厚生労働省が、新型コロナウイルスを検出するPCR検査費用を保険適用にする方向で動いていますよね。
それでは、そもそもPCR検査についてどれだけご存じでしょうか?
感染症は、早期発見・早期治療が鉄則です。少なくとも、早期発見ができれば治療ができなくても隔離することで他者への感染を防ぐことができます。
ただ、治療法は確立していません・・・
今回は、「PCR検査ってなに?」についてご紹介します。
PCR検査とは?
そもそも、PCR検査というのは遺伝子検査の1つです。
遺伝子についておさらい!
皆さんもご存じのように、私達は遺伝子(設計図)情報により形作られています。それこそ、見た目やかかりやすい病気など、ありとあらゆる事柄が遺伝子によって決められています。
この遺伝情報は、「ゲノムDNA」と呼ばれる設計図の中に暗号化されて収納されています。
この設計図を読み解くための文字に当たる「アデニン」「チミン「グアニン」「シトシン」と呼ばれる4種類の塩基の数や配列を読み取ることで、どの生物の設計図なのかが分かります。
- ヒト:31億文字
- 大腸菌:464万文字
→生物種によって文字の数(生物の大きさ)や並び方が異なる。
つまり、遺伝子=生物を形作る設計図ということです。
PCR検査はこんな検査!
さて、遺伝子は「生物を形作る設計図」なんですが、これを検査に応用した検査がPCR検査です。
どう言うことかといえば、微生物の種類によって「この菌は、必ずこの遺伝子を持っている!」と分かっている場合があります。
例えば、腸管出血性大腸菌→ベロ毒素産生遺伝子をもっています。
つまり、PCR検査とは、「検出したい微生物が特有に持っている遺伝子をターゲットにして、細菌やウイルスの検出を行う検査方法の1つ」ということになります。
とはいえ、遺伝子をそのまま肉眼で見ることができる人はいませんよね。
そこで、増やしたい部分だけを増殖させることで目に見えるようにすることができます。(「遺伝子増殖技術」の代表的な検査方法でもある)
《課題は?》
そもそも、どのような検査であっても間違った判定はありますよね。
ここで、簡単な検査用語をご紹介します。
- 感度:ウイルスに感染している人のうち、検査が陽性になる人の割合
- 特異度:ウイルスに感染していない人のうち、検査が陰性になる人の割合
- 偽陽性率:ウイルスに感染していないのに、検査が陽性になる人の割合
- 偽陰性率:ウイルスに感染しているのに、検査が陰性になる人の割合
- 有病率:検査する全体の中で、ウイルスに感染している人の割合
これらは、検査の信憑性の根幹に関わる割合を示す用語です。
❶「感度」・「特異度」・「有病率」の割合
さて、PCR検査の新型コロナウイルスに対する「感度」や「特異度」、「有病率」の割合をご存じでしょうか?
→分かっていません
それでは、「偽陽性率」と「偽陰性率」についてはどうでしょうか?
➋「偽陽性率」と「偽陰性率」の割合
そもそも、PCR検査は検体(感染者)から採取した遺伝子を増幅することで、遺伝子レベルでウイルスが特定できるため「感度」も「特異度」も100%に近い値になると考えられています。
→まだ分かっていない
ただ、そもそもその採取した遺伝子の「安定性」や「検査技術の精度管理」には不確実性があるため、もう少し低くなることが考えられます。
一般の人なら、「どちらにしても、ほぼ100%だから大丈夫じゃないか!」と考えるかもしれません。
《例えば感度95%・特異度99.9%と仮定》
有病率が1%(100人中1人が感染)しかないと仮定した場合、陽性的中率は91%(偽陽性率:9%)・陰性的中率は99.5%(偽陰性率:0.05%)となります。
このように90%以上の推定値があれば、その検査結果はそのまま信用してもいいと考えられます。
それでは、母数が千人・1万人・1億人となればどうなるでしょうか?
