「居眠り運転」は前方不注意の1つ! 事故件数の約半数の原因・・・!?

 

皆さんは、高速道路を利用しますか?

私はコロナの影響でしばらく走っていませんが、それまでは毎月のように奥様の実家へ帰省するために高速道路を利用していました。

さて、高速道路を走っていると時々、事故者が路肩に停車されているところを見ることがあります。

今回は、そんな高速道路で引き起こされる事故の中でも、「前方不注意に関係する事故」ついてご紹介します。

 

「前方不注意」ってそもそも多いの?

そもそも、高速道路本線では年間1万件を超える事故が発生しています。

その中でも、前方不注意は全事故のほぼ半数を占めています。さらに言えば、死亡事故では約4割を占めています。

つまり、高速道路で「前方不注意による事故は最も多く、命に関わる重大な事故になる違反」となります。

それでは、100km以上のスピードが出ている高速道路で、なぜ前方不注意が多発しているのでしょうか?

 

高速道路での前方不注意の原因は?

そもそも、前方不注意に限らず交通事故のほとんどは「ヒューマンエラーが原因」と言われています。

例えば、「コンビニに自動車が突っ込んだ!」と報道が流れることがありますが、ブレーキとアクセルを間違えたまさにヒューマンエラーの代表例だといえるでしょう。

それでは、前方不注意によるヒューマンエラーはどういったものがあるのでしょうか?

 

前方不注意によるヒューマンエラー?

実は、前方不注意の最大の原因は「居眠り運転」だと言われています。

本来、車を操作する人が居眠りしているわけですから、ヒューマンエラーというか運転放棄している状態ですよね・・・

そんな居眠り運転は、以前から問題になっていました。

平成26年度に公益財団法人高速道路調査会が「高速道路での居眠り運転防止に向けた効果的な対策に関する調査研究」を発表しています。

  • 警察発表の居眠り事故:全事故の1%
  •     〃     :死亡事故の3%

この研究報告では、日本における居眠り事故の実態は「不明」となっていますが、現状から約2割程度の可能性が示唆されています。

それではなぜ居眠り事故が危険なのでしょうか?

 

「居眠り事故」が危険な理由は誰でも分かる・・・

この研究報告でも指摘されていますが、一般道路でも危険ですが高速道路では100km以上が出ていることが当たり前です。

そんな車が危険を回避しようすることもなく、そのまま衝突してくるわけですから被害が大きく、高速道路における死亡重症率は他要因の約4倍以上です。

 

交通事故総合分析センター(2009年~2013年データ)より

高速道路

  • 居眠り運転→死亡重症:33%・人身(死亡重症除く):67%
  • 他要因  →死亡重症:7%  ・人身(死亡重症除く):93%

 

一般道

  • 居眠り運転→死亡重症:20%・人身(死亡重症除く):80%
  • 他要因  →死亡重症:6%  ・人身(死亡重症除く):94%

少し古いデータですが、このように「居眠り運転による事故の多発」と「その現状」が、以前から問題視されていました。

それでは、自動ブレーキなどの安全装置が取付けられた車が増えたことで、令和元年の高速道路での居眠り運転は減少しているのでしょうか?

 

全体的には減少してきている!

令和2年2月18日に警察庁が発表した「令和元年中の交通事故の発生状況」より。

ちなみに、居眠り運転だけの項目はなく、これは「前方不注意」の1つに含まれます。

さて、高速道路におけるそんな前方不注意による交通事故件数は2010年~2019年までの10年間の推移は図1のようになっています。

図1より、2014年以降は前方不注意による交通事故の件数は5,000件をきり、2016年以降は4,000件をきるようになりました。

そして、2019年は3,304件となっており、近い将来2,000件台まで減少することが予想できます。

とはいえ、2019年時点でも高速道路における法令違反の約半数を前方不注意が占めていることには変わりがないため、今後も注意が必要なことは言うまでもありません。

ちなみに、2019年度で2番目に高速道路で多い法令違反は「動静不注視」:1,659件でした。

→「制動不注視」とは、相手車両の存在をあらかじめ認識をしていたものの、いまだそれが事故に結びつく具体的な危険はないものと判断して、相手車両の動静の注視を怠った結果、事故にいたったような場合のことをいいます。

それでは、居眠り運転はなぜ引き起こされてしまうのでしょうか?

 

居眠り運転は回避しないと・・・

「居眠り運転をしよう」と思ってする人は、いませんよね・・・

なにより、重たい「罰則」があります。

 

居眠り運転の罰則?

