代替肉は新しい選択肢!? でも普及が進むと・・・

 

この記事では、「代替肉と環境問題」についてお伝えしています。

皆さんは、「代替肉」についてどれだけご存じでしょうか?

スーパーへ買い物に行くと、例えば「大豆ミート使用」なんて表示を一度は見たことがあるのではないでしょうか?

つまり、今では当たり前のように「代替肉」を簡単に購入することができてしまいます。

それでは、この「代替肉」とは結局のところ何なのでしょうか?

今回は、「代替肉と畜産」について見ていきましょう。

 

そもそも「代替肉」ってなに?

読んで字のごとく、「肉の代替え」。

つまり、「肉の代わり」という意味ですよね。

英語では、「plant based meat」と呼ばれています。

直訳すると、「植物をベースにしたお肉」でしょうか。

「それは肉ではないのでは・・・」と言いたくなりますが、単純にそういうわけでもありません。

例えば、焼き肉のタレで有名なエバラ食品工業株式会社では、代替肉は大きく3種類に分類できることが説明されています。

培養肉…牛や豚の筋細胞を培養し、風味や食感を向上させるための加工をおこなったもの。クリーンミートと呼ばれ、世界各地で商品化に向けた研究が進められています。

植物性代替肉…大豆や小麦からたんぱく質を取り出し、繊維状にしてお肉のように加工したもの。日本ならではの豆腐・高野豆腐・お麩といった食材も、ここに分類されます。

昆虫…栄養豊富な昆虫は、お肉にかわるたんぱく源として注目。見た目のインパクトを軽減すべく、粉末などに加工した食品も登場しています。

私の感覚としては、昆虫食は無理ですが・・・

基本的には、「代替肉」と言えば大豆や小麦と言った植物からタンパク質を取り出した物が使われているようです。

英語で、「plant based meat」と呼ばれるのも納得ですね。

ただし、今後は牛や豚の筋細胞が培養された代替肉(培養肉)も普及していくかもしれません。

どちらにしても、畜産で育てられたお肉に代替えした「培養されたお肉」「お肉に似せた植物」「昆虫」代替肉ということになりそうです。

それでは、このまま畜産でまかなうことは難しいのでしょうか?

sasint / Pixabay

どうして「畜産」だけではだめなの?

畜産については、農林水産省のホームページで詳しく確認することができます。

ちなみに畜産は、農業の1つで畜産農業とも呼ばれます。

2022年2月に農林水産省が発表している「畜産・酪農に関する基本的な事項」では・・・

・令和2年の農業産出額は8兆9,333億円。うち畜産は3兆2,372億円となっており、産出額の約36%を占める。(生乳:24%、肉用牛:23%、豚:20%、鶏:26%)

・ 10年前(平成22年)と比べ、額で6,847億円、農業生産額に占めるシェアで5%増加。

ということで、畜産は日本にとって大きな役割を担っていることが分かります。

それでは、どうして代替肉が必要なのでしょうか?

 

代替肉と環境問題?

そもそも、牛は胃を4つ持つ「反芻はんすう動物」として有名ですよね。

反芻はんすう」とは、一度、食べた物を胃から口へ何度かもどして、ゆっくりと消化していくことをいいます。

ただ、1つ目の胃の中にいる微生物(びせいぶつ)のはたらきでメタンが発生し、げっぷとして大気中へ出ていくことになります。

ちなみに、2019年度では日本の農林水産分野(農業、畜産業、林業、漁業)で排出される温室効果ガスの量は、約4747万tでした。

そのうち、約16%に当たる約756万tが、ウシなどの家畜(かちく)のげっぷで排出されたと考えられています。

世界全体でみると、家畜が出すげっぷにふくまれるメタンは、温室効果ガスの4%を占める。

Jobbeat / Pixabay

ということで、代替肉を使用することはなんと「地球温暖化の主原因とされている温室効果ガスの削減」という世界規模の話しに繋がっています。

とはいえ、温暖化の最大の原因は人間の生産活動であることはいうまでもありませんが・・・


そして、もう一つの理由が食糧危機です。

日本では少子高齢化が問題になっていますが、世界では人口が増え続けており100億人を越えるとも言われています。

こういった事情もあり、食料の選択肢は1つでも多いに越したことはないことが分かります。

ただ、今でこそまだまだ価格が高い代替肉ですが、値段が下がり代替肉が当たり前となると様々な問題が起こるかもしれません。

まずは、代替肉の前に、畜産物について子ども達に知ってもらうことが先かもしれませんね。

当然、「動物を殺すことはかわいそう」という単純な話しではないことは付け加えておきます。

 

最後に

根本にある問題は、これまで私達が食べることができていた畜産物は、どうやって誰が作ってきたのかを知らないからでしょう。

そもそも、スーパーに行けば、すでにパッケージされたお肉が売られていますよね。

そんな中で代替肉が発売され一般に受け入れられれば、「動物を殺すのはかわいそう」という風潮になりかねません。

その結果・・・

  • 畜産業の衰退(失業者の増大・技術の喪失など)
  • 動物愛護に目覚めた人達から畜産に対して「厳しい目」が向けられる
  • 畜産されていた動物はどうなる?
  • 「畜産」という食料調達の選択肢がなくなる

など、このように代替肉は、大きな問題も抱えているといえるでしょう。


参考

キッズネット:ウシのげっぷは温暖化に関係しているの?
https://kids.gakken.co.jp/kagaku/eco110/ecology0042/

 

 

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