子どもと眼
以前の記事で、6歳未満の子どもによる3D映画と眼への影響についてお伝えしました。
3D映画に関する記事はこちらから
赤ちゃんの視力は、三歳になると半数以上の子どもが1.0見えるようになります。そして、6歳で大部分の子どもが同じ1.0の視力になると考えられています。
ただ、見続けることでしか発達しないので例えばその年齢までに眼帯で覆ったり(弱視)スマホなど近くのものを長期間見続ける(斜視)と発達に大きく影響してしまいます。
今回は、比較的気付きやすい斜視についてご紹介します。
眼球は休ませよう
目を開けた時点で、眼球の調整機能が働きます。
さらに、テレビ・パソコン・スマホなど近くのものをみようと目の焦点を合わせようとすればするほど、目を酷使することになります。
目の筋トレを休みなしでやり続けているようなイメージをもってもらえるとわかりやすいと思います。
その状態が続くと眼精疲労になりそれでも無理を続けると、目に異常が起きてしまいます。
その目の異常の一つが後天的な斜視です。
定期的に目を閉じて、本来の眼球の位置にもどすようにしましょう!
斜視(しゃし)とは
斜視・・・両目の動きが合っていない状態。(左目と右目で動きが違う)
ですが、斜視と一言でいっても様々な状態があります。
見た目で判断できる
①内斜視
片側の眼球が内側(左目なら右側/右目なら左側)に逸れている状態。
→真正面を見ているのに片側の眼球が内側に逸れている。
②外斜視
片側の眼球が外側(右目なら右側/左目なら左側)に逸れている。
→真正面を見ているのに、片側の眼球が外側に逸れている状態。
③上斜視
片側の眼球が上に逸れている状態。
→真正面を見ているのに、片側の眼球が上に逸れている状態。
④下斜視
片側の眼球が下に逸れている状態。
→真正面を見ているのに、片側の眼球が下に逸れている状態。
*人と話しているとき、もし相手の目の動きが左右で動きが違ったら違和感を感じると思います。それが、誰もが視認できる斜視です。
斜位(隠れ斜視)
NHKの「ためしてガッテン」で隠れ斜視という言葉が使われていました。
「隠れ」というのは、つまり見た目には分からないということです。
斜位(しゃい)・・・遮閉(光を遮る)すると眼球が斜視と同じような眼球運動をします。
つまり、目を閉じた状態なので外からでは見えません。
人は、目を閉じると眼球は本来の楽な位置に戻ります。つまり、目を閉じるとほとんどの人が斜視の状態になります。
ですが、その状態が大きいと隠れ斜視と呼ばれる斜位の状態になります。
目を閉じると本来の眼球の位置に戻ると説明しました。ということは、「本来の眼球の位置」と「物を見るときの眼球の位置」の差が大きいと、目を開けた時に眼球を見る位置まで毎回、大きく動かす必要があります。
斜視の原因は?
①眼球を動かす筋肉や神経に病気がある。
→そもそも眼球を動かすことが難しいため両目の動きが合わない状態。
②遠視
→近くの物を見ようとするとき、目を真ん中に寄せることで焦点を合わせようとします。遠視は、遠くは見えますが近くの物がみえない状態です。つまり、近くをみようとするとそれだけ目を酷使することになります。
③両眼視の異常
両眼視とは、両目を使って一つの物をみる働きのこと。(赤ちゃんが物を視ることで自然に養われる力)
→生まれつき、両眼視ができない。または、発達過程でその練習がうまくできない場合に起こります。
④視力不良
片目または両目が病気やケガのために視力が悪いと、両眼視ができずに斜視になってしまいます。
*このように、目の状態が健康でないともう片方の目に負担がかかり放っておくと健康な眼も異常をきたすことになります。
眼への影響は?
→目が疲れやすい。
→映像がだぶることがある。
→肩こりや頭痛が多い。
といった症状がでてきます。
斜視を放っておくとメガネをかけても視力が上がらない「弱視」という状態になることがあります。
自然と治る斜視もありますし、本人に自覚がない場合もあります。
斜視は、専用のメガネをかけて矯正していく方法と手術をすることで治療する方法があります。
妻の場合
妻も斜視だったそうですが、6歳と11歳の時に2回手術をしてだいぶ眼球の位置が戻ったそうです。「だいぶ」というのは、まだ少し違和感があるとのこと。(見た目には全くわかりません。)
手術は1時間もかからなかったそうです。ちなみに、目が楽になったかどうかはわからなかったそうです・・・
手術後は、しばらく目にガーゼを当てていたそうです。
まとめ
斜視の治療は、生後発症したらすぐに治療することが大切だと言われます。
先程も伝えましたが、6歳までに目の発達は完成してしまいます。そのため、治療は早ければ早い方がいいといわれる理由です。
ただ、なぜ子どもが斜視になるのかその全ての原因がわかっているわけではありません。また、その後の斜視の影響も人によってさまざまです。
単純に、外見の問題だけということもあります。
大人になれば当然、本人が治療の有無を決めればいいだけです。
ただ、子どもの場合は、いじめられる可能性があったり視力が落ちたりと心配なことが親としてはたくさんあります。
少なくとも、「子どもの目がおかしい!」と思ったらすぐに眼科へ受診することをお勧めします。(ちなみに、子どもの斜視は約2%です)
参考
公益社団法人 日本眼科医会
→https://www.gankaikai.or.jp/health/betsu-003/
メガネのコミヤマ
→https://megane-komiyama.jp/about-eyes/3836.html
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