夫婦関係を継続していくことは、そう簡単ではないですよね。
それは、恋人関係であっても変わりはありません。ですが、パートナーとの関係悪化はひょっとしたら病気が関係しているかもしれません。
今回は、そんな可能性のある「妄想性障害(嫉妬型)」についてご紹介します。
妄想性障害ってなに?
一般に、妄想性障害は成人期中期(40歳頃)~老年期にかけて発症します。
- 後を付けられている
- 毒を盛られる
- 配偶者や恋人に裏切られる
など、実生活でもありうるような状況を含んでいます。
→「毒を盛られる状況」ってサスペンスみたいですが、なくはないですよね。
つまり、「妄想」といえば、統合失調症でもみられますが、統合失調にあるような・・・
- 壁の中に見張っている人がいる
- 頭の中が誰かに読み取られている
など、このような現実的にありえない妄想はありません。
妄想性障害の類型
《色情型》
「自分に心を寄せている!」と思い込む。
本人は、こういった妄想を秘密にしておく傾向がありますが、電話・手紙・監視やストーカー行為により、対象者に接触しようとします。
《誇大型》
「自分には偉大な才能がある」または、「重要な発見をした」などと思い込む。
《嫉妬型》
配偶者または恋人を浮気をしていると信じ込みます。曖昧な証拠から誤った推理をしてしまうため、傷害事件が起こる危険性まであります。
→シェイクスピアのオセロが似たような症状から、「オセロ症候群」ともいわれます。
《被害型》
- 自分に対して陰謀が企てられている
- 見張られている
- 中傷されている
- 嫌がらせをさせられている
こういった思い込みにより、裁判所や行政機関に訴えて繰り返して正当性を主張しようとします。
→想像上の迫害に報復しようとして、暴力的な手段に訴えることもあります。
*統計学的に最も多いタイプ。
《身体型》
「体に不自由がある」「体臭がする」など体の機能や特性にとらわれてしまいます。妄想が、「寄生虫感染」といった想像上の形をとる場合もあります。
このように、「妄想性障害」と一言でいってもさまざまな分類があります。
今回は、夫婦関係・恋人関係についてですので「オセロ症候群(嫉妬型)」について見ていきましょう!
オセロ症候群
先程お伝えしたように、「オセロ症候群」は配偶者や恋人など、パートナーに対して過剰な嫉妬妄想を抱くものです。
とはいえ、パートナーに対して「やきもち」を焼いてしまうことはありますよね・・・
ですが、こんな行動をとってしまっていたらどうでしょうか?
行きすぎた行動とは?
確たる証拠もないのに「浮気をしていると疑う」
- GPSなどで、パートナーの行動を追跡
- 携帯電話など持ち物をつねにチェック
- パートナーがテレビで異性を見る
- 視線が異性に向く
- 嫉妬心で社会生活や人間関係に支障をきたす
つまり、とてつもなく相手を束縛していきます。
さらに、相手を疑うあまり暴言や暴力をふるってしまうという本末転倒なことまで引き起こしてしまいます。
*本人も、摂食障害・不眠症・うつ病になることもあるため放置することは得策ではないようです。
どうすればいいの?
オセロー症候群に陥っているパートナーと別れる場合は、番号も変えて二度と関わりを持たないなど、温情をかけずにキッパリと別れる必要があります。
逆に、一緒にいることを選択するのなら過去の出来事からオセロ症候群が引き起こされた原因を特定する必要があります。
というのも、オセロ症候群は「子どもの頃など過去の経験が原因」となっていることが多いためです。
- 両親の離婚・虐待・愛情不足
- 兄妹の中で、自分は能力が低かった
- 中学~20歳までの間で友人や恋人にひどく裏切られた
こういった、理由が考えられます。
「自分はダメだからすぐに捨てられる」「強い束縛=強い愛情」と考えているなど、オセロ症候群になっている理由は様々なため、その原因を見つけていかなくてはいけません。
*オセロ症候群は・・・
- アルコール依存症
- 妄想性障害
- 強迫性パーソナリティ障害
などから、発展するケースもあります。
改善していくには?
根本的な解決方法は、パートナー自信が「自分の行動や考え方が異常」だと気付き、改善していこうとしなくてはいけません。
ただ、なかなか難しいことが多いようです。そもそも、これってこれまでの自分を否定することになりかねませんよね。
そして、そもそもが「妄想」ですのでパートナーの歪んでしまった思考や極度の不安を解消していかなくてはいけないため、地道に解決していく必要があります。
例えば、本人の両親が離婚した経験から「私は価値がないから捨てられた=これからもいつ裏切られるか分からない!」と思い込んでいるなら、例えば「捨てられたくないから過剰に反応している」とします。
その場合、パートナーは「ずっと一緒にいる」「絶対に裏切らない」と何度も何度も繰り返して言葉と態度で示していく必要があります。
先程もお伝えしたように、放置することは得策ではありません。
カウンセリングを受けるなど、心の治療が必要になります。
最後に
「三つ子の魂百まで」なんていわれますが、人格形成は幼い頃の経験が大きく関わってくると言われます。
例えば、親の離婚が原因で自分がオセロ症候群に陥り、自分もまた離婚してしまい、その子どももまたオセロ症候群に陥り・・・
まさに、負の連鎖が続いていってしまいます。
夫婦関係を続けていこうとしたときに、自分たちだけでは解決できないことが必ず出てきます。もしも、それが心理的な理由なら、カウンセリングをうけることも一つの方法です。
参考
下大利こころの診療所
→http://n-kokoro.com/examination/examination11/
オセロ症候群 ひとみ行政書士事務所
→http://hitomi-gyoseisyosi.com/oserosyoukougunn.html
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