結婚して子どもができると、それぞれの実家へ帰省するために車を利用する方も多いのではないでしょうか?
実際、私の親戚にも滋賀県から香川県まで車で往復して実家に帰っているお兄さんがいます。
さて、長距離運転に限ったことではないですが、「運転歴」や「長時間運転」など車に乗るほど居眠り運転の危険性が高まることはいうまでもないですよね・・・
ですが、居眠り運転についてほとんど知らない方も意外と多いのではないでしょうか?
そこで、今回は「居眠り運転が想像以上に危険な理由」についてご紹介します。
居眠り運転ってなに?
疲れからくる居眠り運転
車の運転に慣れていない方からすれば、「居眠り運転なんてできるわけない!」というかもしれませんね。「初心忘れるべからず」を実践できれば良いですが、なんでもそうですが繰り返していくと慣れてきてしまいます。
そうすると、初心者の時のようなおっかなびっくりは無くなっていきます。逆にいつまでたってもおっかなびっくりでは、仕事にならないのでそれはそれで困ったものですが・・・
さて、居眠り運転の原因のほとんどは「疲労」と「睡眠不足」です。仮に、緊張状態が続いていたとしてもそのうち疲労が溜まっていき居眠りをしてしまうかもしれません。
特に初めて運転したときは、誰もがすぐに疲れてしまいます。このことから、まったく同じ「運転」だとしても持病や寝不足、運転歴などによって、疲れ方には個人差が大きくあります。
眠たくなる時間帯
よく、「2時間以上は運転しないようにしよう!」なんて言われます。実際、車によっては「そろそろ2時間です。休憩しましょう。」なんてガイダンスが流れる車まであります。
→以前、私が乗っていた「トヨタ:アクア」がそうでした。
これは、2時間おきに眠気が襲ってくるメカニズムが存在しているためです。また、そもそも食後は眠りやすくなりますよね。
それでは、「道が広く運転しやすい!」と言われる北海道で発生した、居眠り運転が原因と思われる死亡事故について見ていきましょう。
図1 居眠り運転が原因と思われる死亡事故
図1をみると・・・
- 12~15時台が25件と最も多いことが分かります。
- 16~19時台が14件。
- 4時~7時台が「12件」、8~11台が「11件」と同じくらいの件数で続きます。
ただ、それ以外のどの時間帯でも「居眠り運転が原因」だと思われる死亡事故は発生しています。このように、運転しやすい場所は得に注意する必要があります。
なぜ、居眠り運転をするの?
居眠り運転の原因は、「疲労」と「睡眠不足」と説明しましたが、実はそれだけはないようです。広島大学大学院総合科学研究所 林 光緒氏の論文「居眠り運転発生の生理的メカニズム」ではこのように紹介されています。
食後
昼食が原因で、眠気が発生することが証明されています。
- ガムのように咀嚼後に吐き出した場合は、眠気は高まらない。
- 食物を咀嚼して、そのまま飲み込んだ場合は45分後に眠気が高まる。
- 305kcalの軽食よりも、922kcalの重い昼食を摂ると眠気が高まる。
そして、「流動食や水を摂取した場合は眠気が高まらず、固形食を摂取したときは眠気が高まった」と紹介されています。
生体リズム
先ほど紹介した、約2時間おきに発生する眠気の生体リズムのことを「ウルトラディアンリズム」といいます。ただ、それほど強いリズムではないため集中していたり緊張状態ではそれほど影響はありません。
ただし、例えば運転しやすい状態の高速道路での運転など、単調な作業の繰り返しになると影響が出てきます。つまり、生体リズムとして備わっている眠気です。
→そもそも、2時間も運転すれば疲労がたまるため、休憩が必要になることは想像できると思います。
睡眠時間と眠気の関係
日中の眠気は・・・
- 前夜の睡眠時間が短くなるほど強くなる。
- 〃 長くなるほど弱くなる。
ことが分かっています。
運転時の睡眠不足は、アルコール摂取時の眠気を調べた研究結果にもあります。
→「普段の睡眠時間を2時間短縮すると、缶ビール350mlを2~3本飲酒したのと同じくらいの眠気レベルだった」とアメリカの研究結果が発表されています。
*そもそも、日中の覚醒レベルは前夜だけでなく毎日の睡眠時間の影響も受けるため、睡眠不足が日々蓄積していきます。→蓄積度によって日中の覚醒レベルが低下する。
結局のところ、居眠り運転の原因は・・・
- 日々の睡眠不足の蓄積。
- 前日に普段以上に寝ていない。
- 人間に備わっている生体リズム。
- 食後
ということで、少なくとも2時間以上単調な運転をすることになれば、誰もが居眠り運転をする可能性があります。
もちろん、寝不足や食後などではもっと短時間で起こるということです。それでは、居眠り運転を防ぐためにはどうすればいいのでしょうか?
眠気を覚ますには?
1.覚醒刺激を与える
- 明るい光を照射する。
- 興奮的な音楽を聴く。
- 冷風に当たる。
- 洗顔する。
2.覚醒効果のある物質を摂取
- カフェイン
- ニコチン
など。
3.仮眠
仮眠は効果的です。ただし、仮眠後すぐに運転を再開すると危険です。JAFによると実際、長距離運転などの事故では、寝起き後の「いねむり事故」が多くなっているようです。
→脳は覚醒したつもりでも、体が遅れて眠りを要求するという状況に陥ります。つまり、仮眠後は車から降りて体を起こして頭だけでなく体も覚醒する必要があります。
最後に
車離れが叫ばれる昨今、車を運転する機会がそれほどない方も多いのかもしれません。ただ、居眠り運転は誰にでも起こり、いつ事故に巻き込まれるか分かりません。
よく車を運転する私としては、長時間の運転にならないように気を付けていますが、それでも過信しないようには心がけています。
もし、久しぶりに車を運転するならなおさら長時間の運転は避けてくださいね。といっても、仕事の場合はそうもいかない方もいるでしょう。
体を冷やすと覚醒しやすいので、夏場に使うクールタオルなどを首に巻いてみてはいかがでしょうか。私の場合は、ガムを噛んでいますが限界があります・・・
せっかくの帰省で、居眠り運転なんて冗談にもなりません。居眠り運転対策は、しっかり準備してくださいね。
参考
JAF:居眠り運転を防ぐにはどうすればいいのでしょうか?
→http://qa.jaf.or.jp/drive/careful/05.htm
眠り運転発生の生理的メカニズム
→https://www.iatss.or.jp/common/pdf/publication/iatss-review/38-1-06.pdf
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