新型コロナウイルスに対してPCR検査が仮に、約95%の感度があったとしても、「陰性」と診断される人が数百万人ということになりますよね・・・
ところが、そもそもその指標となる新型コロナウイルスの「感度」「特異度」「偽陽性」「偽陰性」「有病率」のどれもがまだよく分かっていません。
もちろん、簡易検査キットにいたっては正式な検査よりも正確性が落ちることは言うまでもありません。
❸技術的な問題
PCRの検査に関しては、「韓国は1日1万3千件行った」と報道がありましたよね。これは、「そもそも韓国では医療関係のベンチャービジネスが非常に多く、検査件数が普段から多いためだ」と指摘されています。
一方、日本ではそういったベンチャー企業が育ちにくいため、そもそも韓国と検査件数を比較すること事態がおかしいということになります。
→まさに、無い物ねだりですね・・・
さらに付け加えれば、そんなにたくさんの検体を調べられても、今(2020年3月2日時点)では韓国が世界第2位の感染国になっています。
つまり、そもそも「検査=感染予防」とはなっていません。むしろ、混乱が増大していますよね・・・
さて、そんな遺伝子検査の1つであるPCR検査は、少なくとも日本では簡単にできる検査ではありません。
- ロボットでできればいいが、日本ではそういった場所が少ない。(人が検査しないといけない)
- 熟練した手技が必要
- 何度も何度もサイクルを回して陽性のシグナルを探さないといけない。
- 陽性のシグナルを発見できても、本当に新型コロナウイルスの遺伝子かどうかを塩基配列まで最終確認する必要がある。
つまり、時間と技術が必要になります。
⇊ ⇊
《検体からウイルスの判断となるRNA遺伝子を抽出》
❶綿棒などで検体採取
➋専門技師の手作業による下準備(判断する装置に入れる前の準備)→1検体約1時間(熟練技師でも1日約30件が限界)
❸PCR装置で陽性・陰性の有無を確認→約2時間
❹陽性・陰性が判明
→合計.5~6時間必要。
❹ビジネスになってしまう
新型コロナウイルスにかかる費用は、基本的に公費でまかなわれています。さらに、PCR検査も保険適用がなされることに決まりました。
- 自ら検査を行う医療機関:1万3,500円
- 検査機関に検体を出して検査:1万8,000円
とする方針が示され、1割~3割の患者負担分が公費でまかなわれます。
そもそも、陽性と診断されたとしても陰性の可能性がありますし、1つの検体にかかる費用は約1万円です。確かに、民間まで合わせれば検査数は大幅に増やすことができるかもしれません。
- 誰がどうやって安全性を確保しながら実施するのでしょうか?
- そもそもその検査結果の信憑性は?
- 陽性と判断されたその先は?
→PCR検査は、「医学的に必要ない」とされています。
そもそも、新型コロナウイルスに感染している可能性のある検体を検査するわけですから、PCR検査のさいに技師が感染する危険性があります。
ただ、公費による予算が組まれたため、確かに調べれば調べるほど儲かることになります。そして、公費が足りなくなれば私達の税金が増えることになるでしょう。
もしも、誰かれかまわずPCR検査がどこでもできるようになったら?
日本の人口は約1億2000万人ですよね。そして、1回の検査で約1万円がかかります。しかも、何度も検査する必要があります。
はたして、医療費はこの不確かな検査だけでいくらかかるのでしょうか?
なにより、忘れてはいけないことはもしも、間違いであったとしても「陽性」と判断されれば隔離されてしまいます。
子育て中の私からすれば、子どもはどうするの?仕事は?収入は?ということになります。
お金よりも人命であることは分かります。ただ、そもそもこれは特効薬の値段ではなく、感染しているかどうかの1つの基準(安心感)を得るためだけの手段でしかありません。
そもそも、今日の検査が陰性でも、次の検査では陽性になっているかもしれません。
さらに言えば、陽性だとしてもできることは隔離されて対処療法しかありません。はたして、PCR検査にどれだけの意味があるのでしょうか?
仮に、すでに日本人口の約半数5,000万人が感染していたとします。
そんな人数を隔離することは不可能ですし、日本社会そのものが崩壊するでしょう。それこそ、今はデマだと分かっている「トイレットペーパーが不足する!」なんて情報が本当のことになり、明日の食べ物にも困ることになってしまうでしょう。
そうなれば、新型コロナウイルスとは関係ないところで命の危機にさらされることになります。
最後に
PCR検査は、万能な検査ではありません。
このことは、すでに「9回目で陽性反応がでた!」というマスコミ報道でも分かるのではないでしょうか。そして、もしもこのままマスコミや民意に負けて、PCR検査が誰もが対象になるとどうなると思いますか?
まずは、冷静に本当に必要なものがなにかを知る必要があります。
とはいえ、「どれくらいの患者数がいるのか?」という正確な人数は必要になります。
そう考えれば、指定感染症に指定されてしまったことが、むしろ「足かせになっている」部分もあるといえるでしょう。
ワクチンや特効薬が発見されるまでは、まだまだ混乱が続いていきそうです。
→「もしもマスコミの報道通りのことが実行されればどうなるのか?」「誰が得をするのか?」考えて見ると、少しは冷静な判断ができるようになるでしょう。
ただし、その判断をするためには「私」や「あなた」の最低限の知識が必要になることはいうまでもありません。
今回のように、全ての人に関わることならなおさらです。結論は、自分で調べて(自分の頭で考えて)から出すようにしてみてはいかがでしょうか?
参考
キャノングローバル戦略研究所
→https://www.canon-igs.org/column/macroeconomics/20200212_6236.html
五元木クリニック
→https://www.gohongi-clinic.com/k_blog/3873/
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