女性の社会進出が当たり前になったとはいえ、まだまだ問題がたくさんあります。
今回は、共働きの増加や非正規雇用の現状をお伝えしながら、今後も国策として広がり続ける「女性の社会進出」について紹介します。
最後に、私の意見も少し載せておきます。
夫婦共働きは本当に増加しているの?
「労働政策研究・研修機構」の統計から、専業主婦と共働き世帯は1980~2017年の37年間でほぼ逆転しています。
1980年では、専業主婦世帯:1,114万世帯 夫婦共働き世帯:614万世帯
2017年では、専業主婦世帯:641万世帯 夫婦共働き世帯:1,188万世帯
多少の増減はありますが、現在も共働き世帯は増加しています。
5年ごとに区切ってグラフにすると図1のグラフになります。(2017年は、最新で付けています)
図1 専業主婦世帯と共働き世帯の割合
図1のグラフから見ても分るように、共働き世帯がどんどん増加していることが分かります。
ちなみに、専業主婦世帯と共働き世帯が始めて逆転したのは1992年でした。
その後、増減はありましたが1997年以降は、毎年共働き世帯の方が多くなり2017年からはずっと逆転しています。
正社員の給料
転職サイトdodaより(2017年9月~2018年8月)
~年代別の男女別正社員の平均年収~
- 20代→男性:367万円 女性:319万円 →男女比:48万円差
- 30代→男性:487万円 女性:382万円 →男女比:105万円差
- 40代→男性:583万円 女性:413万円 →男女比:170万円差
- 50代→男性:690万円 女性:442万円 →男女比:248万円差
- 20代から働くとして、給料のスタート地点がすでに男女差だけで50万円近くあります。
- 男性は10年で100万円以上給料が上がりますが、女性はなぜか10年で約60万円しか上がりません。
これは、あくまで正社員の給与です。
そして、これは2017年~2018年という最近の集計結果です。
そもそも正規雇用と非正規雇用の割合は?
厚生労働省が発表している統計を図2にしてみました。
*不正調査の関係で正確性は微妙ですが、厚生労働省が発表している非正規雇用数の発表を紹介します。
図2 正規雇用と非正規雇用の割合
赤線が非正規雇用労働者の数です。
10年で青棒の正規雇用労働者の人数に少しずつ近づいていることが分かります。
具体的な数字を示すと、2017年では正規労働者:3,423万人 非正規労働者:2,036万人です。
*非正規雇用が少しずつ増加しています。
*正規雇用は、2015年から8年ぶりに増加。(3年連続で増加中)
*2017年の非正規雇用労働者の割合は、全労働者の37.4%になります。
非正規雇用労働者別の割合は?
「非正規雇用労働者」と一言でいっても、就業形態はさまざまです。
- パート
- アルバイト
- 派遣社員
- 契約社員
- 委託
- その他
2017年の非正規雇別割合は図3。
図3 非正規雇用別割合
図3を見れば分かるように、非正規雇用は半数近くが「パート」。
2番目に多い非正規雇用形態は、「アルバイト」ですが20%しかありません。
「派遣」や「契約」はよく聞くようになったと思っていましたが、合わせても20%ほどしかありません。
年齢別の非正規雇用労働者の区分は?
図4 年齢別の非正規雇用形態
図4から・・・
- 棒グラフの15歳~24歳で非正規雇用は学生のアルバイトなど非正規雇用は当たり前だといえるでしょう。
- 25歳~34歳の非正規雇用は減少しているので、正規労働者として働く人が増えていることが分かります。
- ただ、その他の35歳~44歳以外の年齢区分以外は、急激に非正規雇用が増加しています。
- 特に、65歳以上の非正規雇用労働者の人数が異常に増加しています。
このまま増加すれば、正規雇用労働者と非正規雇用労働者が共働き世帯のように逆転するかもしれません。
このように、非正規雇用が増え続けています。
ですが、国策としておこなわれている女性の社会進出は少しずつ保証され、広がっています。
女性を取り巻く環境は大きく変わってきている!?
厚生労働省が「子育てサポート企業」としての基準を満たした企業には、「くるみん認定」という国家認定を与えています。
この認定は、男性の育児休業も支援の対象になっています。
「くるみん認定」については、こちらの記事で紹介しています。
最後に、マンパワーグループが2018年に実施した現在の会社に正社員として1年以上勤務している20代~50代の産後の復帰状況について、400人を対象にした調査結果を紹介します。
①8割以上の女性が正社員として結婚後も働いている。
→結婚前から務めている会社で働いている女性:77.3% 転職して働いている:6.4%
②出産後、職場復帰した女性は全体の約7割。
~復帰できた理由~
- 会社や同僚のサポート
- 保育園に入るまで育休がとれた。
- これまでも育休後、復帰しているので社員達の理解がある。
- 会社に託児所が併設。
- 残業なし。
- 夫が保育園の送り迎えをしてくれた。
~退職した理由~
- 出産したら「辞めなくてはいけない」雰囲気があった。
- 勤務時間が長く、休みがとりにくい。
- 出産や子育てに協力を得にくい職場環境。
- シフト制の勤務で役職もあり時間の融通が利かなかった。
といった理由が挙げられていました。
つまり、会社の体制がどれだけ整っているかどうかで出産後の状況が大きく変わります。
そして、今後も女性の活躍の場は広がっていくことが予想されます。
将来、結婚することも考えて「くるみんマーク」の認定を受けている企業から就職先を選ぶことも企業選考の参考になるかもしれませんね。
そして、女性の社会進出が今後も進むなら(国策としておこなっているので間違いなく進みますが)男女間での給料の差は人権問題にならないのか?
これからは、こういったことも改善されていくでしょう。
まとめ
- 専業主婦世帯と夫婦共働き世帯は逆転し、差が開き続けている。
- 非正規雇用の労働者は、全体の労働者のうち37.4%。(現在も増え続けている)
- 「子育てサポート企業」として、対象の優良企業には厚生労働大臣から「くるみんマーク」の認定がおこなわれている。
パパ目線
そもそも「女性の社会進出ってなに?」という話しを妻とよくします。
そして、「選択できる社会にならないの?」という疑問がいつもわいてきます。
『「専業主夫」「専業主婦」「夫婦共働き」どれを選んでもいい社会(生活できる社会)にはできないの?』と考えてしまいます。
制度以前に、意識改革から始める必要があるため長い年月かかることは理解していますが・・・
実際、男である私からみても職場のマイナスな雰囲気はよく知っています。
女性の社会進出が整うことで、全ての労働者にとって少しでも働きやすい職場になるといいですがまだまだ道のりは遠いようです。
参考
厚生労働省
→https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kodomo/shokuba_kosodate/kurumin/index.html
Manpower Group
→https://www.manpowergroup.jp/client/jinji/surveydata/180917.html
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