皆さんは、「ごちめし」というサービスをご存じでしょうか?
利用者は、「ごちめしアプリ」や「ネット上」でお店を指定することで友人などにごちそうすることができるサービスです。
つまり、遠方にいる家族や友人であっても、近くにある飲食店が「ごちめし」を導入していれば、例えば誕生日に遠く離れた家族や友人などに食事をおごることができます。
さて、今回はそんなごちめしについての紹介ではなく、『「ごちめし」を運営している企業が始めた「さきめし」』というサービスについてご紹介します。
「さきめし」ってなに?
そもそも、「ごちめし」を運営しているのは福岡市のIT企業:Gigi株式会社です。
「各業界のプロフェッショナルが集まって作られた新しい価値観を世界に発信する会社」として運営されています。
そんなGigiが2020年3月9日に新たに始めたのが、「さきめし」というサービスです。
「さきめし」は、消費者ファーストではない!
まず、このサービスは消費者ファーストではありません。
この点をデメリットに感じる人は、私のように「安さを追い求めてきた消費者」だと思います。
ただ、そもそも「さきめし」は、今回の新型コロナウイルスにより経営危機をむかえている行きつけの飲食店を支援することが最大の目的です。
つまり、私達消費者が飲食店を守るための取組です。
売上の先払い!
Gigi株式会社の役割は、消費者(ユーザー)と店舗との間で成立する契約に基づいて、ユーザーが飲食店舗に先払いした代金を店舗の代わりに受領し店舗に渡す立場(仲介)です。
さらに、「さきめし・ごちめし」を利用した店舗が閉店した場合は、ユーザーが先払いしたお金は返金されることもありません。
つまり、これまでのサービスのような、「割引券が使える」とか「ポイントが付く」といった消費者のためのサービスではなく、あくまでも店舗を応援するためのサービスです。
ユーザーはむしろ10%の負担!
そもそも「さきめし」は、「ラーメン」や「どんぶり」などお店で提供しているメニューを定価で出せるようにするために考えられたサービスです。
ひょっとしたら、「10%が仲介業者が取るのなら悪徳!」と考える人もいるかもしれませんね。
ですが、そもそも10%の中の3.6%はクレジットカード手数料です。(クレジットカードを利用するだけで3.6%の手数料が発生する方がおかしいような・・・)
つまり、基本的に実質6.4%(仮に1,000万円店舗に売上を渡した場合、手数料は約64万円)の仲介料だけで「さきめし」を運営されています。それも、負担はお店側にではなく私達消費者に対してです。
→運営会社からすれば、6.4%の手数料が「高過ぎる」とはとうてい思えません・・・
時代に逆行しているサービス?
普通に考えれば、私達はチラシなどを見て「安いから」・「ポイントが今日は3倍付くから」など、自分にとって何かしらのメリットが大きい店舗を選ぶのではないでしょうか?
安さを求める場合、そもそも高いお店は最初から選択しませんよね。
つまり、10%の負担が気に入らなければそもそも「さきめし」を利用することはありません。ただ、今の日本の状況は、これまでの安さを追い求めたツケが回ってきているのかもしれません。
コロナが終息した後の経営を視野に入れている!
そもそも、「さきめし」はコロナで閉店しないようにするために、飲食店を応援するためのサービスです。
少なくとも、コロナが終息するまでは、先払いのお金が定期的に入ってくることになります。
さらに、そもそも「注文したのにメニューがなかなか来ないじゃないか!」といったクレームを付けてくるような人は「さきめし」の対象にしていません。
あくまでも、「材料がなくなったしまた来てね!」と言われて納得できる消費者が対象のサービスとなります。
そもそも、その飲食店を応援する気もない人からすれば、「10%も多く支払った上に、もしも閉店すれば先払いしたお金も戻ってこないかもしれない」
そんなお店のメニューを先払いして購入することは、考えにくいですよね。つまり、飲食店としては「コロナ終息後も応援してもらえるお店である」という安心感や自信につながります。
→飲食店からすれば、「さきめしを使ってでも支援したいお店」というある意味ブランドをもらったようなイメージが近いかもしれません。
お客さんがコロナ終了後、確実に来る!
多くの飲食店にとって、「お店を維持できたとしても新型コロナウイルス終息後にお客さんが戻ってくるのか?」これが最大の心配事ではないでしょうか?
ですが、すでに注文を受けている状態ですので「お店さえ開ければお客さんが必ずやってくる!」ということになります。
そもそも、自分のお店を潰させないためにお客さんが支援してくれていることがダイレクトに伝わるサービスですよね。
→「お客さんがお客さんを連れてくる」ため、飲食店からすれば心強いサービス(心のよりどころ)となるでしょう。
このように・・・
- 「ごちめし」:誰かにごちそうするためのサービス
- 「さきめし」:自分にごちそうするサービス
本来は、「誰かにごちそうするサービス」なので、今回は新型コロナウイルスに対するGigi株式会社の特別対応(サプライズ)といったところでしょうか。
*ちなみに、「さきめし解放」として飲食店業界だけでなく他職種(音楽・イベント・美容・娯楽施設など)で、どのような業種でも自由に「さきめし」機能が利用できるようになっています。
「さきめし」の使い方は?
- お店とメニューを選び自分宛に「ごち」を入れる。(
6ヶ月間有効→コロナが終息するまで有効期限は撤廃) 6ヶ月以内に来店し、「ごちめしアプリ」を使って入れた「ごち」を利用する。
さらに、応援の仕方もひとつではありません。
3つの応援の仕方
- ごちめし登録されている店舗で応援したい。
- ごちめし登録されていない業種や地域で応援したい。
- とにかく「さきめし」に共感している方(アンバサダー:広告塔)
*企業努力におんぶに抱っこの消費は、もうやめる時期にきているのかもしれません・・・
最後に
新型コロナウイルスの報道や対策の在り方について、いろいろと思うところはあります。
緊急事態宣言が出されましたが、強制力がないにも関わらず従わなければ名前をさらされる(私刑)状態に陥っています。
→「私刑」というのは、国家ないし国家権力の法と刑罰権に基づくことなく、個人または特定集団により施行される私的な制裁のことです。(「リンチ」と言われることもあります)
*例えば、「子どもが殺されて敵討ち」をした場合、親が逮捕されるのは私刑が認められていないためです。
さて、今回の新型コロナウイルスでは物が倒壊したり、放射能の汚染で何年も入ることができない立入り禁止区域があるわけでもありません。
そのため、基本的なライフラインも通常通り使うことができます。ですが、人の経済活動が大きく制限されてしまいました。
まさに「蛇の生殺し」のような状態が続いていますが、いつまでこの状態を私達は保つことができるのでしょうか?
そう考えれば、いつでも事業が再開できる準備を進めていくしかありません。その準備のために「新型コロナウイルス感染症特別貸付」や「持続化給付金」という政府の対応がありますが、それだけでは不十分です。
今後は、「さきめし」のようなコロナ終息後にそれぞれの事業者が、消費者を確保できるようなサービスをもっと大規模に進めていく必要性があるでしょう。
まさに、ITを生かす絶好の機会でもあるのですが、IT大臣の活躍はあるのでしょうか?
ちなみに、「新型コロナウイルス感染症の拡大防止対策に資するIT活用について」という議論はされているようです。
→「新型コロナウイルス感染症特別貸付」や「持続化給付金」については、こちらの記事で紹介しています。
ごちめし・さきめし よくあるご質問
→https://cio.go.jp/sites/default/files/uploads/documents/techteam_20200406_01.pdf
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