110番だけじゃない! もう一つの警察への相談ダイヤル「#9110」とは?

 

皆さんは、「ストーカー被害」や「詐欺被害」など犯罪が起こったとき、どこに連絡しますか?

普通は、110番ですよね。

それでは、「ストーカー?」「詐欺?」とまだはっきりしないときは、被害にあうまで黙っておくしかないのでしょうか?

例えば、前回紹介した裁判所から封書が届く特殊詐欺のように、無視すると合法的にお金を支払うことになりかねない場合もあります。

今回は、そんな『不安なときに相談することができる「#9110」』についてご紹介します。

 

特殊詐欺についてはこちらの記事で紹介しています。

特殊詐欺は無視が一番? 場合によっては合法的に詐欺られるかも・・・

 

110番ではだめなの?

そもそも、110番は「今すぐ警察官に駆けつけてもらいたい!」というような緊急の事件・事故などを受け付ける緊急通報要電話です。

それでは、年間の110番通報受理件数は何件あると思いますか?

A.900万件越え(H30年)

これは、約3.4秒に1回の割合です。

「こんなにたくさんの緊急連絡が、毎日のように発生しているのか?」と言えば、必ずしもそういうわけではありません。

実は、全体の約2割は緊急の対応を必要としない通報です。


少し極端な例かもしれませんが、「ゴキブリが出たのでなんとかして!」なんて通報もあったようです。他には、「免許の更新」といった各種相談など。

ですが、110番はあくまでも目の前で犯罪が行なわれている(おこなわれた)など、緊急事態にかけるための電話だということは再認識する必要があるのかもしれません。

とはいえ、そもそも警察への相談が必ずしも緊急性があるとは限りません。

そこで、「#9110」が設置されています。

mohamed_hassan / Pixabay

 

「#9110」ってなに?

「#9110」は、警察相談専用電話。

例えば、DV・ストーカー・詐欺など緊急ではないけれど、警察に相談したい場合に利用するダイヤルです。

→電話をかけた地域を管轄する、警察本部の相談窓口につながる。

 

相談員が担当!?

相談業務を専門に担当する「警察相談安全員」などの職員(警察官・元警察官等)が、対応してくれます。

  1. 助言・指導
  2. 警告・説得
  3. 検挙・補導
  4. 他機関の紹介

こういったことが実施されます。

 

相談内容によっては・・・

  • 性犯罪被害者あるいは少年を対象とした警察に設置された相談窓口を紹介。
  • 法テラス
  • 消費者生活センター
  • 児童相談所
  • 女性相談所

といった各種関係機関へ引き継ぎや紹介がなされることもあります。

 

受付

  • 平日→8:30~17:15(各都道府県警察本部で異なる)
  • 土日・祝日・時間外→24時間体制の一部の県警を除き、当直や音声案内で対応。

*通話料が必要。

「#に9を付けて110番」=「#9110」

 

解決事例

事例1:10代女性「下校途中に見知らぬ男にいつも見つめられて、不安を感じる」

《警察の対応》

  • 相談者に防犯ブザーを貸与。
  • 相談者の自宅付近や通学路の徹底的な警戒活動を実施。
  • 類似する男を発見、迷惑防止条例違反の被疑者として検挙。

→昔のように、好きな子の後ろを付いていくと検挙される可能性があるのでやめましょう・・・

 

事例2:70代女性「孫をかたる男から家に来るという電話がかかってきたが、本当の孫の声ではなかった」

《警察の対応》

  • オレオレ詐欺の電話と認め、相談者の協力を得て「騙されたふり作戦」を実施。
  • 相談者の自宅付近をうろついている男らを発見。職務質問により「受け子」と判明。
  • 詐欺未遂罪で検挙。

 

事例3:女性20代「夫から暴力を受けたので助けて欲しい」

《警察の対応》

  • 事情聴取をおこない、相談者の生命または身体に危害が及ぶおそれがあると認められた。
  • 女性相談所と連携し、相談者を民間シェルターに避難させ安全を確保。
  • 相談者の夫を傷害罪で検挙。

このように、ストーカー被害・オレオレ詐欺・DV被害などその他さまざまな相談に対応しており、事件が起こる前に対処できる場合もあります。

dadaworks / Pixabay

 

そもそも、各種相談ホットラインが準備されている!

「#9110」へダイヤルすれば、「関係機関へ引き継ぎや紹介がなされる場合がある」とお伝えしましたが、さまざまなホットラインがすでに用意されています。

  1. 犯罪被害者ホットライン
  2. 性犯罪被害者相談電話(全国共通電話)
  3. ヤング・テレホン・コーナー
  4. 行方不明者相談
  5. 暴力ホットライン
  6. 鈍器薬物ホットライン→「拳銃をみた!」などもこちら

あなたは、いくつご存じでしたか?

これらのホットラインに直接電話することもできますが、正直どれに当たるか分からないこともあるでしょう。

そんな時は、「#9110」は総合案内の役割もあるため、こちらに相談することをオススメします。

 

最後に

「#9110」は、1989年から運用が開始されています。そして、警視庁は、「#9110」にちなんで1999年に9月11日を「警察相談の日」と定めました。

生活上の安全に関する、不安や悩みなどを警察に相談できるダイヤルとなっています。

ちなみに、警察に対する意見・要望・苦情に関しても受け付けられています。

次回は、救急にもある相談ダイヤル「#7119」についてご紹介します。


参考

警視庁
https://www.keishicho.metro.tokyo.jp/sodan/madoguchi/sogo.html

政府広報オンライン
https://www.gov-online.go.jp/useful/article/201309/3.html

つなぐCOOP SAPPORO
https://www.coopsapporo-cs.jp/premium_service/detail/437

大阪府警察
https://www.police.pref.osaka.lg.jp/sodan/sodan/4523.html

 

 

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