地震対策 ~「制震」はダンパーで揺れを吸収!?~

 

建物の地震対帯は、耐震・免震・制震の3種類があります。

耐震と免震についてはこちらの記事でそれぞれ紹介しています。

耐震等級を知りたいなら・・・ ~品確法の住宅性能表示制度~

地震対策に効果大な「免震対策」 ~デメリットも確認を!~

今回は、「制震」についてご紹介します。

 

制震とは?

まずは、言葉の解釈から説明しないと分かりにくいので・・・

本来は、「制震」ではなく正確には「制振」です。

というのも、「制振」は揺れを制御するための装置を取り付ける地震対策です。

もしこれが、「制震」ならそもそも地震を制御するという意味になってしまいます。

今の技術では、地震の発生すら予測することが難しいですよね・・・

というわけで、本来なら「制振」が正しいのですが分かりやすさ重視で地震のパンフレットなどでも「制震」という言葉が使われています。

「耐・免・制」では、違和感がありますよね?

今回の記事は分かりやすさ重視で、「制震」として紹介します。

*日本建築学会では、「制振」が正式な用語とされています。

言葉の解釈はこのくらいにして・・・

制震と耐震はなにが違うの?

耐震は、壁や柱を強化や補強材をいれることで建物そのものの強度を上げることで地震の揺れに対処します。

一方、制震はダンパーという振動低減装置を組み込むことで地震の揺れを吸収します。

揺れを吸収するということは、例えば震度6の揺れを震度4まで抑えるといった効果があります。

ただ、「制震技術」とひとことでいってもさまざまな種類があります。

*免震は、免震装置の上に建物をのせるため、そもそも地震対策の仕方が違います。

 

制震技術にはエネルギー(電力など)が必要!?

アクティブ制震

外部から、多量のエネルギーを供給する必要があります。

というのも、地震の揺れをコンピューターで感知するたびに外部から力を加える必要があるためです。

→大きな揺れが抑えることができないため、地震ではなく風による振動を抑える目的で用いられます。

セミアクティブ制震

アクティブ制震と原理は同じですが、エネルギー吸収装置の性能を微調整でき効果的に振動エネルギーの低減を図ることができます。

コンピュータシステムが組み込まれているため、少量のエネルギーで調整することができます。

パッシブ制震

エネルギーの吸収効果がある壁・ブレース・柱を使用することで建物の各部分で振動エネルギーを低減させることができます。

「エネルギー供給が必要ない」ため、「停電などの影響もなくいつでも効果が発揮」できます。

*ブレースというのは、対角線上に設置されている骨組みのことです。

ちなみに、地面に対して→垂直な部材が柱。水平な部材が梁。

このように、制震技術には種類があり特徴を知らないと地震への効果がない場合もあるため注意が必要です。

 

制震対策のメリットは?

  • 耐震よりも損傷が小さくできる。
  • 免震よりもコストが安く、工期も短くてすむ。
  • 繰り返しの揺れに強い。

など、たくさんのメリットがあります。

ですが、当然デメリットもあります。

 

デメリット

  • 耐震・免震・制震すべてにいえますが、地盤が弱いと導入できない。(地盤改良ができれば問題ない)
  • 耐震よりは強くなるが、免震ほどの効果はない。(家具の転倒やガラスが割れるなどが発生する)

耐震と免震の中間のような存在というよりは、耐震よりも地震対策に強いということができるかもしれません。

このように書いてしまうと、「耐震より制震だ!」となりそうですがそう単純な話ではありません。

 

耐震と制震

耐震等級の記事でも紹介していますが、耐震には品確法で明確に等級が決められています。

等級3ともなれば等級1の1.5倍までの強度をもつことを国の機関(国土交通大臣)が認めたことになります。

ですが、制震の場合はダンパーが設置されていれば「制震対策をしている!」ということができます。

ダンパーにも種類やタイプがたくさんあり、それぞれ効果も異なります。

また、ダンパーを付ける位置を間違えては効果が発揮されることもありません。

もう一度いいます、「ダンパーを付けるだけで制震対策をした!」ということができます。

そして、他の対策(免震や耐震)でもデータ偽造や違法建設などさまざまな問題が取り沙汰されています。

最近では、レオパレスの不良施工問題がありますよね。

結局のところ、信頼できる人が信頼できる仕事をしてくれないと耐震・制震・免震という技術がどんなに優れていても意味をなしません。

新しい言葉に気を取られて中身をみないと意味がありません。

30年以内に巨大地震がくるといわれていますが、地震対策は慎重にしていきたいですね。

3844328 / Pixabay

最後に

超制震住宅と呼ばれる「制震テープ」を使った住宅も登場しています。

制震テープを家全体に貼り付けることで、家をまるごとダンパーにした住宅のことです。

制震テープは、厚さ1㎜の両面粘着テープです。

例えば、柱と壁材との間に制振テープをサンドイッチ状に挟むことで揺れのエネルギーを吸収します。

*制震テープを貼ることで、耐震に制震を加えるイメージ。


このように、制震技術は日々進歩しています。

コストやあなたの住宅に適した地震対策を選ぶ必要があります。

耐震・制震・免震どれも地震対策として有効な方法です。

少なくとも、今の建物は建築基準法により震度7の地震で倒壊しないことが大前提として建てられています。

ただ、震度7では揺れのエネルギーは青天井のため想定外の揺れがきた場合はその限りではありません。

そのため、地震対策は必要となります。

地震のエネルギーについては、こちらの記事で紹介しています。

地震大国日本! ~地震情報マグニチュードを知れば地震の規模が分かる!?~

 

まとめ

  • 制震は、揺れを制御すること。
  • 基本的には、耐震対策よりも制震対策の方が揺れに対する効果が高い。
  • よくも悪くもダンパーを使うことで制震対策ということができる。
  • 制震技術は日々進歩している。

参考

建設・設備求人データベース
https://plant.ten-navi.com/dictionary/cat07/5212/

バッコ博士の構造塾
https://www.bakko-hakase.com/

株式会社ベスト不動産
https://www.juken-net.com/main/feature/choseisinjutaku/

 

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