、100%の地域があります。

  • 東京都
  • 滋賀県
  • 香川県

*ちなみに沖縄は、91.7%の普及率。

 

一方、エアコン設置が進んでいない都道府県はこのようになっています。

  1. 北海道:0.8%
  2. 青森県:5.6%
  3. 秋田県:18.7%

となっており、地域によって大きく違います。

先程もお伝えしたように、北海道でも40℃近い地域もあるため夏でも空調がいらないとは限りません。

 

幼稚園での地域別の普及率は?

幼稚園では、小中学校よりもさらに100%普及している地域が多くなっています。

①福島県 ②栃木県 ③埼玉県 ④富山県 ⑤石川県
⑥鳥取県 ⑦山口県 ⑧徳島県 ⑨高知県 ⑩佐賀県

*ちなみに、沖縄は90.9%の普及率

 

一方で、普及率が低い地域はこのようになっています。

  1. 北海道:12.5%
  2. 山梨県:27.3%
  3. 岡山県:60.1%

このように、幼稚園のエアコンの普及率は、北海道と山梨県が少なくなっていますがそれ以外の地域では6割を越えていることが分かります。

 

高等学校での地域別の普及率は?

高等学校でのエアコン100%の普及率の地域

①茨城県 ②群馬県 ③千葉県 ④東京都 ⑤神奈川県
⑥京都府 ⑦大阪府 ⑧兵庫県 ⑨鳥取県 ⑩高知県
⑪福岡県 ⑫沖縄県

 

一方で、低い普及率はこのようになっています。

  1. 北海道:0%
  2. 青森県:1.7%
  3. 宮城県:3.6%
  4. 岩手県:4.6%

このようになっており、確かに高等学校は普通教室のエアコン普及率は100%を越えている地域が多くなっていますが、5%にも満たない地域も多く北海道にいたっては0%になっています。

 

特別支援学校での地域別の普及率は?

特別支援学校でのエアコン100%の普及率の地域

①茨城県 ②栃木県 ③群馬県 ④埼玉県 ⑤東京都 ⑥神奈川 ⑦新潟県 ⑧富山県
⑨石川県 ⑩福井県 ⑪山梨県 ⑫岐阜県 ⑬静岡県 ⑭三重県 ⑮京都府 ⑯大阪府
⑰兵庫県 ⑱和歌山県 ⑲鳥取県 ⑳島根県 ㉑広島県 ㉒山口県 ㉓徳島県 ㉔香川県
㉕愛媛県 ㉖高知県 ㉗福岡県 ㉘熊本県 ㉙大分県 ㉚宮城県 ㉛沖縄県

つまり、47都道府県中31県の特別支援学校では100%普及していることが分かります。

 

一方、エアコンが普及していない地域はこのようになっています。

  1. 北海道:2.2%
  2. 青森県:8.7%
  3. 岩手県:20.6%

*ちなみに、暑さが厳しくなってきた北海道ですが、広いため地域差が如実に表れます。実際、真夏日(日中の最高気温が30℃以上ない地域が多い

Wokandapix / Pixabay 

 

普及率は地域別に確認していくと学校種の差が大きい!

確かに、「幼稚園」と「特別支援学校」はどちらも、普通教室に限れば約90%の普及率をほこっています。

ところが、100%の普及率を地域別にみると・・・

  • 幼稚園:10県
  • 特別支援学校:31県

このように、3倍以上の差が見られます。

さらに言えば、高等学校では12県が100%普及しているため、幼稚園よりも多くなっています。

また、どの学校種でも北海道がエアコンの普及率が最も低く高等学校にいたっては0%でした。

冒頭でもお伝えしましたが、北海道でも40℃近くになる地域があります。

このように、エアコンの普及率は地域差が大きく見られることが示されています。

 

最後に

昔のままなら、真夏に学校の授業は命がけになりかねませんでした。

ただ、少なくとも普通教室では多くの学校でエアコンが普及しています。

今後の課題は、「特別教室」や「体育館」でのエアコン設置の推進になるでしょう。

地域よっては、エアコンがまだ必要ない場所もありますが、それは現時点の話しでこの先のことは分かりません。

学校も昔とは大きく変化してきています。

ただ、学校内だけではなく登校時など暑さ対策は必須になっていくでしょう。

 

「夏の対策日傘」については、こちらの記事で紹介しています。

炎天下の子ども達を守る?日傘と雨傘は役割が違う! ~晴雨兼用と雨晴兼用~

 

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