「初回お試し」がお試しじゃない!? ~実は「定期購入」という落とし穴~

 

最近、テレビやネットなどで「初回特別価格500円!」なんてサプリメントや化粧品などの販売が盛んにされていますよね。

ネットをよく見る人なら、こんな広告を見ない日がないのではないでしょうか?

  • 視力が回復する。
  • 便秘が解消する。
  • ぐっすり良く眠れる。
  • お肌の張りを取り戻す!

などなど、さまざまな効果をうたった多くのサプリメントや化粧品などが、「これでもか!これでもか!」というぐらい広告がなされています。

それでは、その商品を買った後にさまざまなトラブルに見舞われていることをご存じでしょうか?

今回は、「安易な注文で落とし穴にはまるかも!?」についてご紹介します。

 

なにが起こっているの?

426件の相談!

名古屋市消費者センターに寄せられた化粧品など通販による定期購入の相談が急増しています。

この426件というのは、インターネットから、1回だけの「お試し」のつもりで、申し込んだのはいいが、実は「定期購入だった」という相談件数です。

426件は、令和元年4月~9月までの上半期(6ヶ月間)で、名古屋市消費生活センターに寄せられた相談のみの件数です。

つまり、全国で考えらると想像も付きません。

なにより問題なのは、中高生の子ども達にも被害が拡大していることです。

ただ、それなら「解約すればいい!」と思いますよね。ですが、そう簡単なはなしではありません。

Free-Photos / Pixabay

 

解約できない!?

例えば、インターネットで話題になっている「脱毛クリーム」がありますよね。

ネット通販で980円だったため、20代の男性がお試し価格の980円で購入しました。その後、1回目が代引き配達で届き、開封すると6回の定期購入だとわかったという事例。

980円というのは初回だけですので、あとの5回分(2回目から)は6,000円。つまり、実は980円+6,000円×5=30,980円の請求がくるという契約内容でした。

さらに、販売会社からは「解約できない」と言われてしまいます。

詐欺のように思うかもしれませんが、そもそもネットやテレビショッピングといった通信制度はクーリング・オフ制度が適応されません。


つまり、「契約をしっかり見ずに購入した消費者が悪い!」ことになってしまいます。

ただ、分かりにくく記載されているなど販売者側の問題も指摘されています。

さらに、例えば「購入後、1週間以内に連絡すれば全額返金!」と記載があっても、その間連絡が付かないということも実際に発生しています。

返金期間が過ぎてしまえば、当然料金は支払うことになります。

また、「いつでも返品可能!」と記載があってもいつ連絡しても電話にでないということもあります。そうなればあきらめて料金を支払うことになりかねません。

 

なにに気をつければいいの?

(1)定期購入が条件であることなど、契約内容を認識しずらいホームページがそもそも多い。

  • 契約内容が目立たない。(そもそも、契約内容の表示がどこにあるのか分かりずらい)
  • 強調表示のすぐ下に「今すぐ注文!」といったボタンがあり、契約内容をみさせない構図になっている。
  • 最終確認画面にも、初回の費用しか記載されていない。

→ミスリードを誘発している。

 

(2)定期購入期間中は、解約できないことが認識しずらい。

そもそも、クーリング・オフは訪問販売・訪問購入・電話勧誘販売など、不意打ち的な方法で冷静に判断する間もないまま契約してしまった場合に適応される制度です。

→一定期間内であれば、無条件で契約解除を認める制度で、特定取引法などに規定された取引きに限り適用されます。


一方、通信販売は自分で選んで購入している分けですから冷静に購入の選択をすることができる状態です。とはいえ、受領した日から8日以内であれば、通信販売で購入したとしても基本的には返品することができます。

ただし、事業者が返品の可否や返品期限などに関する特約を設けている場合(返品特約)は、それに従うことになります。

→「定期購入期間中は、解約できない」とホームページに記載があったにも関わらず、契約してしまうと例えば、こんなことがあっても解約することはできません。

  • 効果がない
  • 身体に合わない(肌荒れ・下痢など)

このように、個人差があるため効果がないのは仕方ないとしても、実害があっても解約・返品することができません。

そして、低価格の商品を購入したつもりが、結局多額の支払いを請求されることになってしまいます。また、「返品可能」とあっても本当に事業者に連絡が付くかは電話しないと分かりません。

このようなことがあることをあらかじめ知っておく必要があるため、契約内容は必ず確認する必要があります。

とはいえ、全ての事業者がこんなところばかりではないと思いますので、注意すべき広告・申し込み画面についてご紹介します。

KatarzynaTyl / Pixabay

 

注意すべき事業者は?

