皆さんは、「魔の7歳」という言葉を聞いたことがありますか?
交通事故を起こしやすい年齢のことなんですが・・・
今回は、交通事故総合分析センターの報告から「魔の7歳」についてご紹介します。
なぜ「魔の7歳」と呼ばれるの?
平成27年に発生した年齢別の交通事故をみるとその理由が分かります。
平成27年に発生した交通事故による死傷者数を見ると、1,000人以上の死傷者が発生した年齢は、6~8歳の3年間でした。
そして、6歳と8歳は1,000人を少し越えた人数ですが、7歳は1,400人を越えました。
このように、7歳(小学1年生)の歩行中の事故が圧倒的に多いことが分かります。
そのため、「魔の7歳」と呼ばれます。
*平成2年~平成5年までは、6歳児が最も多く7歳児は2番目に多かった。
→このように、年によって変わりますが6歳~8歳は特に注意が必要です。
なぜ、小学1年生に交通事故が多発しているの?
実は、小学一年生の交通事故は減少し続けています。
過去20年間(平成8年~平成27年)に発生した小学1年生の歩行中の死傷事故は、平成8年が最も多く5,128人ととんでもない数字になっていました。
ところが、平成27年の小学1年生の歩行中の死傷事故は、1,553人でした。
つまり、過去20年間と比較すると1/3以上も減少しました。
それでは、大幅に減少したとはいえ、なぜいまだに小学1年生の事故率が高いままなのでしょうか?
「飛出し」が原因?
確かに、1年生に限らず子どもの「飛出し」による事故は高い傾向にあります。
ただ、平成8年~27年の20年間で、「飛出しによる事故」は全体の約20%~30%を推移しておりそこまで変化は見られませんでした。
繰り返しますが、子どもによる飛出しの傾向は高いので対策は必要です。
それでは、事故件数はなぜ減少したのでしょうか?
小学生に違反はなかった!?
実は、登下校中の「横断歩道外の横断」や「斜め横断」といった違反(危険)な横断による事故は年々減少しています。
ところが、違反なく横断している小学生達の交通事故が多発しています。
登下校中の子ども達の約半数が交通ルールを守っているにも関わらず発生した死傷事故でした。
つまり、子ども達がどんなに気をつけても巻き込まれる可能性が高いことがうかがえます。
*ちなみに、登下校中以外に発生した交通事故の割合は、「飛出し」と「違反なし」がそれぞれ全体の約40%ずつを占めています。
→「登下校中」と「登下校以外」の死傷事故の原因は別物と考えた方がいいでしょう。
事故が起きやすい月は?
小学生になると、親から離れて自分で登下校をすることになりますよね。
そう考えると、「一人で歩くことに慣れていない4月に事故が集中している?」と思うかもしれません。
ところが、実際に死傷事故が多いのは4月よりも5月や6月です。
そもそも、小学校入学する前の1月頃から保護者から離れて行動する機会が増えていきます。
それに伴い、死傷事故は小学校に入学する年の1月から徐々に増加していきます。
このように、小学校へ入学する年の1月~6月頃までは交通事故に遭う確率が跳ね上がります。
*12月以降は、小学2年生との死傷者数の差が小さくなる。
最後に
子どもにとって、事故の原因として「飛出し」が多いことは疑いようがありません。
また、「登下校中」と「登下校中以外」を比較すると事故の原因は変わってきます。
なにより、交通ルールーを守っても身を守れない可能性が高いことも現実問題としてあります。
このことは、大津市で発生した事故などからも見てとれます。
先日、ホンダがキャンペーンとして実施している「まもってトート」はこういった現状を踏まえて取り組まれたものです。
「魔の7歳」と言われますが、もちろん子どもだけではなくどの年代でも交通事故は発生しています。
道路でのルールを守らないと命に関わります。
いまいちど、交通ルールを見直してみてはいかがでしょうか?
→ホンダキャンペーン「まもってトート」はこちらの記事で紹介しています。
参考
イタルダインフォメーション
→https://www.itarda.or.jp/contents/146/info121.pdf
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