新型コロナウイルス感染症対策専門家会議から、2020年5月4日に「新しい生活様式」が発表され、初めての夏をすでに迎えています。
基本的には、①身体的距離の確保 ②マスクの着用 ③「手洗い」や「3密を避ける」ことを取り入れた生活様式を実践することが求められています。
ただ、そもそも新型コロナウイルスに感染しやすい人は「基礎疾患のある人」や「高齢者」とされています。
今回は、「夏場にマスクを付けることについて」焦点をあてていきたいと思います。
そもそも新型コロナウイルスの年代別の死亡割合とは?
まず、年代別に新型コロナウイルスによる死亡者数を4月19日18時時点で厚生労働省の発表よりNHKが年代別死亡率をまとめています。
- 30代-0.1%
- 40代-0.1%
- 50代-0.4%
- 60代-1.7%
- 70%-5.2%
- 80代以上-11.1%
さらに、重症化する多くの場合が、糖尿病や喫煙などにより基礎疾患のある人が悪化しやすいことが報道されていましたよね。
この数値から見ても分かるように、計算上では30代~40代は1000人中1人亡くなるということになります。
50代では、1000人中4人が亡くなることになります。
そして、100人中1人以上になるのは60代からで、80代を越えると感染すると100人中1人(1割)以上の方が亡くなられることになります。
日本では、30代未満の方は重度の糖尿病であった力士の方(28歳)が残念ながら亡くなられました。
ただ、他にも子どもや30代までの若い方で重度の基礎疾患をもつ方はたくさんおられますが、亡くなられた方はいません。
こういった事情から、新型コロナウイルスは高齢者や基礎疾患のある方が特に注意すべき疾患として指摘されているのも頷けるのではないでしょうか?
それでは、本題の「夏場にマスクの着用」ですが、そもそもこれまで夏場にマスクは基本的に付けなかったのではないでしょうか?
夏場にマスクを装着しても大丈夫?
2020年5月26日「令和2年度の熱中症予防行動について(周知依頼)」が発表されています。
この中で、熱中症に対する事項が記されています。
「新しい生活様式」における熱中症予防行動のポイントについて、マスクについて焦点を当てるとこのようになっています。
- 夏季の気温・湿度が高い中でマスクを着用すると、熱中症のリスクが高くなる恐れがあるため、2m以上の距離が確保できればはずす。
- マスク着用時は、強い負荷の作業や運動は避ける。
- 喉の渇きに関係なく適宜水分補給。
- 周囲と距離をとれる場所でマスクを外して休憩する。
つまり、政府としてもこれまでになかった夏のマスク着用について、その危険性が指摘されています。
→夏場のマスク着用は、熱中症対策が特に重要!
これは、高齢者や基礎疾患がある人に限らず、年齢関係なく全ての人が注意することとして挙げられています。
それでは、マスクにはどういったリスクがあるのでしょうか?
夏にマスクは危険!?
6月に入り、すでにかなり暑いですが、外出するときは私もマスクを着用しています。
介護施設で働いているときも基本的に夏場にマスクを付けることはなかったため、まさか夏に日常的にマスクを付けることになるとは夢にも思っていませんでしたが・・・
さて、そんなマスクを夏場に付けるとどういったことが起こるかご存じでしょうか?
夏場のマスクと熱中症
一言でいえば、「夏場のマスクは熱中症のリスクを高める」
ことが指摘されています。
例えば、私達は体内に熱がこもると「汗」や「呼吸により外の冷たい空気を体内に取込む」といったことをして熱を発散して体温調整をしています。
それでは、マスクを付けるとどうなると思いますか?
- 自分の呼吸により温かい空気しか入ってこない
- マスクが加湿の代わりになり、口の渇きを感じにくくなる
つまり、脱水状態として最も危険な「体温が上がりやすく・水分を摂りにくい状態」に自ら陥っていくことになります。
このことは、現時点でも多くの方がマスクを着用しているため、実感としてもあるのではないでしょうか?
それでは、熱中症になりやすい人はどんな人がご存じでしょうか?
熱中症になりやすい人とは?
環境省が発表している「夏季のイベントにおける熱中症対策ガイドライン2020」より
・脱水状態にある人
・高齢者、乳幼児
・からだに障害のある人
・肥満の人
・過度の衣服を着ている人
・普段から運動をしていない人
・暑さに慣れていない人
・病気の人、体調の悪い人
このように、高齢者や基礎疾患のある人だけでなく「赤ちゃん~高齢者まで全ての人」が対象になっています。
「マスクはしない!」とは言えませんが、少なくとも夏場にマスクを付けることで、コロナ以上に命に関わる危険な状態に陥る可能性のある人達が、増えることは間違いないでしょう。
→「熱中症」の危険性については、こちらの記事で紹介しています。
最後に
夏場にマスクを付けることは、「かなりの危険を伴う」といえるでしょう。
それこそ、意識して水分補給などの熱中症対策をしないと、特に子どもや高齢者はあっという間に脱水状態に陥ってしまいます。
例えば、夏本番の1ヶ月間にマスクを付けた状態で、毎日のように学校に1.7kmを25分かけて歩く低学年の子どもがいたとします。
マスクをした状態で、無事に家や学校に辿り着くことができるのか、親としては不安にならないでしょうか?
もしも、遅刻しそうでマスクをした状態で子どもが走っても平気なのでしょうか?
当然、体力には個人差がありますし、その日の体調によっても変わってきます。地域で、子ども達の様子を注意深く観察する必要があるのではないでしょうか?
そもそも、本当に夏場にマスクは必要なのでしょうか?
必要なら誰のために必要なのでしょうか?
参考
クリニックフォア田町
→https://www.clinicfor.life/articles/covid-034/
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