避難の目安「大雨警戒レベル」が新しくなった! 避難勧告は廃止に・・・

 

この記事では、新しくなった「大雨警戒レベル」についてお伝えしています。

今年は、オリンピックも開催されましたが、その後は大雨が連日のように続いています。

そして、大雨による被害が各地で引き起こされています。

例えば、産経新聞によれば

九州地方で降っている大雨について、記者会見した同庁予報課の梶原靖司課長は「30年以上予報業務に携わっているが、これほどの多量の雨が相次ぐのは経験上、珍しい」

と、ニュースになるほど想定外の自体に陥っていることが報道もされています。

それでは、私達はこの大雨をどのように警戒すればいいのでしょうか?

今回は、「以前紹介した大雨警戒レベルが変わった!」についてご紹介します。

 

「大雨警戒レベル」ってそもそもなに?

大雨警戒レベルについては、詳しくは以下の記事で紹介していますが、気象庁によれば・・・

住民は「自らの命は自らが守る」意識を持ち、自らの判断で避難行動をとるとの方針が示され、この方針に沿って自治体や気象庁等から発表される防災情報を用いて住民がとるべき行動を直感的に理解しやすくなるよう、5段階の警戒レベルを明記して防災情報が提供

されることとなっています。

 

つまり、今回のように災害が実際に引き起こされたときに、避難するタイミングを5段階にすることでいつ避難すればいいのか一目でわかる重要な防災情報となります。

とはいえ、「警戒レベル1・警戒レベル2だからまだ焦って避難する必要はない!」ということにはならないため、その点は誤解しないようにする必要があります。

*災害の状況によって、避難のタイミングは大きく変わってしまうため。

それでは、これまでの大雨警戒レベルと何が変わったのでしょうか?

 

大雨警戒レベルについては、こちらで紹介しています。

令和から新しく始まるお天気情報「大雨警戒レベル」!  避難のタイミングは?

 

大雨警戒レベルの新仕様とは?

そもそも、大雨警戒レベルは2019年(令和元年)から始まったまだ新しい防災情報です。

ですが、2021年(令和3年)5月20日からすでに新しい仕様に変化しています。

これは、残念ですが必ずしも的確な避難に繋がっていないために見直しが行われた結果です。

それでは、なにが変わったのか見ていきましょう。

 

そもそも、「避難勧告」が廃止された!?

大雨警戒レベルの簡単なおさらい!

大雨警戒レベルは細かいことは以前の記事を読んでもらうとして、以下のように区分されてきました。

  • 警戒レベル1・・・今後気象状況悪化の恐れがある。→気象庁:早期気象情報
  • 警戒レベル2・・・気象状況悪化         →気象庁:大雨・洪水・高潮注意報

この、警戒レベル1・2はこれまでと同じです。

ちなみに、気象庁からの情報は「警戒レベル2」までです。

その後、警戒レベル3~5については、それぞれの自治体により発表されることになります。

j_lloa / Pixabay

 

警戒レベル3~5は何が変わった!?

  • 警戒レベル3・・・災害の恐れあり → 自治体が「高齢者等避難」の情報を発表。

これまでは、「避難準備の情報(避難準備・高齢者等避難開始)」でした。

ですが、情報の対象をより明確にするため、名称が「高齢者等避難」に変更されています。

これは、「等」とあるように高齢者に限ったことではなく、「必要に応じ普段の行動を見合わせ始めたり、避難の準備をしたり、危険を感じたら自主的に避難するタイミング」となります。

 

 

  • 警戒レベル4・・・災害の恐れ高い → 自治体が「避難指示」を発表。

これまでは、同じレベル4に「避難勧告」と「避難指示」がありましたが、「避難指示」に一本化されました。

ちなみに、避難指示」はこれまでの「避難勧告」のタイミングで発令されるため、「避難勧告」という言葉はなくなりましたが、そのまま使用されています。

 

 

  • 警戒レベル5・・・災害発生又は切迫 → 自治体が「緊急安全確保」を発表。

これまでは、発生を確認したときに発令されるものが「災害発生情報」として発表されましたが、今後は「緊急安全確保」が発表されます。

 

これまでと同じで、「警戒レベル5」を待ってはいけない!

