これまで、何度かホンダの取組についてご紹介してきました。実は、新型コロナ対策についても様々な対策が実施されています。
今回は、ホンダが実施している「感染者を搬送する車両(仕立て車)」についてご紹介します。
「感染者を搬送する車両」って何?
この車両には、2つの特徴があります。
- 運転席と後部座席に仕切りを設置する。
- 前後席間の圧力差を利用して、飛沫感染を防ぐ。
さて、座席を前後で仕切ることは分かりますよね。それでは、「圧力差」とはどういうことなのでしょうか?
前後空間の圧力差とは?
- 運転席→陽圧状態
- 後部座席→患者搬送のため陰圧状態
それではなぜ、圧力を変えることが飛沫感染の防止につながるのでしょうか?
例えば、病院では陰圧と陽圧をこのように利用されています。
- 陽圧管理:白血病など、抵抗力の弱い患者さんの場合は、周囲の汚染から守るために逆隔離するために、室内を陽圧(無菌病室)にします。→外の病原菌を入れない。
- 陰圧管理:感染症などの保菌者は、屋内を陰圧にすることで隔離し、病原菌を封じ込めて他へ汚染が広まることを防ぐことができます。→中の病原菌をださない。
つまり、「陰圧」というのは、外の空気よりも空気圧が低い状態のことをいいます。
そのため、空気の流れを考えると、空気圧の高い外からの空気が車内に入ってくることになるため、車内に浮遊している病原体が車外へ出ていかないことになります。
→病院で言えば、病原体を陰圧室内で閉じ込めることができるため、院内感染を防ぐことが陰圧室の役割。
一方、陽圧の場合は外よりも気圧が高いため、外部の空気が屋内に流入しないようにするために用いられています。
- 屋内陽圧:吸気量>排気量(無菌病室)
- 屋内陰圧:排気量>吸気量(陰圧隔離病室)
このように、「陽圧」は空気が外へ・「陰圧」は空気が中へと流れていくことになります。
感染者搬送車両がすでに提供されている!?
ホンダのホームページを確認すると、今後の予定が紹介されています。
- ・自治体への軽症者の移動を支援するための車両提供を実施
4月13日、港区・渋谷区への納車完了、今後は都内など感染者の多いエリアから納車予定- ・ODYSSEY/STEP WGN等に、搬送時の感染リスクを削減するため、運転席と後部座席に仕切りを設置。前後席間の圧力差を利用して、飛沫感染を抑制する構造に仕立てています。
- ・埼玉製作所(狭山工場)を皮切りに、国内事業所で生産予定
このように、1つの企業が強みを生かして取り組みが実施されているため、「心強い!」と感じるのは私だけではないでしょう。
さらに、医療現場でニーズが高くなっているフェースシールドの生産も、2020年5月末までに国内事業所で生産し、医療機関への無償提供を実施予定となっています。
また、人工呼吸器についても、生産支援を視野に検討されています。
ワンポイントアドバイス!
ホンダと言えば「自動車の会社」というイメージが強い方もいらっしゃるかもしれません。
ですが、例えば2019年1月11日には「Homda歩行アシスト」が米国で医療機器の認証を取得するなど、医療面でもその技術力が生かされています。
→2015年11月からすでに、日本国内の法人向けに歩行訓練機器としてリース販売が行われており、全国の約250施設で歩行訓練や歩行能力の計測などに利用されています。
最後に
今回は、ホンダの取組についてご紹介しました。
さて、新型コロナウイルスにより、緊急事態宣言が全国に出されました。
ただ、感染症は新型コロナウイルスだけではありません。
そもそも厚生労働省が発表しているように、インフルエンザ1つとっても、死者は日本だけで年間:約1万人です。世界では、約25~50万人というとんでもない数が亡くなられています。
「新型コロナウイルスが危険ではない!」ということが、言いたいのではありません。
単純に、「もしもインフルエンザの感染者や死者数が新型コロナウイルスのように、連日のように報道されることになれば、今以上にパニックに陥るだろう」ということです。
しかも、インフルエンザの場合は新型コロナウイルスとは違い、「予防接種」や「特効薬とされるゾフルーザなどの薬」があるにも関わらず、これだけの死者が出ています。
ちなみに、2020年のインフルエンザの患者数は、コロナ対策として感染症対策を推し進めた結果だと思われますが、感染者数が減少しています。
詳しくは、こちらの国立感染症研究所が発表している「インフルエンザ流行レベルマップ」で確認することができます。
マスコミ報道が全てではありません。
そもそも、新型コロナウイルスは世界ではなく日本にとって、本当はどれだけの脅威があるのか?
その本当の所を知っているのは、様々な情報を知っている報道機関なのかもしれません。
少なくとも、コロナ対策はインフルエンザ対策に有効なことが、今回の感染症対策からも証明されています。そのため、今後も続けていくべきでしょう。
個人的には、子どもの命を奪うインフルエンザの方が怖いため、これからも感染症対策は続けていきます。
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