ツバメも野鳥! 巣の「撤去」と「保護」は法律違反と隣あわせ!?

 

最後にツバメの巣を見たのはいつ頃でしょうか?

私の身近では、以前のようにツバメの巣を見る機会が減ったように感じています。

実際、家に巣を作られれば糞被害などで困るため、敬遠(けいえん)する方も多いのではないでしょうか?

今回はそんな、「身近なツバメと法律」の関係についてご紹介します。

 

そもそもツバメの巣は勝手に撤去できないの?

皆さんは、ツバメの巣を撤去すると法律に抵触する恐れがあることをご存じでしょうか?

そもそも、ツバメの季節は春~夏にかけての季節ですよね。

そんなツバメは、「野鳥」に分類されます。「野鳥」と言えば、鳥獣保護法(鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律)によってこのように定められています。

鳥類又は哺ほ乳類に属する野生動物

となっています。

ちなみに、飼い猫などは野生ではないため「動物保護法」の対象となります。そんなツバメの巣は、条件によっては法律に触れる場合があります。

 

ツバメの巣の撤去は違法?

例えば、お店をしているとツバメの糞に悩まされることがあるかもしれません。

昔は、ツバメの巣の下に新聞紙を敷いていたり、巣の少し下に木の板をぶら下げたりして、糞対策をしているお店をよく見かけました。

ですが、中には巣を取っ払ってしまう人もいるでしょう。ただ、注意しないと法律に抵触する危険性があります。

鳥獣保護法第8条

鳥獣及び鳥類の卵は、捕獲等又は採取等(採取又は損傷をいう。以下同じ。)をしてはならない。

つまり、撤去する巣に「ヒナ」も「卵」もいなければ撤去しても問題ありませんが、もしも巣の中にヒナや卵があり傷つければ犯罪行為となります。

  • 1年以下の懲役
  • 100万円以下の罰金

違反した場合、このどちらかが科される可能性があります。

→自治体に確認する方が安心。

結論から言ってしまえば、「ツバメはあくまでも自然に委ね、巣を撤去するなら巣作りが完全に終わってから」することが大前提だといえます。

さらに、もう一つ法律に抵触する行為があります。

 

野鳥は勝手に飼育できない!?

そもそも、ツバメのような野鳥を保護しようとする場合、必ず許可を取る必要があります。

各都道府県の鳥獣保護担当部署に相談。

これは、鳥獣保護法により許可なく野鳥を「捕る」ことや、「飼う」ことが禁止されているためです。

  • 1年以下の懲役
  • 100万円以下の罰金

違反した場合、このどちらかが科されることになります。

ちなみに、東京都では愛玩目的の捕獲や飼養も認めていないなど、自治体によっても対応にはバラツキがあるようです。

つまり、保護した野鳥を飼い続けることは法律的に難しいことが分かります。

さらに言えば、「中央環境審議会野生生物部会鳥獣保護管理小委員会(平成23年度第2回)」では、愛玩飼養についてこのように明記されています。

4 愛玩飼養の取扱い
自らの慰楽のために飼養する目的で野生鳥獣を捕獲することについては、密猟を助長するおそれがあることから、原則として許可しないこととする。このため、これまで一部認められてきた愛玩のための飼養を目的とする捕獲等については、今後、廃止を検討する。

それでは、なぜ人間が介入するとダメなのでしょうか?

 

そもそも、ツバメの飼育は難しい!

環境省 自然環境局のホームページを確認すると、ツバメについて詳しく解説されています。

 

ツバメの巣完成~巣立ちまで

ツバメの巣が完成すると、毎日1個ずつ卵を産んでいき平均5個を産みます。つまり、5日間程度で卵が産み終わることになります。

次は、「抱卵」といって卵の上に座って温め始めます。昼も夜もオス・メスどちらも交代で抱卵を行うため、親鳥が巣でじっとしていればすでに卵は産み終わり温めている段階です。

