「口呼吸と鼻呼吸」呼吸の仕方1つとっても身体への悪影響が半端ない?

 

あなたは、口呼吸?鼻呼吸?

「呼吸」をいちいち意識しながらしている人は、ほとんどないのではないでしょうか?

今回は、「鼻呼吸にしないと危険な理由!」についてご紹介します。

→ちなみに、口呼吸(こうこきゅう)鼻呼吸(びこきゅう)と読みます。一般的には、「くちこきゅう」・「はなこきゅう」と言いますよね。

 

そもそも口呼吸する動物は、人間だけ!

そもそも、口呼吸とは「吸う息・吐く息のどちらか一方でも口から行なう呼吸法」です。さらに、常時開口状態の口唇閉鎖不全(ポカンとした口)も含められる場合もあります。

ところで、人間は哺乳類ですよね。

つまり、言うまでもありませんが「人間=動物」です。

本来なら、人間も鼻呼吸が本来の姿なんですが、さまざまな原因で口呼吸になってしまいます。

そもそも、哺乳類の中で、いつでも口で息ができるのは人間だけ!

→「しゃべる機能を獲得したから」と言われている。

 

なぜ口呼吸になるの?

  1. 軟らかい食べ物   →口の周りの筋肉が発達しないため。
  2. 言葉の変化     →会話をしなくてもメールなどで意思が伝えられる。
  3. 口遊びの減少    →口笛を吹けない人が多数。
  4. アレルギー疾患の増加→花粉症・アレルギー性鼻炎など鼻呼吸が難しい。

このように、口周りの筋力低下や、アレルギーなどにより鼻が詰まっているなど、さまざまな原因があります。

 

~他にもさまざまな原因が!?~

  • 急激な温度変化→血管作動性鼻炎・暑さ・寒さの刺激により、口呼吸が誘発される。
  • 激しい運動
  • 就寝中のいびき
  • 携帯ゲーム機やスマホの操作など、集中している時

このように、生理的な原因もあれば無意識におこなう場合、また、複数の原因が絡み合っていることもため注意が必要です。

RyanMcGuire / Pixabay

それでは、なぜ「口呼吸」に注意しないといけないのでしょうか?

 

口呼吸はなぜしない方がいいの?

小児期の場合

アレルギー性鼻炎やアトピー性鼻炎、気管支炎などに注意が必要です。

そして、歯並びが悪くなったり、虫歯・歯肉炎が増えるなど口の問題も起こりやすくなります。さらに、鼻閉(びへい:鼻詰り)により、集中力や学力が低下することもあります。

*慢性扁桃炎を繰り返してしまうことによりIGA腎症の発症につながることもあります。

 

成人期

そもそも小児期からの疾患が、継続している場合もあります。

そして、怠(だる)い・うつ状態・やる気が起きないといった精神症状が見受けられる場合もあります。さらに、さまざまな病気に関係していると言われる歯周病の悪化も引き起こされます。

*風邪を引きやすい・扁桃が腫れやすいと、学業・仕事に影響が出てきます。

 

老齢期

ドライマウス・いつも口が渇くという症状や誤嚥性肺炎。

口腔や咽頭筋力の低下により、気道抵抗の高い鼻呼吸がつらくなり、口が開きやすくなります。


つまり、口呼吸を続ければ続けるほど体調の悪化が見られるようになり、それは精神的にも影響していくことが指摘されています。

実際、口呼吸から鼻呼吸にしたことで、身体によい影響が現れることが、さまざまな事例ですでに示されています。

 

事例(口呼吸から鼻呼吸へ)

事例1)50代の女性:掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう)と関節リウマチを合併。

掌蹠膿疱症とは、掌(てのひら)と蹠(あしうら)に嚢胞(のうほう:液体の入った風船のような袋)ができる皮膚病のことです。

さて、両方の病気に投薬治療が行なわれていましたが、なかなか改善しませんでした。ところが、口呼吸の対策を行ない、慢性上咽頭炎の治療を行なった結果、4ヶ月で皮膚症は改善しました。

 

事例2)18歳:アトピー性皮膚炎

お腹の周辺にアトピー性皮膚炎により炎症が見られていました。塗り薬と内服治療を続けてもあまり改善がみられなかった事例です。

ところが、口呼吸対策をして3ヶ月でキレイな肌に戻りました。

このように、「なんの関係もない?」と思えることも、実は口呼吸が原因だったりします。

perianjs / Pixabay

 

なぜ鼻呼吸がいいの?

