新型コロナウイルスは、危険な病気!? 日本での水際対策とは?

 

新型コロナウイルスについて、日本のマスコミ報道もかなり過熱気味になってきました。

実際、人口1,100万人規模の武漢市が封鎖されるに至りました。

ただ、武漢市にはそもそも多くの日系企業が進出しており、日本人の駐在員や留学生もいるため、現地の日本人(約500~600人)にも影響を与えています。

私がコロナウイルスについて記事を書いてから1週間以上が経過しましたが、「新型コロナウイルスの対策がどんどん深刻なものになっている」と感じている人も多いのではないでしょうか?

今回は、「新型コロナウイルスの1月25日時点の厚生労働省の発表」を中心ご紹介します。

 

新型ウイルスについては、こちらの記事でも紹介しています。

新型コロナウイルスは危険な病気? 感染拡大は意外と・・・

 

新型コロナウイルスの武漢市の被害は?

中国政府の発表

とりあえず、中国政府の発表は25日時点でこのようになっています。

  • 感染者1,330人
  • 死者41人

→現場の医療機関からは、SNS投稿により、実際はそれよりはるかに多いことが訴えられています。

 

SNSによる情報

武漢市の現状は、かなり悲惨なことになっているようです。

「病院は患者で溢れかえり、遺体が廊下に放置され、医師もほとんどが感染している状態。」というのが現実だとして、SNSなどでは現地の様子が動画で流されています。

②そして、スーパーには商品がない状態なども検索すれば出てきます。

③さらに、「武漢市では既に感染者は10万人を越え、すでに中国全土に広まっている」という情報まであります。

④真偽は分かりませんが、武漢市の市長は「人から人への感染はしない」と宣言。その後、なんの対処もせず放置したため逮捕されたという情報まであります。


こういったことが事実なら、中国での感染拡大は「新型コロナウイルスが・・・」というよりは、その多くは満足な治療も予防もできず、不衛生な状況にさらされている人災ともいうべき状態ということになります。

ですが、日本のテレビではこういった情報は基本的に見られませんよね。

単純な話し、風邪一つとっても感染しないためにマスクや手洗いなど対策をしなければ、感染リスクが高くなりますよね。

なんの対策もせずに感染が拡大したのなら、今後も終息しないことが考えられます。

はっきりしている事実は、中国政府がしたことはとりあえずの大規模な隔離政策です。情報統制が厳しい国ですので、最後まで本当の現状は分からないかもしれません。

ちなみに、武漢市ではガソリンスタンドの閉鎖や電車・バスといった交通機関も全てストップしている状態です。

SNSの発達により、自分たちで情報を調べることができるようになりました。SNSには、もちろんミスリードしようとする情報もあふれています。

ただ、現地の人達それそれが発信する多くの情報が共通していれば、「真実」だと考えてもいいのかもしれません。

それでは、私達は大丈夫なのでしょうか?日本の現状について見ていきましょう。

 

日本での新型コロナウイルス

日本では、1月25日13時頃に、武漢市在住の旅行者(30代:女性)が3人目の新型コロナウイルスの発症が厚生労働省から発表がありました。

さて、これで2例が武漢市からの旅行者。そして1例が神奈川県在住の武漢市へ滞在した男性です。

神奈川県在住のこの男性は、すでに退院されています。

つまり、日本での発症例を確認すると、どれも武漢市と関係のある人だけが感染していることになります。

 

日本での対応

令和2年1月24日時点 厚生労働省発表より

❶CEPI(感染症流行対策イノベーション連合)によるワクチン開発。→1月23日発表。

CEPIは、世界連携でワクチン開発を促進するために発足された官民連携パートナーシップで日本も拠出しています。

 

➋検疫関係

  • 空港等の検疫ブースにおける武漢市からの帰国者及び入国者に対する自己申告の呼びかけポスターの更新
  • 帰国者に対する現行の検疫態勢の継続(日本への入国者に対し、サーモグラフィー等を用いて、発熱等の症状がないか確認)
  • 武漢市からの入国者に対しては健康状態の把握を併せて実施。
  • 航空会社に対して、機内アナウンスにて武漢市からの帰国者及び入国者に対する自己申告の呼びかけについて協力を依頼。

さて、水際対策としては「自己申告」にとどまっていることが分かります。これは、日本では「人から人への感染」がいまの所、認められていないためです。

 

世界の発症件数

令和2年1月24日12:00時点の世界の発症件数はこのようになっています。

  • 中国:感染者830人 /死亡者25人→25日で1,330人/死者:41人
  • タイ:感染者4人  /死亡者0人
  • 韓国:感染者2人  /死亡者0人
  • 台湾:感染者1人  /死亡者0人
  • 米国:感染者1人  /死亡者0人
  • ベトナム:感染者2人/死亡者0人
  • シンガポール:感染者1人/死亡者0人

