予防接種が変わるかも!? ~経鼻ワクチンが日本でもやっと承認申請!~

 

皆さんは、「インフルエンザワクチン」と言えばどんな投与方法を想像しますか?

ほとんどの人が、注射器による予防接種を想像するのではないでしょうか?

私自身、注射は嫌いですがそれはそれとして、なにより子ども達が予防接種のたびに毎回大泣きしてしまいます。

今回紹介するのは、「子どもにも優しい経鼻ワクチン」です。

 

「経鼻ワクチン」ってそもそもなに?

3種類のワクチン

そもそも、ワクチンには3種類あります。

 

  • 生ワクチン

病原体は生きていますが、病原体のウイルスや細菌が持っている病原性を弱めた(弱毒化)ワクチンです。

つまり、生きた病原体を接種するため、体内でウイルスや細菌が増殖しその病気にかかった状態とほぼ同じ免疫力がつきます。

ただし、接種したワクチンの感染症の症状が一定の期間をおいて弱く出現することがあります。

 

  • 不活化ワクチン

ウイルスや細菌を殺し、抵抗力(免疫)をつくるのに必要な成分を取り出して毒性をなくして作られています。

生ワクチンとは違い、体内でウイルスや細菌は増殖しないため数回接種する必要があります。

 

  • トキソイド

細菌の産生する毒素(トキシン)を取り出し、免疫を作る能力は持っているが毒性が無い状態です。(不活性ワクチンに分類されることもある)

ulleo / Pixabay

 

海外ではすでに使われている!?

日本では、まだ経鼻ワクチンは認められていませんが、海外ではすでに承認されています。

例えば、「フルミスト」と呼ばれる経鼻ワクチンがあります。

  • 2003年:アメリカ
  • 2011年:ヨーロッパ

では、すでに承認されています。

 

経鼻ワクチンの特徴は?

フルミストは、生ワクチンで鼻に噴射することで免疫を得ることができます。

つまり、1回の鼻腔内の噴霧のみで終了します。当然、痛みもありません。

  • 対象は、2歳以上~49歳以下の健康な人。
  • ワンシーズンその効果が期待できる。
  • 発症予防効果が高い。
  • 流行株と異なる株に対しても効果がある。

 

接種できない人は?

  • 5歳未満で、今までにぜん息があった人。
  • 1年以内にぜん息発作のあった人。
  • 免疫不全の人。(免疫不全の人と接触する機会のある人)
  • 妊婦・妊娠の可能性のある人。
  • アスピリン服用中の人。
  • 重度の卵アレルギーを持つ人。
  • アナフィラキシーの既往のある人。
  • 当日、37.5℃以上の熱がある人。

このように、接種するためには制限があることは覚えておく必要があります。

なにより、接種時に号泣する子どもの場合は、多量の鼻汁でワクチンがうまく鼻腔に入らず、効果が弱まってしまうため接種できないこともあります。

*接種時に鼻水・鼻づまりの症状があると、効果が半減するため接種できないこともある。

nastya_gepp / Pixabay

 

とはいえ、やはり選択肢として「経鼻ワクチン」を選べるようになるといいと思いませんか?

 

日本初の経鼻ワクチンが承認申請予定!?

大阪府吹田市の阪大微生物病研究会が2019年7月に治験が終了し、国へ承認申請する方針となっています。

承認されれば国産品は「初」となりますが、承認されても実用化までには数年かかるようです。

液体ミルクもそうでしたが、日本ではなかなか承認されず困ってから一気に承認が進むこともあります。今後の進捗が気になる所です。

ただし今回、承認申請された経鼻ワクチンは「不活化ワクチン」のため、複数回投与する必要があります。

 

国内未承認による弊害とは?

先程、紹介した経鼻ワクチンのフルミストは、実は日本でも接種することができます。ただし、繰り返しお伝えしているようにフルミストは国内未詳認です。

そのため、以下の公的な保証制度は適応されません。

 

◎予防接種健康被害救済救済制度(厚生労働省)◎

「予防接種」と「健康被害」の因果関係が認定された方を、迅速に救済する制度。さまざまな給付を受けられる。

→治療に要した医療費+医療を受けるために要した費用。
→障害が残った場合。
→亡くなられた場合。

こういった場合に支給される制度です。

 

◎医薬品副作用被害救済制度(独立行政法人 医薬品医療機器総合機構)◎

病院・診療所で出された薬や、薬局等で買った薬を正しく使ったにも関わらず、重い副作用が生じ、入院・その後に後遺症が残った場合に医療費や年金などを給付される公的制度。

→入院治療を必要とする程度の健康被害で医療を受けた場合。
→日常生活が著しく制限される程度の障害がある場合。
→死亡した場合。

こういった場合に支給される程度です。

「未承認」ということは、希とはいえこういった状態に陥ったとしても保証されないということになります。

ただし、輸入商社による補償を受けることができます。

Tumisu / Pixabay

 

輸入ワクチン副作用被害救済制度(輸入商社:Monzen Corporation)

ワクチン投与により、重篤な副作用が発生した場合、補償金を給付する制度です。

  • 死亡・・・2,000万円補償
  • 障害1級・・・1,000万円補償
  • 障害2級・・・500万円補償

→厚生労働科学研究費分担研究としてまとめられた報告署「輸入に係る未承認ワクチン副作用被害の補償制度に関する検討」を元に発足されました。

*補償は、Monzen Corporationが提供する輸入ワクチンに限られます。

 

最後に

未承認ということは、公的な補償がないことを意味します。

また、先程紹介したフルミストの予防接種は、例えば「エアクリニックお茶の水」では、8,000円かかるなど高額となっています。(助成がきかない)

こういったことから、私達が普通に経鼻ワクチンを選択することができるのは、まだまだ先になりそうです。

ちなみに、不活化ワクチンは私の子どもは2回予防接種の必要がありますが、1回3,100円。つまり、2回で6,200円が必要になります。(2人いるので、毎年12,400円)

正直、自分たちの分まで手が回りません・・・

それはそれとして、安全性と金銭面を考慮して選択していくことになるでしょう。


参考

一般社団法人 日本ワクチン産業協会
http://www.wakutin.or.jp/data/mother/vaccination2.html

医療法人社団 さくらライフ
http://www.slclinic.com/aboutus/ichikawaclinic/flumist/

医療法人社団 緑風会 ユアクリニックお茶の水
https://yourclinic.jp/flumist

 

 

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