チャイルドシートの安全新基準「R129」とは? 

 

この記事では、チャイルドシートの新旧基準の違いについてお伝えしています。

 

子どもが産まれる前から準備しておかないといけない物はたくさんありますよね。

その中の1つに、チャイルドシートがあります。

ニュースなどで、「車離れ」が取り上げられることがありますが、今回のような緊急事態には特に必要になってくるのではないでしょうか?

さて、赤ちゃんを車に乗せるときに必須となるチャイルドシートですが、実は新基準ができています。

今回は、「新基準で安全性が向上した?」についてご紹介します。

 

そもそもチャイルドシートは義務!

チャイルドシートの新基準について紹介する前に、法律について簡単に紹介しておきます。

道路交通法第71条の3第3項

 自動車の運転者は、幼児用補助装置(幼児を乗車させる際座席ベルトに代わる機能を果たさせるため座席に固定して用いる補助装置であつて、道路運送車両法第三章及びこれに基づく命令の規定に適合し、かつ、幼児の発育の程度に応じた形状を有するものをいう。以下この項において同じ。)を使用しない幼児を乗車させて自動車を運転してはならない。ただし、疾病のため幼児用補助装置を使用させることが療養上適当でない幼児を乗車させるとき、その他政令で定めるやむを得ない理由があるときは、この限りでない。

このように、「やむを得ない理由」がない限り、幼児を幼児用補助装置に乗車させないことはそもそも道路交通法違反になります。

そして、幼児用補助装置とは「チャイルドシート」のことをいいます。

ちなみに、道路交通法で幼児は「6歳未満の者」と規定されています。

そして、気になる罰則は・・・

運転手に対して交通違反点数1点(罰則・罰金などはない)

運転するたびに違反点数をとられては、運転できないですよね・・・

そのため、「幼児を車に乗せるならチャイルドシートは必須!」と言うことをまずは理解しておかなければなりません。

それでは、チャイルドシートの新基準について見ていきましょう。

 

チャイルドシートは国土交通省が審査!

さて、そもそもチャイルドシートの着用は2000年4月1日に道路交通法が改正されて義務づけられることになりました。

そのため、私が子どもの頃はありませんでした。

それこそ、「運転する父親」・「助手席に座る母親が子どもを抱っこ」なんて風景が当たり前だったのではないでしょうか?

警察庁によれば、チャイルドシート不使用者の致死率は適正使用者の約11.1倍と報告されています。

  • 適正使用:0.04%
  • 不使用:0.43%

そもそもの分母がかなり少ないですが、チャイルドシートを適切に使用することで致死率が大幅に下がることがわかります。


さて、そんなチャイルドシートは国土交通省がその安全性を厳しく審査し、「型式指定」がおこなわれています。

例えば、日本の場合なら2012年7月から国連欧州経済委員会が定めるUN(ECE)基準を採用しています。

2020年の時点で、「ECE R44」と「ECE R129」のいずれかの安全基準を満たしたチャイルドシートだけが日本での新規販売を許可されています。

→2012年7月以降、新しい基準で認可を受けたものしか販売できなくなった。(基準をクリアしたチャイルドシートは「Eマーク」が目印)

 

「R44」と「R129」の安全基準

さて、「R44」は、体重10kgくらいまで後ろ向きで使用することが必要でした。ですが、新基準のR129では体重ではなく身長に変更されました。

具体的には、後ろ向きで使う目安は生後15か月で身長が76cmまでとされていて、生後15か月を過ぎても身長76cmを超えてない場合は前向き使用厳禁となります。

このように、R129基準は「できるだけ長い間後ろ向きで使うこと」を推奨しています。

つまり、R44は「旧基準」ということになりますが、違反にはならないためそのまま使い続けても問題ありません。

 

「R44」と「R129」の違いは?

  • 子どもの身長で選択・・・従来は体重だったが個人差が大きい。
  • 後向き装着は生後15ヶ月になるまで・・・従来は、「子どもが1歳ぐらいまでは後向き」とされていた。
  • 側面衝突試験の追加・・・従来は、「前方または後方からの衝突試験」が一般的。
  • ISOFIX(アイソフィックス)タイプのみ・・・ベルトで固定するタイプはない。

これが、R129の新基準となっています。

このように、安全基準が向上した基準が「R129」です。

R129について詳しくは、こちらの国土交通省のHPで確認することができます。

 

最後に

チャイルドシートは、これからも新基準が適用されて安全性は向上されていくでしょう。

ただ、どんなに安全性が向上しても例えば、「ベルトの締め付けが緩い」「助手席に設置する」など、誤使用をしてしまうとかえって危険です。

国土交通省では、チャイルドシートの誤使用は、死亡重傷率は適正な使用者の約6.0倍と発表されている。

さらに言えば、本来なら基準に適合していないチャイルドシートは日本では販売できにも関わらず、「未承認チャイルドシート」がネットでは販売されていることがあることも指摘されています。

そのため、せっかく準備したチャイルドシートの「安全基準」や「適正使用」を確認してから使用するようにして下さいね。

 

「チャイルドシートの誤使用」については、こちらの記事で紹介しています。

チャイルドシートは正しく設置はできていますか?実は、多くの人が失敗・・・

 

 

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