子どもの貧血 ~普段の食生活が影響!?~ 貧血シリーズ❶

 

あなたは、「貧血」を経験したことがあるでしょうか?

貧血になると、倦怠感やめまいなどの症状が現れます。

それでは、そんな貧血が子どもにも起こっていることをご存じでしょうか?

今回は、「子どもの貧血」についてご紹介します。

 

「貧血」ってそもそもなに?

「貧血」は、全身に酸素を運搬する赤血球が少なくなっている状態です。

また、漢字で書くと「貧しい血」になりますが、「血の量が足りない」という意味ではありません。

確かに、「貧血」とは書きますが少ないのは血液ではなく・・・

貧血は、血液中の赤血球の数が減ったり、へモグロビン濃度が低くなった状態のことをいいます。

それでは、そもそも貧血になる理由を血液の役割から見ていきましょう。

 

血液の役割

そもそも、血液は4つの成分からなっています。

  1. 赤血球・・・酸素を運び炭酸ガスを持ち帰る。
  2. 血小板・・・出血したとき、血を止める作用。
  3. 白血球・・・体内に入ってきた細菌などを倒す作用。
  4. 血しょう・・・栄養を運び、不要物を持ち帰る。(体温調整・身体の保護・血を止めるなど)

*血液は、体重の1/13を占めると言われており、私の場合は体重が約57kgですので血液量は、約4.3ℓあることになります。

そして、赤血球に異常が起こることで貧血を引き起こします。

 

貧血の種類

先程説明したように、そもそも「血液中の赤血球やその中に含まれるヘモグロビンが少なくなった状態」が貧血ですよね。

 

鉄欠乏性貧血

例えば、ヘモグロビンの主な成分は鉄になるため、体内の鉄分が不足して引き起こされるのが「鉄欠乏性貧血」です。

つまり、鉄分が不足することで酸素を運ぶ赤血球が少なくなります。

そうなれば、当然酸素が足りなくなります。

 

注意すべき人

  • 急に身長・体重が増加した場合
  • 月経が始まった場合
  • ダイエット中の場合

こういった身体の変化による貧血だけでなく、他にも運動することで引き起こされる貧血があります。

 

スポーツ貧血

スポーツをすることで・・・

❶大量の汗をかく。
➋筋肉量が増える。

という特徴がありますよね。


❶大量の汗

汗には、微量ですが鉄が含まれています。

つまり、スポーツにより大量に汗をかくことで鉄もそれだけ失われ貧血を引き起こすことがあります。

 

➋筋肉量の増加

筋肉量が増えると、それだけ鉄も必要になります。(筋肉には、多くの酸素を消費する)

つまり、その分血液にまわる鉄が少なくなります。

実は、もう一つスポーツ貧血の原因があります。

3つ目の原因として、足裏を持続的に打ち付けるスポーツ(サッカー・バスケ・マラソンなど)の場合は足裏の毛細血管内の赤血球が壊れて貧血になることがあります。

スポーツをする上で、熱中症について注意されますが、このように貧血についても注意が必要です。

bottomlayercz0 / Pixabay

それでは、貧血の特徴としてどういった症状があるのでしょうか?

 

貧血の特徴は?

  1. 氷をたくさん食べる。
  2. 眼瞼結膜(がんけんけつまく)が青白い→医者が患者の下瞼(したまぶた)を下に引っ張って、下瞼の内側を確認している場所。
  3. 皮膚や唇に血の気がなく、青白い。
  4. 口の端が切れる。
  5. 爪がスプーン状。
  6. 爪が割れやすい。

こういった症状がある場合は、貧血の可能性があります。


ちなみに、他の原因の場合もありますが・・・

  • 集中力低下
  • 注意力低下
  • めまい
  • だるい
  • イライラしやすい

といった症状も、貧血で見られます。

それでは、貧血を防ぐにはどうしたらいいのでしょうか?

 

貧血を防ぐ「第1歩!」

  • 1日3回の食時
  • ダイエットはしない
  • 「野菜ばかり・肉ばかり」と偏らない
  • インスタント食品ばかり食べない
  • 外食ばかりしない

というわけで、「基本的に食事習慣がそのままダイレクトに影響する」と考えればいいでしょう・・・

 

そもそも、鉄は吸収されにくい栄養素です。

  • 肉や魚:食べた量の15~25%
  • 野菜:食べた量の5%

このように、ただでさえ鉄は吸収されにくいですが、「肉・魚」と「野菜」を比較しても、まったく吸収率が違います。


ちなみに、ビタミンC(野菜:パプリカ・パセリ・芽キャベツ/果物:キウイ・イチゴ・アセロラジュースなど)と一緒に摂取すると吸収率を上げることができます。

ただし、ビタミンCを摂りすぎると下痢などの消化器症状を引き起こすことがあるので、偏食にはご注意下さい。

pasja1000 / Pixabay

それでは最後に、幼児期の貧血についてご紹介します。

 

乳幼児の貧血

赤ちゃんは、お腹の中にいるときに生後しばらくの成長に必要な鉄分をもらって産まれてきます。

そのため、生後6ヶ月ぐらいまでは鉄不足にはなりません。

ただし、それ以降も鉄を補充できないと1歳前後で鉄欠乏性貧血に陥ります。

→このため、生後6ヶ月頃から離乳食が必要になります。


さて、そんな子どもが幼児期になると「身体にいいだろう!」と牛乳ばかりを飲んで食事をおろそかにすると、牛乳の飲み過ぎによる牛乳貧血が引き起こされます。(牛乳には、鉄分が少ししか含まれていないため)

→普段から一緒にいる親には子どもの変化が分かりにくいため、「第三者から顔色の悪さを指摘されて受診することも多い」という特徴があります。

そして、思春期になると上記で挙げたような「鉄欠乏性貧血」や「スポーツ貧血」などが見られるようになります。

 

最後に

貧血は、いつ誰が引き起こしてもおかしくありません。

ただ、女性に多い(女性の約20%)ことはいうまでもないでしょう。

とはいえ、「体重の変化」や「スポーツ」、「食生活」を考えると、男女で貧血へのなりやすさに違いはありますがやはり油断はできません。

まずは、3食バランスよく食べることが基本ですので、貧血がある人は特に、食事を見直してみてはいかがでしょうか?


参考

千葉県医師会編集広報委員:思春期の貧血について
https://www.chiba.med.or.jp/general/millennium/pdf/millennium52_10-12.pdf

 

OMRON
https://www.healthcare.omron.co.jp/resource/column/topics/99.html

 

 

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