居眠り運転により事故を起こせば、当然処罰の対象になります。ただし、道路交通法上は居眠り運転の直接の規定はありません。

そもそも、居眠り運転をしていたかどうかは、基本的に運転者本人または同乗者にしか分からないという難点がありますよね。

さて、そんな居眠り運転は道路交通法上、居眠り状況によって大きく2つに分けられます。

 

安全運転義務違反

第七十条 車両等の運転者は、当該車両等のハンドル、ブレーキその他の装置を確実に操作し、かつ、道路、交通及び当該車両等の状況に応じ、他人に危害を及ぼさないような速度と方法で運転しなければならない。

つまり、居眠り運転はこの「安全運転義務違反」に当たるため・・・

  • 違反点数 2点
  • 反則金 9,000(普通車)
  • 罰則 3ヵ月以下の懲役または5万円以下の罰金

となります。

もしも、この居眠り運転が「超過労働などにより正常な運転ができない状態だった!」と認められると状況が大きく変わります。

 

過労運転

第六十六条 何人も、前条第一項に規定する場合のほか、過労、病気、薬物の影響その他の理由により、正常な運転ができないおそれがある状態で車両等を運転してはならない。

つまり、「過労運転等の禁止」に当たることになります。

この場合、同じ居眠り運転でも罰則がかなり厳しくなります。

  • 違反点数 25点
  • 行政処分 免許取り消し
  • 罰則 3年以下の懲役または50万円以下の罰金

それでは、居眠り運転にはどういった対策が効果的なのでしょうか?

 

居眠り運転は対策できるの?

居眠り運転も確かにヒューマンエラーと言えなくもないですが、踏み間違いなどではなくそもそも「操作ができない状態」ですよね。

ある意味、究極のヒューマンエラーと言えるかもしれません。

そんな居眠り運転の原因のほとんどは、「疲労」「睡眠不足」であることが分かっています。

つまり、こういった時は運転しないことが確実に防げる手段になりますが、現実的ではないですよね。そのため、できる限り眠気を起こさせない対策をしていくしかありません。

基本的には、「疲れを感じる前に休憩をとる」。これが大前提です。

「2時間に1回は休憩が必要」と言われますが、運転を続けていくと自分がどれくらいで疲れるか分かってくるため、そのリズムに合わせた方がいいでしょう。

JAFでは、このような注意喚起がなされています。

 

乗車前に気をつけることは?

  • 運転前に眠気を催す成分の入った薬の服用はしない。
  • 昼食をとった後の午後1時~3時の間は眠気が強くなるため注意が必要。

 

乗車中にできることは?

  • 歯ごたえがあり、長時間噛める「ガム」や「昆布」を噛む(脳の血管が拡張し血行がよくなる)

 

休憩中にできることは?

  • 新鮮な空気を肺に送る
  • 軽い運動(血液の循環を促す)
  • 糖分の多い飲み物を飲む(脳は、血糖値が下がることで疲労を感じるため)

→当分の吸収をサポートするビタミンB1(豚肉・キノコ類・ゴマ・ナッツなど)を多く含む食品を一緒に食べると効果的です。

 

その他

仮眠を取ることは効果的とも言えますが、むしろ危険な状態になることがあります。

  • 脳は覚醒したつもりでも、体が遅れて眠りを要求し始めるため、走り出しからさらに強い眠気に襲われる危険がある。

長距離運転などの事故では、「寝起き後の居眠り事故」が多い。

*寝起き後は、車から降りるなどして体を動かすことで脳と体の両方を動かす必要がある。

とはいえ、運転を続けていく中で自分の運転ペースを見つけていく必要があります。

ちなみに、栄養ドリンクは体力の前借りでしかないため、次の日はしっかり休むようにしないと危険です。

 

最後に

「居眠り運転をする」ということは、自分の状態が把握しきれていない場合や時間などに追われ無理をしてしまった結果です。

最近では、パナソニック オートモーティブ&インダストリアルシステムズ社が、「運転者の眠気を検知・予測し、眠くなりにくい覚醒状態を維持するAIによる眠気制御技術を開発した」という発表もありました。

これまでは、個人の努力で行われていた眠気対策も、今後はAIが支援してくれる時代になっていきます。

そもそも、完全自動運転が実現できれば居眠り運転の問題も解消されることになるでしょう。ただ、それまでは私達自身が運転技術を磨いていかなくてはいけません。

くれぐれも、無理な運転はしないようにご注意下さい。

 

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