先日、「おなら」ついて紹介しました。
おならは我慢しない方がいいことはお伝えしましたが、それでは普段から何度も出るようになったらあなたならどうしますか?
今回は、「人ごとではない過敏性腸症候群」についてご紹介します。
→おならの臭いや原因などについてはこちらの記事で紹介しています。
「過敏性腸症候群」ってそもそもなに?
皆さんは、おならが出やすい方でしょうか?
今回ご紹介する過敏性腸症候群が人ごとではない理由は、「いつ・どこで・誰が」なってもおかしくないためです。
この病気は、小腸や大腸に病気などの異常が見つからないにも関わらず、便通異常や腹部の不快な症状が続いてしまいます。(トイレに行くと楽になる)
→腹痛・お腹の嫌な感じ・下痢・便秘を繰り返す症状が基本になっている。
つまり、せっかく時間を作って病因へ受診しても異常が見つからないため、「ストレスですね~」なんて言われて薬を処方されて結局改善しないということもありえます。
さて、そんな過敏性腸症候群(irritable bowel syndrome)は、IBSとも呼ばれますがおよそ10%の人がこの病気にかかっているとされています。
10人に1人ということは、例えば30人のクラスなら3人はいることになります。
ちびまる子ちゃんに登場する、いつもお腹を壊している「山根君」をイメージすると分かりやすいかもしれませんね・・・
どんな特徴があるの?
どんな原因でなるの?
人ごとではない理由がここにあります。
まず、原因としては・・・
- ストレス
- 過剰な腸の働き
- 腸の「知覚過敏」
- 不規則な生活習慣
と言ったことが指摘されていますが、原因がはっきり解明されているわけではありません。
ただ、最大の原因はストレスだと考えられています。
どんな人がなりやすいの?
IBSには、「10~40代の人に多い」と言われています。
- 真面目な人
- 内向的で気が弱い人
- 20代の女性
- 働き盛り
- うつ傾向
といった人がかかりやすいですが、ひと言でいうと「いい人ほどなりやすい」という特徴があります。
逆に言えば、自分勝手な人は起こりにくいようです・・・
症状が出やすい状況は?
- 仕事中
- 面接中
- 授業中
- テスト中
など、ストレスがかかれば起こるためいつ・どこで引き起こされてもおかしくありません。
過敏性腸症候群は・・・
❶排便することで症状が改善
➋ストレスを感じると症状が悪化する
という大きな特徴があります。
そして、過敏性腸症候群は自律神経の乱れが指摘されています。
自律神経
皆さんは、「自律神経」という言葉を聞いたことがあるでしょうか?
ご飯を食べると腸管を通って最終的には便として体外へ排出されますよね。
それでは、この腸管をあなたは意識して動かしていますか?
中にはそんな人もいるのかもしれませんが、普通は考えられないですよね・・・
人間の体は、心臓など意識しなくても動いてくれます。
さて、腸管には*自律神経と言われるたくさんの神経が通っています。
この自律神経は、ストレスの影響をもろに受けます。
つまり、ストレスを受けた腸管は例えばこんな誤作動を起こします。
- 腸管が早く動きすぎる→お腹がグルグルなって止まらなくなる・おならが連発・下痢
- 腸が動きづらくなる→便秘になり腹痛が起こる
*自律神経→自分の意思とは関係なく勝手に動く神経=自律して動く神経
過敏性腸症候群の3つのタイプ
❶下痢型
- 突如として起こる下痢が特徴。
- 突然便意に襲われるため、通学・通勤・外出が困難になる。
- 「不安」がストレスになり、悪循環でさらに症状が悪化する。
➋便秘型
- 腸管が痙攣を起こして便が停滞する。
- 便が腸管に留まるほど、水分がどんどん吸収されるため便は硬くなり、ウサギのコロコロ便のようになり排便が困難になる。
❸交代型
- 下痢と便秘を繰り返す。
→どれにも当てはまらない❹「分類不能型」もあります。
*男性:下痢型 / 女性:便秘型になりやすい傾向があります。
それでは、どんな治療法があるのでしょうか?
どうすればいいの?
生活習慣病の改善
これはよく言われることですよね。ただ、過敏性腸症候群の場合は特に重要になります。
そもそも、原因がストレスだと思われるため、ストレスを軽減することが基本になります。
- 3食を規則的に摂る
- 暴飲暴食を避ける
- 睡眠・休養をとる
- 刺激物・高脂肪の物を避ける
- アルコールは控える
順番に羅列していくのは簡単ですが、そもそもそのストレスを解消するためにおこなっている人も多いですよね・・・
それに、忙しい現代人にとってあまり現実的ではないかもしれませんね・・・
まずは、できる所から少しずつ実践してみるしかありません。
薬物療法
- 腸の運動を整える薬
- プロバイオティクス(ビフィズス菌や乳酸菌など生体にとって有用な菌の製剤)
- 主体となる症状(下痢・腹痛・便秘)によって作用の異なる薬を処方
このように、様々な薬物療法がおこなわれます。
他にも、運動や心理療法などがありそれぞれにあった治療がおこなわれていきます。
過敏性腸症候群には、特効薬はなくよくなったり・悪くなったりするため、一喜一憂してしまいますがそれ自体もストレスになってしまいます。
最後に
過敏性腸症候群は、自分との戦いともいえます。
自分にとってのストレスは自分にしか分かりません。(自分でもよく分かっていないかもしれませんが・・・)
ストレスを軽減する方法としては・・・
❶日記を自分の感情も踏まえて書いていくと、自分について知ることができるようです。
➋体の仕組みを知ることで、合理的に物を考える事ができるようになります。
ストレスを無くすことはできませんが、軽減させることはできます。
他にも、おならが出やすくなる病気は「呑気症(どんきしょう)・慢性胃炎・大腸癌」など、様々な病気が原因で起こることもあります。
おならが頻回に出る場合は、受診することをオススメします。
参考
NIPRO
→https://www.nipro.co.jp/sukoyakanet/47/
たわらクリニック
→https://www.tawara-clinic.com/disease/irritable-bowel-syndrome/
日本消化器病学会ガイドライン
→https://www.jsge.or.jp/guideline/disease/ibs_2.html#q5
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