映画と子ども
3D映画が当たり前になり、家庭でもゲームやテレビで3Dがみられる時代になりました。3Dというだけあり、映像が立体的に見えるのでなんといっても迫力が違いますよね。
ただ、目の影響が気になりませんか?
私の場合は、ひどい乗り物酔いがあるんですが3D映画を初めて見たときは、車酔いに近い症状がありました。また、ひどく目が疲れるといった症状も。
慣れてしまえば、目の疲れが気になるぐらいです。
ですが、大人にこれだけ影響があるということは子どもにも何かしら影響があるのではないかと思い調べてみました。
実際、以前ポケモンのテレビ放送を見た子ども達が強い光の影響で病院に運ばれるという事故が起こったことがあります。
そこで今回は、「3D映画は、子どもが見ても危険はないのか?」について紹介します。
3D映画ってなに?
簡単に言ってしまえば、立体的に表示される映画です。
例えば、以前(昔)の3Dといえば赤と青のフィルムが貼られた眼鏡をかけていました。今の3Dと違って色の再現性が残念なレベルです。とりあえず、「画像や動画が立体的にはみえる」という印象の物でしかありませんでした。
それが今では、本当に「飛び出す」・「動く」・「色もしっかり再現」されています。
イオンシネマの3D上映を例に挙げると・・・
イオンシネマのHPを確認すると、通常の映画は1秒間に24フレームですが、3D映画では1秒間に144フレームが投影されているそうです。
つまり、1秒の映像に24枚の静止画が使われているのが普通の映画。
それに対して、3D映画では1秒だけで144枚の静止画が使われているということになります。
たった1秒間で6倍の情報量があります。
『2時間の映画を見た場合』
- 通常の映画:172.800枚の静止画
- 3D映画:1.306.800枚の静止画
が使われていることになります。
これだけの情報量を見ているので3D映画のほうが疲れること間違いないでしょう。
どうやって3Dを見ているの?
映画館で渡される眼鏡がなければ、映像が3Dに見えないことは皆さんご存知かと思います。
また、上映中に眼鏡をはずすとスクリーンに写っている映像がぼやけて(二重)になっていることをみたことがある人も多いのではないでしょうか?
3D(立体的)を見るためには、脳をだます必要があります。例えば、「右目用と左目用の映像を作る」「異なる色の眼鏡をかける」といったように普通の生活ではありえない状態をつくります。
3D映画をみるためには、写しだした映像に合わせた専用眼鏡(レンズ)が必要ということになります。
*たとえ2D(通常の映画)であっても、同じ距離にピントを合わせ続けることになるのでそれだけで目には強いストレスがかかります。
3D映画で何が起こっているの?
3D技術はとても素晴らしい技術です。
ただ、なにごとも使い方を間違えると薬にも毒にもなります。
身体に影響のほとんどない3D映画の条件というものがあります。
というのも、3D映像の視聴に関して、制作者・視聴者にそれぞれガイドラインが存在しています。
飛び出しが少ないこと・適正位置から視聴することなど細かく説明されています。
その中には、目の疲れや二重に見えるといった目の症状や吐き気といった身体への異常があれば一旦視聴をやめることも書かれています。
3D映像は身体への少なくなるように改良されていますが、まだまだ十分ではないことが現状だと思われます。
子どもへの影響は?
例えば、3Dゲームなどは対象年齢6歳から遊んでいいことになっています。なぜなら、立体視などは6歳以前に発達すると考えられているからです。
ですが、例えば10歳の女の子が3Dアート書籍を楽しんでいましたが、日常生活で物が二重に見えるといった症例があるそうです。
今回は、書籍の事例ですが何度も繰り返すとたとえ写真であっても目への影響が出てくることが分かります。
3Dにみえることが少なからず体に影響を与えていることが分かります。そして、単純な年齢制限だけでは防げない問題があるようです。
人工環境が眼球運動への「適応」が起こる可能性。
例えば、ぐるぐる回る映像をじっと見てから自分の手などをじっと見ていると手のひらがグルグル回っているように見えます。つまり、直前の見え方に目が適応してしまった状態です。
3D映画を見たことがある人は想像してみてください。
実際の映像はスクリーンで上映されていますが、視覚的にはスクリーンよりも手前に映像が現れます。これは、右目と左目で見せている映像が異なるためです。
- 斜視・・・両目の視線が視る目標に向かわない状態。つまり、右目と左目で向いている方向が違う状態です。
- 両目で視力が大きく違うと眼精疲労や複視(物が二重に視える)原因になります。
子どもに限らず、大人でも身体症状が現れるなら視聴は一旦中止した方がいいでしょう。
まとめ
以前の赤・青フィルムの眼鏡は目への負担が強く、長時間の視聴は難しかったです。それが、技術革新により今の形となり長時間かけることができるようになりました。ただ、身体への負担が無くなったということではありません。
今後も映像技術が進めば、目に優しい3D映画が作製されるかもしれません。
とはいっても、なにごともやり過ぎにはご注意を!
参考
イオンシネマHP
→https://www.aeoncinema.com/3d/pc/
3Dコンソーシアム「3DCガイドライン」
→http://www.3dc.gr.jp/jp/scmt_wg_rep/guide_index.html
学校保健HP
→https://www.gakkohoken.jp/column/archives/61
目の辞典「斜視」
→https://www.ocular.net/jiten/jiten014.htm
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