さまざまな呼び名がある「エコノミー症候群」~突然死は、災害時だけじゃない!?~

 

みなさんは、同じ姿勢でいるだけで命の危険性があることをご存じでしょうか?

その病気は、「急性肺血栓塞栓症」ともいわれます。他にも「旅行者血栓症」なんて呼ばれかたもします。

聞き覚えのある言葉でいえば、「エコノミー症候群」という名前を聞いたことがないでしょうか?

震災時に、「エコノミークラス症候群で多くの方が犠牲になられました」というニュースもあり、記憶に新しいのではないでしょうか?

今回は、『エコノミークラス症候群は、「旅行」・「震災」・「日常的」どこでも起こる危険性がある』ことについてご紹介します。

*今回の記事では多くの人に知られている、「エコノミー症候群」で統一して紹介します。

 

「エコノミークラス症候群」ってそもそもなに?

まずは、それぞれの呼び名がある理由をご紹介します。

そもそもの病気の名前

静脈血栓塞栓症

  • 「深部静脈血栓症」→医学的に足や下腹部の静脈に血栓ができる病気。
  • 「急性肺血栓塞栓症」→深部静脈血栓症によりできた血栓が肺に飛んで肺の血管を詰めてしまう病気。

「深部静脈血栓症」も「急性肺血栓塞栓症」も同じ症状の進行具合で違う名前が付いているだけなので、最近ではまとめて静脈血栓塞栓症と呼ばれるようになってきています。

症状による名前の由来

①エコノミークラス症候群

飛行機のエコノミークラスで旅行すると、長時間狭いイスに座ったままの状態を強制されることが多くなります。

足の血流の流れが悪くなり、静脈の中に血の塊(静脈血栓)→(深部静脈血栓症)ができることがあります。

血の塊(静脈血栓)は、歩行などをきっかけに足の血管から離れ、血液の流れにのって肺に到着。

血の塊(静脈血栓)が肺の動脈に閉塞(詰まる)→(急性肺血栓塞栓症)

*突然死を引き起こす怖い病気として、1980年~1990ごろから有名になりました。つまり、約40年前から知られている病気です。

②旅行者血栓症

最初は、エコノミークラスの乗客に対して注目が集まっていました。ですが、ビジネスクラス以上の乗客や車の長距離運転・列車旅行など長時間座席に座って移動する場合に発生するため「旅行者血栓症」と呼ばれることがあります。

「エコノミークラス症候群」がそのまま使われている例

この病気が知れ渡った理由は、旅行者の突然死がきっかけです。

ですが、最近では震災時の車中泊がその契機になっています。もし、震災がきっかけで知れ渡っていたなら、別の名前が付いていたでしょう。

また、動作が少なく同じ姿勢を長時間することで発症するため、例えば「映画」・「会議」・「オフィスでのデスクワーク」などいろいろな日常でのパターンが考えられています。


特に、私のようにイスに座ってパソコ入力をする人は注意が必要です。ほとんど休憩を入れないので、3時間以上ずっとパソコンに向き合っていることも当たり前のようにあります。(会社勤めなら、さらに長時間座った状態で作業している方も多いのではないでしょうか)

これは、例えば動画・ゲームなどのために長時間座ってパソコンやスマホを操作している人にも言えるかもしれません。

*若い頃は大丈夫かもしれませんが、徹夜でゲームや動画視聴の視聴は年齢に伴い気をつけなくてはいけません。

 

エコノミークラス症候群を防ぐには?

エコノミークラス症候群になるのは・・・

環境条件

  • 航空機内のような乾燥した環境
  • 低い気圧により体内の水分が蒸散しやすい環境

脱水条件(血液がドロドロになる)

  • 水分の摂取不足
  • アルコール等利尿作用のある飲料の摂取

このような状態で、長時間座位により下肢が圧迫され続けると、血流が悪くなったりうっ血を起こして血栓が生じます。

このように発生原因が分かっているため、解消方法も確立されています。

 

治療法は?

個人でできる解消法

  • 足のマッサージ(足を動かす)
  • 女性なら弾性ストッキングの着用で代用(調べてみると男性用も普通に売られています)
  • 適切な水分摂取

《足のマッサージ》

  1. かかとの上げ下ろし運動
  2. 1・2時間ごとの足のマッサージ
  3. ふくらはぎを軽くもむ

といった方法がありますが、「座りっぱなし」にならないように可能であるなら1時間に1回は歩いた方がいいでしょう。

《適切な水分摂取》

水分摂取については、2002年に9時間のフライトで「水」「イオン飲料」で血液粘度の大規模な実験がおこなわれました。

この実験により、イオン飲料の方が・・・

  • 尿排出量が少ない
  • 水分が体内に保たれる割合が高い

という実験結果が報告されています。

この実験は、あくまで水とイオン飲料では「どちらが血液がサラサラの状態に保てるか?」という実験です。どうしても動くことができない状態(会議や長距離運転・車中泊など)になることが最初から分かっているなら水よりはイオン飲料を準備した方が効果があります。

夏場でも、脱水=イオン飲料(ポカリスエットやアクエリアスなど)ですよね!ただし、糖分が多量に入っていること多く飲み過ぎにはご注意下さい。

病院での治療法

急性肺血栓塞栓症は、循環器救急疾患で重症の場合は死に至ることもあります。病院では、このような治療法があります。

  1. 抗凝固療法
  2. 血栓溶解療法
  3. カテーテル的肺動脈血栓破砕療法
  4. 外科的肺動脈血栓摘除術
  5. 下大静脈内フィルター留置術

といった治療法があります。

  • 血液の流れを良くする。
  • 血栓じたいを取り除く。
  • 下肢から移動する大きな血栓が肺へ行かないようにフィルターを取り付ける。

といった治療がなされます。

 

エコノミー症候群のサインは?

血栓のできやすい場所と特徴

太もも上部
(腸骨静脈)
 足の腫れなど  妊婦・子宮筋腫の患者
太もも
(大腿静脈)
カテーテル手術を受けた人
ふくらはぎ周辺
(膝窩静脈~ヒラメ筋静脈)
肺の血管が詰まるまで、症状が出にくい
  • 長時間座ったままの旅行者
  • 災害時の車中泊者

となります。

妊婦さんやカテーテル治療をした人などは特に注意が必要です。

そして、全ての人に言えることはふくらぎはぎ周辺の血栓です。太もものような「足の腫れ」といった症状もなく肺の血管が詰まるまで症状が出にくいという特徴があります。

→これが、突然死を引き起こす要因となっているようです。

エコノミークラス症候群による突然死を防ぐためには、水分補給と少なくとも2時間に1回はマッサージや足を動かすことが必須になります。

どうしても無理なら、男性も弾性ストッキングをされたほうがいいかもしれません。

 

まとめ

  • エコノミー症候群は、長時間座りっぱなしの状態で発生する。
  • 防ぐためには、水分摂取と定期的な足のマッサージや動かすことが重要。
  • 長時間座りっぱなしで起こるふくらはぎに血栓ができてしまうと症状がなく突然死をまねく恐れがある。

参考

厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000170807.html

ヨミドクター
https://yomidr.yomiuri.co.jp/article/20180706-OYTET50013/

国立循環器病研究センター
http://www.ncvc.go.jp/cvdinfo/pamphlet/blood/pamph46.html

大塚製薬
https://www.otsuka.co.jp/health-and-illness/thrombosis/

 

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