事業者に有利な情報が強調されている。

①芸能人や有名人の名前、限定品であることを強調。

→「あの有名女優も愛用中!」「限定100名様!」など。

 

②低価格であることを強調。

→「⚪⚪コース限定特典!通常価格10,000円が初回無料!送料500円のみ!」

 

③今すぐ注文ボタンが強調。

 

④「利用規約に同意する」のチェックが最初から付いている。

 

消費者にとって有利な情報が分かりにくい

①契約内容の文字が小さい、もしくは画面の下の方に記載されている。

 

②契約内容(定期購入が条件・支払いの総額)や返品特約の表示が「申し込む」のボタンの前にない。


このように、売ることしか考えていない広告はかなり危険です。そもそも、契約とは双方の同意があって初めて成立するものです。

私達、消費者側だけが有利な広告が強調されている時点で、疑う必要があります。とはいえ、法律も少しずつ改正が進められています。

 

「特定商取引法」と「ガイドライン」

特定商取引法(特定商取引に関する法律)

特定商取引法とは、簡単に言えば「事業者による違法・悪徳な勧誘行為を防止し消費者の利益を守ることが目的」です。

 

特定商取引法については、こちらの記事でも紹介しています。

迷惑メールを罰する法律(2)! 消費者を守る「特定商取引に関する法律」

 

さて、特定商取引法が改正され平成29年(2017年)12月1日より施工されています。

具体的には、通信販売の広告に表示する事項としてこんなことが新たに追加されました。

→商品の売買契約を二回以上契約して締結する必要があるときは、「その旨および金額・契約期間・その他の販売条件」が広告に表示する事項に追加されました。

*該当すれば、業務停止処分だけでなく、罰金や懲役の処罰を受ける可能性もあります。(改正により罰則が強化されました)

さらに、具体的にどういったケースが該当するかを定めるガイドラインも改正されました。

 

ガイドラインの改正

「インターネット通販における『意に反して契約の申込みをさせようとする行為』に係るガイドライン」という、とても長い名前のガイドラインも改正されました。

これにより、申し込みの最終段階の画面で定期購入の契約の主な内容の全てが表示されていない場合等は、「意に反して契約の申込みをさせようとする行為」に該当するおそれがあるとされました。

 

最後に

確かに、契約内容をわかりずらくして、お金儲けを最優先にしている事業者は問題です。ただ、値段だけをみて契約を簡単にしてしまう消費者がいるから被害が後を絶たない状態になっています。

ついには、「契約」についてほとんど知識のない子ども達にまで被害が拡大しています。まずは、契約について子ども達に教えてあげることができる親でありたいですよね。

相談は、消費者ホットライン:「188番(イヤヤ)」まで。値段だけを追い求めると、痛めにあうことになりかねません。

消費者側にだけ有利な契約は基本的にはありません。法律が改正されたとしても最後は自己責任になります。


参考

姫路市:「お試し」のはずが・・・健康食品や化粧品の定期購入トラブルが急増!
https://www.city.himeji.lg.jp/bousai/0000006886.html

月間暮らしの赤信号
https://www.city.hirakata.osaka.jp/cmsfiles/contents/0000008/8536/1911aka.pdf

消費者庁
https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_transaction/amendment/2016/pdf/amendment_171127_0005.pdf
https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_policy/policy_coordination/internet_committee/pdf/adjustments_index_8_180111_0004.pdf

熊本県:通信販売ではクーリング・オフできないのですか
https://www.pref.kumamoto.jp/kiji_21365.html

 

 

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