美術館や博物館での基本ルール! 厳しいルールはあなたも守っている!?

 

子育てをしていると、「将来のために博物館や美術館で本物を見せたい!」なんて考える人もいらっしゃると思います。

ただ、博物館などへ行くと必ずといっていいほど「飲食禁止」など禁止事項書かれています。もちろんガムもダメだったりします。

とはいえ、子どもになぜだめのか説明できるでしょうか?

今回は、「美術館や博物館などの禁止事項の理由とは?」についてご紹介します。

 

必要最低限の世界共通マナー

美術館や博物館での禁止事項がある理由

  1. 作品を守る!
  2. 周囲に迷惑をかけない!

これが、マナーの2大原則です。ただ、知らないとやってしまいがちなマナー違反があります。

 

作品を守るためのルール

さて、展示されている作品は当然ながらあなたの物ではありません。作った人に著作権がありますよね。そして、展示する側には展示品を守るための責任があるため、絶対に傷つけたり壊したりといったことがあってはなりません。

それでは、さまざまな禁止事項は「作品を守るためにどんな理由があるのか?」見ていきましょう!

 

傘や大きな荷物を落ち込まない

例えば、館内に雨水や汚れが入り込み、作品が損傷してしまう可能性があります。

ただ、濡れていない傘であったとしても、作品に接触してしまう危険性があります。同じ理由で大きな荷物も持ち込んではいけません。

 

食べない・飲まない

指定されている以外の場所で飲食はガムであっても禁止です。

これは、植物と動物を館内に入れてはいけない理由と同じです。展示品にとって、「虫」は文化財を食べたり汚してしまうため大敵!

「飲みこぼしの1滴が虫を呼び寄せてしまう」と、分かりやすい館内案内として話題になっているほどです。

*盲導犬・介助犬・聴導犬は例外の場合があります。

*突然の体調不良などで、水分が欲しい時などは係の人に相談すれば対応してもらえます。

 

展示品には触れない

手を触れることで、劣化・破損の危険性があります。というのも、触ったときは分からなくても時間の経過とともに汗や皮脂などがシミとなって浮かび上がります。

シミや汚れはカビの原因となるため「虫」が寄ってきます。

ちなみに、ガラスケースに収められている場合であっても、そのガラスケースが丈夫ではない場合もあります。

 

鉛筆以外は使用不可

あまり知られていないと思いますが、万年筆やボールペンはインクが飛び散る可能性があるためです。

ちなみに、インクは展示品につくとなかなか落ちず、またシミを落とすための修復作業時にも文化財は傷みます。

*シャーペンも、芯がが飛び散る危険性があるため避けた方がいいでしょう。

 

写真撮影禁止

許可されている場所以外は、禁止になっていますよね。

これは、「展示品の著作権」や「肖像権保護」のため、カメラ・ビデオ撮影が禁止されています。そして、そもそもカメラのフラッシュに含まれる紫外線は絵画の劣化を促進させてしまいます。

*携帯電話は、写真撮影と勘違いされることから紛らわしいため使用禁止。

stokpic / Pixabay

このように、細かく理由を見ていくと「なぜ禁止されているのか」分かるのではないでしょうか?

そして、スマホで写真を撮るような仕草をするといった紛らわしい行動は控えなければいけません。

さて、ここまでは作品を守るためのルールとして説明しましたが、実はこのルール私達も守ってくれています。

 

展示品の破損 損害の程度によっては賠償責任が発生する!?

一般的に、高価な美術品等には「破損・盗難・喪失」などのリスクに備え、一定の保険がかけられています。ただ、アマチュアの作品等にはそうした補償が備わっていないこともあります。

神社仏閣は、観光客のイタズラ書きなどさまざまな問題が顕在化していますが、参拝者のマナーに委ねられていることもあります。

実際に、こんな海外の事例があります。

 

海外の事例

事例1)アメリカのロサンゼルスで自撮りしようとした女性が転倒!

