皆さんは、寝付きは良い方でしょうか?
私は冷え性のため、特に冬は手足が温まるまで寝付けないときが度々あります。
今回は、そんな「体温と睡眠」についてのお話を紹介します。
体温にはリズムがある!?
人は常温動物のため、気温が低くても高くても、自身の温度を一定に保つようにできています。
その証拠に、私達は「寒ければ体を震わせて体温を上げ」、「熱ければ汗をかく」ことで、熱を生産したり、放熱したりすることで体の体温を一定に保とうとします。
ですが、そもそも人の体温は日内変動(一日の中で変動すること)を繰り返しています。もちろん、2℃も3℃も変化するということではありませんよ。
→日内変動が、1℃あるいはそれ以上あるときは病気状態。
体温の日内変動
人の体温は、活動する日中が高く、夜は低くなります。ただし、眠ることで体温はさらに急激に下がっていきます。(深い眠りになるほど体温は下がる)
例えば、眠る前に手・足が熱くなるのは、体内の熱を放熱するために行われる生理現象です。
つまり、体温を下げる必要があります。ただ、この「体温を下げる!」というのは、深部体温のことです。
体温は、測る場所によって温度が違うのはなぜ?
さて、「体を冷やす」という是非の前に、深部体温について説明します。
深部体温とは、脳や内臓の温度です。体の中核となる温度で、外界の影響を受けず比較的一定の温度(約37度)を保っています。
ちなみに、熱中症などで熱がこもるというのは、放熱することができずこの深部体温が下がらなくなっている状態のことです。
逆に言えば、病気など体に異常がなければ一定に保たれているのが深部体温のため、本来は深部体温を測ることが、もっとも有効ということになります。ただ、内臓やましてや脳の温度なんて簡単に測れないですよね・・・
そんなわけで、私達は深部体温を直接測る替わりに脇の下や耳・口などで体温を測定しています。
深部体温は、脳や内臓の温度ですので深部から離れるほど体温計測に時間がかかることになります。
- 耳:2秒
- 口:5分
- 脇:10分以上
- 直腸:5分
本来は、検温にそれぞれこれだけの時間がかかるとされています。
*3分計やもっと短時間で脇で測れる体温計は、「予測式」と言われるタイプであくまで予測値です。その後、はさみ続ければ「実測式」として実際の体温を測ることもできます。
さて、睡眠のためには深部体温を下げる必要があることが分かりました。ですが、あまりに寒いときは逆に眠れませんよね?
それでは、どうすれば眠ることができるのでしょうか?
深部体温を下げるとは?
そもそも、寒すぎて体が冷えて眠れないことってありますよね?
確かに、寒さや冷えにより体表の皮膚温度は下がりますが、これは血管が収縮して体内深部に熱を閉じ込めようとしている状態です。
ですが、本来は深部体温の熱を手足から放出する必要があります。つまり、「暑すぎても寒すぎても熱は放出されず深部に熱がこもる状態になる」と言うことになります。
例えば、手足が冷たくて上半身だけが熱くなる「冷えのぼせ」なんて症状をもっている人もいます。
冷えのぼせは、下半身は冷えているのに上半身はのぼせていて熱感がある状態です。例えば、冷えやすい生活習慣や食生活を続けることで「冷え性」になってしまいます。
そして、そんな生活を続けていると脳を最優先に守ろうとするため、上半身に熱が集中することになります。これが「冷えのぼせ」です。
結論を言えば、規則正しい生活で睡眠も深くすることができる
❶体全体を温める→手足などが冷たいと、深部体温を下げるための放熱が行われない。
- 体を温める食材(生姜やネギなど)を積極的に食べる。
- お風呂・足浴で血行を促進する。
寝る前に体が冷えないようにする必要があります。
➋刺激は御法度
リラックス状態でないと人は質の良い睡眠をとることができません。
- 入浴後→体温が上がりすぎている
- 食後 →内臓(消化管)が働いている。
普通に考えても、眠る体勢ではないですよね・・・2~3時間前には終えていた方がいいでしょう。
ちなみに、深部体温を下げる方法としてこんなやり方もあります。
熱中症では深部体温を下げるためにこんな対策が・・・
手のひら・足裏・頬を10~15℃の水に5~10分ほど浸す。
ちなみに、氷嚢を脇の下に挟むと急激に体温が下がりますが、急速に冷えると脳が「体温が下がりすぎた!」と感知しそれ以上は体温を下げないようにしてしまいます。
とはいえ、熱中症では体温を下げることが必須ですので、できることは全てしなくてはいけません。
最後に
深部体温を下げないと、質のいい眠りにつけないことを今回はご紹介しました。
ただ、冷え性など個人によっては、さまざまなものを抱えていることがあります。
単純に、「気になることがあって考え続けて眠ることができない!」なんてこともあるでしょう・・・
ですが、そもそも「どこでもいつでも眠れるよ!」という人以外は眠るための準備をする必要があります。
例えば、寝る前に頭をリラックスするためのルーティーンを作り上げている人もいます。また、室内の温度や湿度管理をしている人もいます。
深部体温を下げる準備だけでは解決できない場合、あなた個人の問題も解決しないといけないでしょう。ですが、まずは眠るときは「深部体温を下げる」ことを意識付けしてみてはいかがでしょうか?
参考
ライブドアニュース:「冷房をつけて寝ると体に悪い」はウソだ
→https://news.livedoor.com/article/detail/16795939/
テルモ体温研究所
→https://www.terumo-taion.jp/health/activity/02.html
FNN PRIME
→https://www.fnn.jp/posts/00339310HDK
コメントを残す