新生児黄疸は当たり前! 「ビリルビン」との関係は?

 

皆さんは、新生児黄疸についてご存じでしょうか?

私の子どもにも黄疸はありましたが、「黄疸は病気の危険が・・・」なんて聞いたことがありませんか?

ですが、そもそも黄疸は多くの赤ちゃんにあらわれます。

今回は、「そんな知ってて損はない新生児黄疸の本当のところ」についてご紹介します。

 

そもそも「黄疸」ってなに?

黄疸といえば、皮膚や白目が黄色く見えることを言います。(目に見える皮膚の「黄染」のこと)

つまり、黄色く見えるから「黄疸」と呼ばれます。

黄色く(黄染)なる理由は、血液中のビリルビンの値が高くなるためです。

このビリルビンが黄疸の原因です。

 

ビリルビンってなに?

ビリルビンとは、赤血球が壊れたときにできる色素です。

つまり、ビリルビンの血中濃度が非常に高くなることでビリルビンが皮膚・白目を沈着していきます。

まず白目が黄色くなり、次に皮膚が黄色くなる。

それでは、新生児黄疸があらわれると危険なのでしょうか?

Free-Photos / Pixabay

 

新生児黄疸は生理的な黄疸がほとんど!

予定日頃に生まれた半数よりやや多くで、生後1週間中に黄疸が起こります。(未熟児の方が起こりやすい)

とはいえ、程度の差を考えると多かれ少なかれ全ての新生児に認められるため、いってしまえばあって当たり前と言うことができます。

 

原因は?

ほとんどが、胎内環境から胎外環境への適応過程の生理的現象と考えられています。

そもそも、胎児なら胎盤を通して母体に黄疸の原因になるビリルビンの処理を託すことができます。ところが、生まれたばかりの新生児は出生と同時に母親から当然分離されることになります。

つまり、新生児はビリルビンの処理を自分でしなくてはいけませんが、母胎から切り離された直後から都合よく切り替えることは難しいということです。

つまり、胎内から胎外へ適応する一過程として、「ある程度の黄疸が出現してもおかしくない状態」だと言えます。

→これが、新生児の生理的黄疸

 

そもそも、基本的に出生時の赤血球数は多い!

出生時の赤血球は、成人の赤血球よりも短い寿命しかありません。

つまり、赤血球の数が多い上に赤血球の寿命が短いため、新生児は古くなった赤血球が日々分解される量が多くなります。

→このように、赤血球が破壊される現象のことを「溶血」といいます。

 

ビリルビンの流れ(成人)

①通常古くなった赤血球は脾臓によって取り除かれます。取り除かれた赤血球に由来するヘモグロビンは分解されて再利用されます。

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②ヘモグロビン分子の一部はビリルビンに変換。

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③ビリルビンは血液によって肝臓に運ばれる。

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④胆汁中に排泄され消化管へ。

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⑤成人なら、消化管の常在細菌によってビリルビンがさらに分解。

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⑥便中に排泄され、便の色を一般的に茶色にします。

 

新生児の場合

新生児には、そもそもビリルビンを処理するのに必要な常在細菌や消化管酵素がまだありません。

つまり、新生児はビリルビンの産生が多いにも関わらずビリルビンの排泄速度が物理的に遅いため、比較的早い段階で血中のビリルビン濃度が高くなります。

この状態を高ビリルビン血症と呼ばれます。

 

黄疸

生理的黄疸

①日齢2~3頃から肉眼的に見られはじめる。

②日齢4~5頃にピークになる。

③日齢7~10頃に肉眼的黄疸は消えていく。

この生理的黄疸は、特別な治療は必要なく誰もが当たり前のように現れます。

ただし、危険な黄疸もあります。

 

危険な黄疸

  1. 黄疸の原因はなにか?
  2. ビリルビン濃度がどれくらい高いか?
  3. ビリルビン濃度の上昇の早さがどれくらいかかるか?

これらによって黄疸の危険性は変わります。

→例えば、ビリルビン濃度が極端に高い場合は危険。

 

注意すべき症状

「新生児は黄疸が当たり前!」とは言え、注意すべき徴候があります。

  1. 生後24時間以内に現れる黄疸
  2. 生後3週間以上続く新生児黄疸
  3. 嗜眠(しみん:常に眠っている状態)・哺乳不良・易刺激性・呼吸困難
  4. 急速に悪化する黄疸
  5. 発熱

こういった徴候がある新生児は、直ちに医師の診察を受ける必要があります。

とはいえ、出産後1・2日目で退院することは、そうそうないと思います。

もしも、出産後すぐに退院するようなことがあれば特に注意が必要です。

 

最後に

黄疸の原因により、以下のように分けられます。

  1. 溶血によるもの(溶血性貧血)
  2. 幹細胞の障害によるもの(幹細胞性黄疸)
  3. 胆汁の流れが障害されるもの(閉塞性黄疸)
  4. 体質性のもの(体質性黄疸)

治療が必要となる黄疸は、1~3に含まれる病気がほとんどです。


黄疸があるかどうかの判断は通常、眼球結膜(眼球の白い部分)をみておこなわれます。

というのも、日本人のように黄色人種では難しく、特に軽度の場合ではほとんど分からないためです。

一般的に病的な黄疸をみる場合は、全身の倦怠・疲労感、皮膚の痒み、感冒様症状、発熱、尿の色が濃くなるといった他の症状を伴うようです。

*体質性の黄疸では、黄疸以外の症状がほとんどみられない。

新生児でも体質でもないのに黄疸が出てきた場合は、病気のシグナルになっている可能性があります。

→柑橘系を食べ過ぎているわけでもないのに、黄疸があるようならすぐに受診して下さいね。


参考

千葉県
https://www.pref.chiba.lg.jp/kenshidou/faq/351.html

MSDマニュアル:新生児黄疸
https://www.msdmanuals.com/ja-jp/%e3%83%9b%e3%83%bc%e3%83%a0

 

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