展覧会に訪れた女子学生が、展示された王冠を頭の位置になるように自撮り棒で撮影しようとしたとき、バランスを崩して転倒してしまいました。

美術品の代が縦1列に設置されていたのですが、その代を倒してしまいドミノ倒しで後方の代も倒れてしまいました。

美術品は破損:約20万ドル(約2,000万円)

今回の事例では、女子学生は訴えられることはありませんでしたが日本で同じようなことがあれば、やはり訴えられていてもおかしくありません。

「自撮り棒で撮影」ということは、女子大生に過失(責任)がありますよね。その展示物が撮影禁止だったかどうかは分かりませんが、無理な姿勢で撮影しようとしたことは明らかですよね。

本来なら・・・

  • 美術品の所有者→作品を壊されたことについて
  • 美術展の経営者→展示の維持が難しくなったことについて

どちらからも損害賠償を請求されていたかもしれません。先程の、約2,000万円という金額はあくまでも美術品のみの金額です。

保険によって美術品の損害がカバーできても、美術品を壊した人が賠償責任を逃れるわけではありません。

 

事例2)ロシアのある美術館で自撮りをしようとした女性グループ!

自撮りをしようとしたところ、展示台が倒れ2つの作品が破損しました。

被害を受けた2つの作品のうち、「フランシスコ・ゴヤの作品は、展示用のフレームと保護ガラスの破損で済みました。

ですが、もう一方の「サルバドール・ダリ作品は、破損したガラスで絵画そのものに傷がついてしまい損傷してしまいました。

→刑事責任はとりえず問われないようです。

 

事例3)台湾の美術展で少年が絵画に穴を開ける!

少年が絵画の前で転倒し、こぶし大の穴をあけてしまいました。問題は、その展示されていた絵ですが、パオロ・ポルポラの「花」という作品でその価値はなんと150万ドル(約1億8000万円)の作品でした。

展示品との距離が近かったことや、ショーケースなどに入れていなかったことが指摘されていますが、少年の過失であることはいうまでもありません。

→家族への損害賠償はなかったようです。

 

《ルールーを教えるのならもってこいの場所!》

例えば、子どもが走り回って、次々と作品を破損していくようなことがあればゾッとします・・・

とはいえ、私も子育てをしていますが、子どもはある程度空気を読むため、そこまで無茶苦茶なことはしないと思います。たぶん・・・

また、ルールを教えるのは早い段階で教えた方がいいため、しっかり手をつなげるようになったら行ってみてもいいかもしれません。

ただ、先程の事例は大人が中心です。子どもばかりではなく、自分の行動も気をつけないといけないでしょう。

Free-Photos / Pixabay

 

最後に

美術館や博物館で「本物」を見ることができます。

ただ、そこには運営側・お客さんそのどちらにも「作品をキレイな状態で維持する」という責任があります。軽率な行動で作品を台無しにしてしまえば、運営側の責任問題にも発展します。

そうなれば、貴重な展示場所がなくなりあなたにも莫大な損害賠償がかかるかもしれません。

  • なぜ、ルールがあるのか。
  • ルールを破ればどうなるのか。

その理由が分かれば、子どもにも真剣にその理由を説明することができます。

子どもに理解させることができれば、外出先として選べるようになります。なにより、観覧料が子ども料金でお得です。

まずは、ルールを確認し、無用な物はできる限り持ち込まないようにして楽しんで下さいね。


参考

沖縄県立博物館・美術館
https://okimu.jp/guide/manner/

九州国立博物館
https://www.kyuhaku.jp/visit/visit_onegai.html

損保ジャパン日本興亜:展示品を破損してしまった時の対処方法とは?
http://japanda-ch.jp/trouble/life/500274.html

CNN travel
https://edition.cnn.com/2018/11/03/europe/russian-women-damage-artwork/index.html

ADVANCE
http://advance-lpc.jp/column/20170807/tips021

 

 

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