このように、厚生労働省によると各国の報告ではこのようになっています。中国のように、各国とも情報統制をしているかどうかは分かりませんが、明らかにおかしい点があります。

それは、中国でしか死者が出ていないことです。しかも、感染者の数がタイと比較しても200倍以上あります。

もちろん、中国は「14億人を初めて越えた国」として話題になっているような国ですので、感染者が多いことは仕方がないのかもしれません。

ただ、現実問題として、中国の封じ込めはかなり後手に回っていたことは事実です。なぜなら、3例目の症例は1月18日に来日しているからです。

→中国人観光客の爆買いは有名ですし、世界中の観光地へも旅行していますよね。にもかかわらず、中国以外での各国の感染者は10人にも満たず、そもそも死者は中国でしか発生していません。

*ちなみに、中国人の観光旅行先として人気があるのは日本ですよね・・・

 

感染したときの症状は?

症状の頻度

  • 発熱:98%
  • 咳 :76%
  • 呼吸苦:55%
  • 筋肉痛・だるさ:44%
  • 痰  :28%
  • 頭痛:8%
  • 血痰:5%
  • 下痢:3%

これは、「人から人への感染を示す2019年の新規コロナウイルスに関連した肺炎の家族性クラスター:家族クラスターの研究」から、武漢市で報告のあった最初の41人の症状です。

基本的に発熱は起こりますが、2%とはいえ発熱がないことがわかります。

 

典型的な経過は?

①発症してからしばらくは、症状が軽い。

②発症から1週間ほどで症状が強くなり入院。

③8日目くらいから呼吸苦が出現。

→重症例では、9日目くらいから「急性呼吸促迫症候群」という合併症を起こし、10日目以降に集中治療室へ。

重症例が中心の報告ですので、「軽症だった人」やそもそも「無症状だった人」もいたとすると、症状の頻度の割合は、全体で考えるともっと少なくなると考えられています。

 

風邪対策と同じ対応!?

正直、ワクチンもなくこれといった治療法が確立されていません。

そのため、「風邪と同じような対応しかできない」ということも言えるかもしれません。

ただ、これまで重症化しやすい人の特徴としては・・・

  1. もともと何かしらの持病があった。
  2. 年齢の中央値は49歳。
  3. 41人全員に肺炎があった。

つまり、少なくとも「若くて・健康で・体力のある人」は基本的に予防することができそうです。


厚生労働省でも、「季節性インフルエンザ」と同様に咳エチケット手洗いなどの感染症対策をするように発表されています。

 

→咳エチケットについては、こちらの記事で紹介しています。

集団になると感染症の危険がいっぱい!?  「マスギャザリングとは?」

インフルエンザであっても、免疫力が落ちていれば肺炎になり命を落とすことがあります。ですが、健康な状態を維持することができれば「そこまで怖がる新型感染症ではない」と日本政府は考えているようです。

ただ、その結果が分かるのは、もう少し時間が経過してからになるでしょう。

 

最後に

冒頭でお伝えしたように、中国での感染拡大の現状はSNS上で、多くの情報が発信されています。

例えば、衛生面一つとっても、SNSの情報通りなら、行きすぎた中国国内の封鎖により医師の移動すら難しくなっていることになります。つまり、新型コロナウイルス以外の原因が考えられます。

そういう意味では、中国での感染拡大ばかりに注目するのではなく、それ以外の各国で「感染拡大に取り組んでるにも関わらず、拡大していないか?」を確認していった方が、正しい情報をみつけることができるかもしれません。

そもそも、すでに、世界中に中国からの感染者が渡航していると考えられますが、いまだに中国以外は10人にも満たない感染者しかいません。

ただ、人から人へ感染することで、ウイルスが変異することもあるため、もちろん安心はできません。


さて、1月26日に、厚生労働省は日本での4人目の新型コロナウイルスに感染した武漢市から訪れた40代男性を確認したと発表しました。

男性は、22日に来日していますが、23日から発熱し24日に受診。肺炎が確認され入院中ですが、容体は安定しているようです。

先程の経過を見ると、このまま安定すれば合併症の心配はないと思いますが、まだ数日は注意が必要でしょう。

少なくとも、日本では中国からの観光客をフィリピンのように送り返すことはせず、「自己申告」にしている状態です。

そして、この対応の結果がでるのはもう少しかかるでしょう。

今のところ日本政府の見解は、「適切な対処療法や養生などができれば、そこまで怖がらなくてもいい感染症」という認識のようです。


参考

厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/houdou_list_202001.html

THE LANCET:人から人への感染を示す2019年の新規コロナウイルスに関連した肺炎の家族性クラスター:家族クラスターの研究
https://www.thelancet.com/journals/lancet/article/PIIS0140-6736(20)30154-9/fulltext

YAhoo! ニュース:最新論文から明らかになってきた新型コロナウイルス感染症の特徴
https://news.yahoo.co.jp/

 

 

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