2019年1月7日から「出国税」なるものが始まりました。

簡単にいえば、日本から出国する人に対して発生する税金です。

今回は、出国税ついて紹介します。

 

出国税ってなに?

正式名称は、「国際観光旅客税」と言われます。

Capri23auto / Pixabay

国際観光というだけあって、「観光先進国の実現に向けた観光基盤の拡充・強化を図るための恒久的な財源を確保するため」に創設されました。

*「出国」ですので、飛行機だけでなく船舶を利用して海外へ渡航する場合ももちろん税金がかかります。

どんな負担が始まったの?

例えば、飛行機のチケット代金に上乗せする等の方法で、あなたは知らないあいだに支払っていることになります。

費用は、出国1回につき1,000円が税金としてかかります。

出国税が発生しない(非課税)場合は?

  1. 船舶また航空機の乗員
  2. 強制退去者等
  3. 公用船または公用機(政府専用機など)で出国する者。
  4. 乗継旅客(24時間以内に出国する者)
  5. 外国間を航行中に、天候その他の理由により本邦に緊急着陸等をした者。
  6. 本邦から出国したが、天候その他の理由により本邦に帰ってきた者。
  7. 2歳未満の者。

*本邦に派遣された外交官等の一定の出国については、本税はかからない。

つまり、出国税とは日本から出国しようとする一般市民に対して、緊急事態がない限り2歳以上であるなら全てのひとにかかる税金となります。

当然、プライベートジェットを持っている方も日本から出国すれば、公用機ではないので税金が発生します。

 

すでにこんな問題が・・・

外国人誘致のための税金のはずが・・・

海外出張の場合も日本から出国するたびに毎回1,000円の出国税がかかるので、日本と海外を往復する人ほど負担が増してしまいます。

旅行者だけでなく、ビジネスマンからも徴収するため混乱が広がっていきそうです。

外国人旅行者からは・・・

「外国人にきて欲しいのに、私たちからなぜ取るのか?」とすでに不満がでています。

ただ、外国人のためになる税金なので個人的には当然かなと思います。

以前の記事で「観光公害」についての記事を紹介しています。

押し寄せる観光客 ~マナーの悪さが公害レベルになった観光公害~

日本人からも税金を徴収・・・

出国税は、27年ぶりの新税となります。

私たちからすれば、新たな負担が増えてしまいました。

特に、外国人旅行客が去った後処理をしている人達(観光名所やその周辺の地域の住民達など)からもさらにお金を徴収するため、不平等感が半端ないです。

外国人が去った後の掃除や整備に追われ、やっと自分たちが海外にいこうとすれば、今度はその外国人旅行者のために税金を支払うことになります。

→「国内旅行にしよう」とする人が増えるかもしれませんね・・・

これも一つの狙い?

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国の収益が大きく期待できる!?

この出国税ですが、現状の状態が続けばかなりの収益が見込めます。

2018年11月の訪日外国人旅行客は、2017年の11月(237万8千人)を上回り245万1千人と同月としては過去最高になりました。

また、出国日本人数は2018年11月で1,673,500人となっています。

つまり、2018年11月だけで外国人と日本人の合計出国人数は4,124,500人となります。

この全ての人から1,000円ずつ徴収するため毎月40億円以上の税収が見込めることになります。

さらに、今後オリンピックも控えており訪日外国人はさらに増えると見越されています。まさに世界中からお金が入ってくることになります。

少なくとも、今の状態が維持できれば出国税だけで年間480億円もの増収を見込めます。しかも、そのうち200億円以上は外国人からの収入になるので画期的といえば画期的かもしれませんね・・・

1,000円という設定も絶妙です。

旅行回数・人数が増えれば大変ですが、個人で払ってもいいレベル?

 

財源はなにに使われるの?

まず、ポイントしては・・・

①「恒久的な財源を確保」とあります。

つまり、基本的に廃止されることはなく永久的に続く税金だということです。

②観光基板の拡充・強化のためとあります。
  • ストレスフリーで快適に旅行できる観光の整備
  • 日本の多様な魅力に関する情報入手の容易化
  • 地域固有の文化、自然等を活用した観光資源の整備等

この3つの分野に活用されるとしています。

 

こんな場合は出国税はどうなるの?~Q&A~

①貨物船や貨物機にもかかるの?
物の運送とともに、観光旅客その他の者を運送している場合には出国税がかかります。

②遠洋漁業者は、のように公海や外国の領海に向けて出国する者は該当するか?
出国の確認を受けて海外へ出国する者は課税対象になります。ですが、遠洋漁業者は入管法の規定による出国の確認を受けずに出国するため該当しません。

③例えばクルーズ船により:「日本のA港から出国→外国の港に寄港→再び日本のB港に寄港して出国」この場合、課税は1回だけ?
同一の者が2回出国する場合は、その出国ごとに1,000円が課税されます。この場合は、2回日本から出国しているため出国税として2,000円が課税されます。

④楽器用の座席スペースなど、1人で2席分の航空券を購入した場合は2人分課税される?
1人に対してかかる税金なので、席の予約数とは関係ありません。この場合は、一人分が課税されます。

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まとめ

  • 出国税は、一般市民のなかでは2歳以上の者が日本から出国する場合、全ての人が課税対象になる。
  • 1回につき1,000円課税される。
  • 現在の出入国数を維持できれば、毎月40億円以上の増収が見込める。
  • ビジネスマンにまで課税対象になるなど、不平等感が高まれば今後改正されるかもしれない。

参考

国税庁:国際観光旅客税について
https://www.nta.go.jp/publication/pamph/kansetsu/kanko/index.htm

日本政府観光局
https://www.jnto.go.jp/jpn/statistics/data_info_listing/pdf/181219_monthly.pdf

国際観光旅客税に関するQ&A
http://www.nta.go.jp/publication/pamph/kansetsu/kanko/pdf/01.pdf

livedoor NEWS
http://news.livedoor.com/article/detail/15835847/

 

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