皆さんは、「はしか」についてどれくらいご存じでしょうか?
多くの方がこれまで1度は感染したことがあるはしか。
今回は「なぜ、はしかが危険視されているのか?」
そして、「2019年の2月時点でどれだけ流行しているのか?」
についてご紹介したいと思います。
「はしか」はどんな病気?
はしかは、「麻疹」と書き、「ましん」と呼ばれることもあります。
感染するウイルスの名前は、「麻疹ウイルス」と呼ばれます。
感染経路は、空気感染・接触感染などさまざまな経路があります。
感染力が超強力!
はしかは、インフルエンザの10倍の感染力があります。
もっと分かりやすくいえば、免疫を持たない人が麻疹ウイルスに接触するとほぼ100%感染します。
例えば、麻疹の免疫がない集団に1人の発症者がいたとすると12人~14人に感染します。
→インフルエンザでは、1人~2人が感染。
感染しても発症しない(症状がでない)ことを不顕性感染(ふけんせいかんせん)と呼びますが、はしかにはこの不顕性感染はほとんどありません。
感染した90%以上の人が発症するというかなり怖い病気です。
症状は?
麻疹ウイルスに感染すると・・・
①発症
約10日後の潜伏期間を経て発症。
↓
②風邪のような症状
咳・鼻水・2~3日熱が続く。
↓
③高熱と発疹が出現
39度以上の高熱と発疹が出現します。
合併症
肺炎や中耳炎を合併しやすく、1,000人に1人の割合で脳症が発症するといわれています。
また、先進国であっても1,000人に1人は亡くなる怖い病気でもあります。
予防接種をしているのになぜ感染するの?
以前なら、小児のうちに「はしか」に感染し自然に免疫を獲得するのが当たり前でした。(自然に免疫を獲得)
ですが、現在では風しん(はしか)ワクチンの接種率の上昇により、自然に感染する人は少なくなってきています。
ただ・・・
- これまで予防接種をしたことがない。
- ワクチンを1度しか接種しておらず、十分な免疫がついていない。
といった理由で免疫を持たない人は、はしかに感染してしまいます。
しかも、2019年のはしか感染者は爆発的に増加しています。
はしかの感染者数
図1 2013年~2018年の1年間の報告数
図1から、2015年に急激にはしかの感染者数は減少しましたが、それ以降どんどん増加の一途をたどっています。
そして、2019年5週目までの患者数が発表されました。
2019年の2月時点で報告数は148人です。
すでに、前年の患者数全体の約半数に迫ろうとしています。
これは、過去10年間で比べると最多ペースで増え続けています。
都道府県別に発生人数をみると
さらに、都道府県別にみると報告人数にかなり偏りがあることが分かります。
図2 都道府県別報告人数
図2から、明らかにはしかの報告人数が三重と大阪に一極集中していることが分かります。
原因は、三重県で民間大体の研修にはしか感染者が出席。参加者の間で感染が広がったためとみられています。
そして、その感染した人の1人が大阪でAKBの握手会に参加。
こういった経緯でどんどん感染が拡大していったようです。
ただ、感染力は強いですが予防接種で防ぐことができます。
はしかに特効薬はありません。
対処療法のみです。
そのため、予防接種が一番の対策になります。
予防接種の注意点
予防接種の持続効果は・・・
- 1回の接種では約10年。
- 追加接種で40年~50年。
- 3回目を受けることは健康上問題なく、むしろ確実に免疫がつく。
とされています。
はしかの予防接種は、以前したかどうか調べる必要もなくうつことができます。
もし、自分が予防接種や感染したか分からなければ医療機関で予防接種を受けることをオススメします。
まとめ
- はしかの感染率はインフルエンザの約10倍。
- はしかに感染した場合、特効薬はなく対処療法のみ。
- 感染する前に予防接種を打つことが一番の対処法。
参考
同友会グループ
→http://www.do-yukai.com/medical/105.html
感染症情報センター
→http://idsc.nih.go.jp/disease/measles/QA.html
国立感染症研究所
→https://www.niid.go.jp/niid/ja/hassei/575-03.html
yahooニュース:「はしか、全国拡大の懸念 過去10年で最多の勢い」
→https://news.yahoo.co.jp/
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