そもそも、警戒レベル3では、避難区域に住んでいる高齢者などすぐに避難できない恐れがある人は避難を開始しなくてはいけません。

そして、警戒レベル4では、危険区域に住んでいる人は全ての人が避難を完了していなくてはいけないタイミングです。

つまり、警戒レベル3になってから、警戒レベル4になるまでに全ての人の避難が終わっていなくてはいけないことになります。

 

ただし、警戒レベル5の説明で「発生を確認したときに発令」という性質上、もしも自治体が災害の状況を見逃してしまった場合、どうなると思いますか?

当然、認識されていない災害ですから発生していないものとなるため、警戒レベル5が発令されない可能性があります。

このように、必ずしも警戒レベル5が発令されるわけではなく、当然、発令された時点ですでに災害が発生した後の状況です。

bohemianbikini / Pixabay

 

どちらにしても、警戒レベル5の発表の有無に関わらず、レベル4が発表された時点で避難できない状況に追い込まれている可能性も高くなります。

このように、運用の仕方には大きな変化はなく基本的にこれまで通り「避難区域にいる人は、警戒レベル4が発令される前に避難が終了している必要がある」ということはこれまで通りです。


今回の変更は、「より分かりやすい言葉に変更した」という点です。

このように、避難のタイミングを一目で知らせてくれる大雨警戒レベルですが、状況によっては一気に変わってしまい避難できない可能性もあります。

例えば、局所的な大雨が降り続ければ、場所によっては老朽化などにより警戒レベル2→5に一気に状況が動いてしまう可能性もあるわけです。

→例えば、日本の多くのライフラインは老朽化が深刻な状況にあり、国土国強靱化対策の一つとして、対策が進められている。

それでは、そもそも全ての人が避難する必要があるのでしょうか?

 

「避難」は、安全な場所に留まること!

例えば、避難先が小学校だったとします。

それでは、その小学校が「ため池」の下側に位置していればどうでしょうか?

「ため池」が決壊する可能性がありますよね。

また、場所によっては土石流が発生するかもしれません。実際、災害時には避難所として使えなくなった場所もあります。

ですが、もしもあなたがマンションの上階に住んでいて、さらに災害の対策をしていればそこが避難場所になる可能性があります。

「避難」について抑えるポイントは、以下の3つです。

 

抑えておきたい「避難のポイント」とは!?

  1. 家屋倒壊等氾濫想定区域に入っていない。
  2. 浸水深よりも居室が高い。
  3. 水がひくまで我慢できて、水・食料などの備えが十分。

ただ、マンションの場合はライフラインが使えなくなる可能性や、トイレの逆流などそういった場合の対策を知識として知っておく必要があります。

このように、災害対策は食料などの「物」の準備が必要になりますが、それ以上に「知識」の準備がさらに重要になります。

RAEng_Publications / Pixabay

 

最後に

今回は、避難するタイミングを分かりやすく教えてくれる防災情報、「大雨警戒レベル」の変更点についてお伝えしてきました。

ただ、多くの人が肩を寄せ合う避難所に行くことが、全ての人にとって正解とは限りません。

大切なことは、「災害時に自分がどこにいることが一番安全か?」を、判断できることでしょう。

その選択肢の一つに、実は一番安全な避難場所が「自宅」である人も少なからずいるということです。

ちなみに、学校などに限らずパチンコ店なども災害時の避難場所として知られるようになってきています。

まずは、安全な避難場所の確認から初めて見てはいかがでしょうか?


NHK:避難情報の変更と大雨警戒レベル
https://www3.nhk.or.jp/news/special/saigai/basic-knowledge/basic-knowledge_20190529_07.html

 

 

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