鼻呼吸の場合は、鼻腔(鼻~喉まで)が外の空気を肺に取り込む通路になっています。学校で学んだと思いますが、鼻腔はたくさんの繊毛がついた粘膜細胞に覆われています。

  1. 通過する空気を暖め、湿度を上げる。
  2. 繊毛で小さなゴミや化学物質・細菌・ウイルスなどを絡め取る。

→喉や肺、気管支に直接届かないように防御することができます。

*鼻腔は、超高性能マスクの役割がある。

 

口呼吸の場合

一方、口呼吸は空気をそのまま直接吸い込むことになります。つまり、外気とほぼ同じ温度の空気が喉に当たってしまうことになります。

例えば、冬には10度以下の外気を口呼吸により取込むことになるため、喉は冷やされることになります。ですが、そもそも免疫組織は冷やされると本来の免疫力が発揮できません。

というわけで、「鼻呼吸を意識していきましょう~」というお話でした。

それでは最後に、鼻呼吸に戻す方法を紹介します。

 

鼻呼吸に戻すには?

  1. 唇を閉じて、鼻呼吸を意識する。
  2. ガムを噛むなど、口の周りの筋肉を鍛えて、口を閉じやすくする。
  3. 「あー」「いー」「うー」「べー」と口や舌を出す「あいうべ体操」を行い、舌の位置を改善する。
  4. 眠るときは、マスクを口だけに被せて鼻を出す。

 

あいうべ体操

「あいうべ体操」は、口を閉じる筋肉(口輪筋)を鍛える体操です。

声を出す必要はありませんが、口や舌を大きく動かしていきます。1日30回すると、約1ヶ月で口呼吸の改善が期待されます。

ちなみに、「あいうべ体操」を実践した小学校では冬にインフルエンザに罹患した子どもが9割も減ったという報告があったほどです。

逆に言えば、それだけ口呼吸の子ども達が多いということになります。

 

口の上下にテープを貼る

  1. 薬局で12mm幅のサージカルテープを購入。
  2. 就寝前に上下の唇をまたいで、真ん中で縦にゆったりと貼る。(長さは約5㎝)
  3. 最初はしばらく様子をみる。
  4. 慣れてきたら、貼った状態で寝る。

→口の中がカラカラにならず、よく眠れるようになります。

*「あいうべ体操」と並行して実施。

 

最後に

口呼吸は、思わぬ病気の原因になっています。

さらに、ほうれい線や口元のたるみの原因にもなります。

老けて見られたくはないですよね。

Free-Photos / Pixabay

さまざまな健康食品や化粧品が売られていますが、根本的な問題を解決しなくては悪化していきます。

まずは、自分の身体のチェックから初めてみてはいかがでしょうか?

  1. 無意識のうちに口が半開きになる。
  2. 口内炎ができやすい。
  3. 歯並びが悪い。
  4. 食事の時にクチャクチャと音を立てる。
  5. 唇が乾燥しがち。
  6. 朝起きたとき、喉が痛い。
  7. 発音が明瞭でない。
  8. 唇を閉じると、アゴの下にシワ(梅干しができる)
  9. 早食い。
  10. 片方で噛む。

どれか1つでも当てはまれば、口呼吸をしている可能性が高いです。

1つでも当てはまった人は、さっそく「あいうべ体操」「就寝前に上下唇にサージカルテープを貼って就寝」をチャジレンしてみては!?


参考

よこずか歯科医院:あなたは「口呼吸」?「鼻呼吸」?
https://www.yokoduka.com/info/info6.html

ダスキンヘルスレント:くち呼吸していませんか?
https://healthrent.duskin.jp/column/oral/vol05/index.html

大学生協の学生総合共済:口呼吸から鼻呼吸に切り替えるためのトレーニング法
https://kyosai.univcoop.or.jp/useful/column/col1812.html

認定NPO法人 日本病巣疾患研究会:口呼吸について
https://jfir.jp/mouth-breathing/

 

 

 

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