子育てをしていると、「まだ、歯が生えてこない!」なんて不安に思ったことはありませんか?
小児科や検診などに行くと、同年代の子ども達には歯が生えているのに「私の子どもにはまだ生えてない!」なんて・・・
心配になりますよね。ただ、そのために乳幼児歯科検診があるわけです。
今回は、「乳歯が生えてこない場合」についてご紹介します。
なぜ、乳歯が生えてこない?
基本的には個人差です。子育てに限らず、「待つ」ことは重要な役割を持っています。そもそも、遅く生え始めた場合、その後の萌出(ほうしゅつ:歯が生えてくること)も遅くなる傾向があります。
《乳歯の生え始める時期と抜け落ちる時期》
歯の種類 | 萌出 | 脱落 |
乳中切歯 | 上歯:7.5ヶ月 / 下歯6ヶ月 | 6~7歳 |
乳側切歯 | 上歯:9ヶ月 / 下歯7ヶ月 | 7~8歳 |
乳犬歯 | 上歯:18ヶ月 / 下歯16.5ヶ月 | 9~12歳 |
第1乳臼歯 | 上歯:14ヶ月 / 下歯12ヶ月 | 9~11歳 |
第2乳臼歯 | 上歯:24ヶ月 / 下歯20ヶ月 | 10~12歳 |
*上記表の歯の位置に付いては、こちらの大塚歯科医院のHPをご覧下さい。
この表を見てみると、平均すると生後6ヶ月頃には乳中切歯(前歯の下)の下歯が生えてきます。ただし、この表はあくまでも平均値です。実際は、1年程度それぞれ歯が生える時期が遅くとも問題ないとされています。
1年の猶予があると考えるとかなり気持ちが楽になるのではないでしょうか?
*ちなみに、生後9ヶ月の娘はやっと乳中切歯が生えてきました。このように、上の表はあくまでも平均値です。
ただし、注意する点があります。
乳幼児歯科検診
- 「1歳6ヶ月児歯科検診」で、乳歯の本数が少なくてもあまり心配いりませんが・・・
- 「2歳6ヶ月児歯科検診」で、乳歯の数が15本以下(全体の約1%)の場合、
- 「3歳6ヶ月児歯科検診」で、乳歯の数が20本そろわないこともあり、生まれつき歯の本数が少ない可能性が出てきます。
つまり、多くの場合は個人差で歯が生える時期が決まります。ですが、そもそも生まれつき歯の本数が少ない場合があります。
先天性欠如
先天性欠如は、「乳歯」と「永久歯」の両方に見られます。先程説明した、「乳歯:20本・永久歯:32本」の数に生まれつき足りないことを、歯の先天性欠如といいます。
歯のもとになる歯胚(しはい)というものがあるのですが、この歯胚が作られないことで起こります。
- 遺伝
- 全身疾患
- 薬の副作用
などが原因として考えられていますが、実はまだよく分かっていません・・・
欠如が多い歯は?
- 下顎第2小臼歯(前から5番目)と下顎側切歯(前から2番目)の欠如が最も多い。
- 上顎第2臼歯(前から5番目)・上顎側切歯(前から2番目)の順にみられます。
ただし・・・
◎乳歯の先天性欠如の場合◎
必ずしも永久歯の本数が足りなくなるわけではないので、レントゲンで永久歯の本数を確認し、ほとんどの場合は経過観察になるようです。
◎永久歯の先天性欠如の場合◎
乳歯がそのまま残ります。ですが、乳歯は20歳前後で抜け落ちることが多いため、「歯並び」や「かみ合わせ」に異常が起きないように治療が必要になります。
いかがでしたでしょうか?
「乳歯」について、少し分かっていただけたでしょうか?
それでは最後に、そもそもなぜ「乳歯」から「永久歯」に生え替わるのかご紹介します。
そもそも、なぜ「乳歯」から「永久歯」に生え替わるの?
そもそも、どうして乳歯から永久歯に生え替わるかご存じでしょうか?
①顎の大きさが変わる!
子どもは成長過程ですので、体が大きくなるにつれてどんどん大きくなります。それは、顎も例外ではありません。もし、乳歯しか生えないとしたら大人になって大きくなった私達の歯は顎が大きくなったぶん、隙間だらけになってしまいます。
そして、子どもの顎は小さく子どもの歯は20本しかありません。ところが、大人の歯は32本必要です。つまり顎が大きくなったぶん、12本さらに必要になることになります。
このように、大人になるまでにそもそも歯の本数を増やす必要があります。しかし、それなら「乳歯を残したままさらに歯を増やしていけばいい!」となるかもしれませんね・・・
②一度生えた歯の大きさはある程度決まっている!
自分の歯を見てみれば分かると思いますが、一度生えた歯もどんどん成長する・・・ということはないですよね。
身長が伸びるように、歯も成長していけばいいですが自分の歯が成長するに従ってどんどん大きくなることはありません。
つまり、乳歯として生えた以上は乳歯でしかありません。もし、乳歯が抜けずに歯がどんどん生えれば、それこそ大小入り乱れた歯が生えてしまいかみ合わせどころの話しではなくなってしまうでしょう。
→虫歯のリスクも格段に上がります。
③乳歯であること
そもそもの話しですが、永久歯と乳歯はまるで別物です。確かに、歯の仕組みはほぼ同じですが、永久歯の「エナメル質」・「像牙質」の厚みは乳歯の約2倍もあります。
かといって、いきなり永久歯をはやすためには子どもの顎は小さく、これから大きくなる顎の大きさにも対応できません。(もちろん、乳歯がなくては噛む力を養うこともできません)
このように、歯はその顎にぴったりの物が必要であるため、乳歯から永久歯に生え替わっていきます。
*本音を言えば、サメのように何度でも生えてくれば良いですが、「実は、サメの歯には歯根がなくすぐに抜けてしまう・・・」という話しはまた別の機会として。
→人間の歯は、1度しか生えかわらないですがそれだけ丈夫だともいえます。このようにそれぞれ、メリットデメリットがあるということです。
最後に
乳歯は、永久歯が生えるまでの準備段階といえます。そして、乳幼児歯科検診により歯に異常がないか確認することができます。
そして、歯の生えが遅いとどうしても心配になります。ただ、「遅くとも、どれくらいの期間で生えてこないといけないのか?」そして、「その時期までに生えてこないと、どんな問題があるのか?」について以外と知らないのではないでしょうか?
知らないことで次の対処が分からず、不安だけが大きくなります。心配なことは、小児科でも確認してみて下さいね!
参考
一般社団法人 吹田市歯科医師会
→http://www.ha-suita.com/qanda/qa_8.html
花王
→https://www.kao.co.jp/clearclean/oralcare/haekawari/01/
ラッフルズジャパニーズクリニック
→https://www.rafflesj-clinic.com/column/mc-hatam31/
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