パワハラがついに法整備へ! 「改正労働施策総合推進法」で日本は変わる?

 

皆さんは、「職場のパワハラ(パワーハラスメント)」と聞いて、なにを思い浮かべますか?

現在、パワハラの意味がひろがりすぎて嫌われてしまえば、まともにコミュニケーションすら難しくなるような状況になっているように感じたことはありませんか?

というのも、不快に感じるかどうかは相手次第。

仮に、嫌っている人からなにをされても気持ちがいいものではありません。=パワハラになるかも・・・

パワハラの難しい所は、同じ行動をしても相手によってどう捉えられるかが分からない点ですよね。

さて、そんなパワハラについて厚生労働省が10月21日にパワハラ行為の定義とその具体例などを盛り込んだ思案の素案を、労働政策審議会の分科会にて示されました。

今回は、「改正労働施策総合推進法」についてご紹介します。

 

「パワハラ」の定義ってそもそもなに?

厚生労働省では、「同じ職場で働く者に対して、職務上の地位や人間関係などの職場内の優位性を背景に業務の適正な範囲を超えて、精神的・身体的苦痛を与えるまたは職場環境を悪化させる行為」と、厚生労働省では定義づけられています。

つまり、職権やグループ内の立場を利用して、業務外のことで「相手に苦痛を与える」ことや「職場環境を悪化」をさせてはいけないということです。

もちろん、業務上必要な指示や注意・指導がおこなわれている場合は該当しません。

あくまでも、業務の適正な範囲を超える行為がパワハラに該当します。

それでは、パワハラにはどんな物があるのでしょうか?

 

パワハラの種類

  1. 身体的な攻撃→暴行・傷害
  2. 精神的な攻撃→脅迫・名誉毀損・侮辱・ひどい暴言
  3. 人間からの切り離し→隔離・仲間外し・無視
  4. 過大な要求→業務上明らかに不要なことや遂行不可能なことの強制、仕事の妨害
  5. 過少な要求→業務上の合理性なく、能力や経験とかけ離れた程度の低い仕事を命じたり仕事を与えない。
  6. 個の侵害→私的なことに過度に立ち入ること。

これらは、あくまでパワハラの典型例として6分類されたに過ぎません。


当然、こういった内容がすべてのパワハラを網羅しているわけではありません。

とはいえ、働いていれば誰もが何度も経験しているような内容ばかりではないでしょうか。

さて、このパワハラに関して2018年に新たに制定されたのが「労働施策総合推進法」。パワハラ防止法なんて呼ばれています。

この労働施策総合推進法が2019年6月5に改正され、パワーハラスメント対策の法制化がおこなわれました。

 

改正労働施策総合推進法

改正により、パワハラについて大きく変わったことがあります。

それは、職場におけるパワハラの防止が事業主の義務となりました。

とはいえ、パワハラを100%なくすことは不可能ですので、正確には「パワハラに対して適切な措置を講じていない場合、是正指導の対象になる」ということになります。

まるで、学校における虐め対策みたいですね・・・

ただし、施工時期は公布後1年以内の制令で定める日。(中小企業は、公布後3年以内の制令で定める日までの間は、努力義務

つまり、具体的な内容については今後の指針で示されていくことになります。

 

具体的に「雇用管理上の措置」ってなにをすればいいの?

  • 事業主によるパワハラ防止の社内方針の明確化と周知・啓発
  • 苦情などに対する相談体制の整備
  • 被害を受けた労働者へのケアや再発防止

など、こういった対策を取らなくてはいけません。

また、セクハラ等の防止に関する国・事業主・労働者の責務が明確化されています。


そもそも、これまでなかったことのほうがおかしかったっとも思いますが、本来労働者は法律で手厚く守られているため、知識があればいつでも労働基準監督署などに相談にいくことができる体制はすでに整えられています。

ですが、こういった制度を多くの労働者に有効に活用されることなく現在にいたります。

まずは、労働者の権利について調べてみてはいかがでしょうか。

 

最後に

繰り返しになりますが、そもそも労働者の権利は手厚く守られています。

本来、労働者は何かあれば相談機関に訴え出ることができますが、「知識がない・勇気がない・仕事を辞めないといけない」そんな不安がよぎります。

実際、会社が潰れてしまえば自分が困りますよね。他のひとに恨まれるかもしれません。

ブラック企業が後を絶たないのも、どんな労働環境でも労働者が集まってしまうからです。

どんなに法整備をしても、そもそも被害を訴えなければなにも変わりません。

例えば、学校の虐め対策はどんなに対策をこうじても、一見ないように見せることはできても、なくすことはできませんよね。

まずは、労働者が知識をつけて賢くなるしかないでしょう。


参考

厚生労働省:職場のパワーハラスメントについて
https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r9852000002d1om-att/2r9852000002d1q3.pdf

社会保険労務士法人 ハーモニー
https://www.sr-harmony.jp/article/16137606.html

 

 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です