抱卵後、約2週間でヒナが産まれます。

ここから、毎年見る「親がヒナに餌をやるために、何度も巣に餌を持ち帰る作業」の始まりです。

これが、約3週間続きヒナは巣立ちを迎えます。

5日(卵を産む)+14日間(抱卵)+21日間(巣立ち)→平均40日間

そして、親鳥は2回目の繁殖に入ります。


つまり、繁殖が始まれば約3ヶ月間は原則として見守ることになります。

どうしても、糞の被害がひどくて困っている場合などは、「鳥獣による生活環境被害を防止する目的などが認められれば、捕獲や採取に関する許可(多くは都道府県知事または市町村長の許可)が出る場合」があるようです。

どちらにしても、卵やヒナがいる巣を勝手に除去することはやってはいけません。

それでは、仮に親ツバメと同じことをヒナに対して人間がやろうとすればどうなるのでしょうか?

 

もしもツバメを保護したら?

ツバメは、「人工物にしか巣を作らない」といわれるほど、私達の生活と密接な関わりを持っています。そのため、ヒナが巣から落ちている場合も少なからずあるようです。

それではそんな時、もしも子どもが落ちたヒナを保護するために持ち帰ってきたら、どうすればいいのでしょうか?

ツバメの親がしていることは、大きく2つに分けるとヒナが「自分の力で飛べるようになること」「自分で餌を取れること」です。

まず、プロでも難しいですが、素人がツバメのヒナに飛び方を教えることは不可能ですよね。

また、ヒナには毎日100~300回もの餌を与え続けなければいけませんが、餌の種類・大きさ・量など把握することは難しいでしょう。

その結果、そもそもヒナは栄養失調により命を落とすことが多くあります。

さらに言えば、そもそもツバメは渡り鳥ですので成鳥になるまでのわずかな時間に、長距離を飛べるようにならなければ生きていくことができません。


つまり、基本的にツバメを保護した場合、結果的に人間が最後まで面倒を見ることになるでしょう。

→まずは、各都道府県の鳥獣保護担当部署に相談。

地面に落ちているヒナを見つけても原則は、「放置」です。持って帰ることは、さらにヒナの命を縮める行為となるでしょう。

 

保護しようとするのは人間のエゴ!?

そもそも、ツバメの生態について詳しい方はどれだけいるでしょうか?

これは、どの野生動物でも同じことが言えますが、基本的に「野生の生き物は怪我や病気で弱っていても自然のままにしておくこと」が大原則です。

それでは、なぜツバメのヒナは地面に落ちてしまったのでしょうか?

  • 巣立ちの際にうまく飛べずに落ちた
  • 餌に夢中になった
  • ヒナが病気で他のヒナに感染させないために親鳥が間引いた

など、原因はさまざま考えられます。

ただ、そもそも元気に鳴くことができるヒナの場合は、親が近くにいることが多いため、人間が邪魔(警戒)して親は出てこれない状態になっています。

そのため、元気なヒナ鳥を持ち帰ることは親からすればただの「誘拐」でしかありません。


もしも、怪我や元気がなく保護する場合は、各都道府県の鳥獣保護担当部署に相談する必要があります。

当然、病気に感染している場合があるため、素手で触ることは避ける必要があります。

元気がない場合は、体温が下がり衰弱していくためペットボトルに40℃程のお湯を入れタオルに包んでヒナの近くに置きます。

猫などに襲われるか心配であれば、近くの茂みに隠せば親はヒナの声で気付くことができます。

*獣医さんによっては、自費で治療を依頼することもできますが、治療後自然に戻すことになります。

 

最後に

子どもの情操教育に、生き物を飼う家庭もあると思います。

ただ、もしもそれが野鳥などを保護してそのまま許可も取らずに飼育を続けた場合、法律で罰せられる可能性があります。

そもそも、保護する必要のない元気なヒナを連れて帰ってしまえば、次の世代の可能性を経つ行為にしかなりません。

ちなみに、野鳥の会によるとツバメなどの野鳥から、人への鳥インフルエンザの感染例については見つかっていないようです。

ただ、糞など衛生面には気をつける必要があります。

結論としては、野生動物に手を出さない。どうしてものときは、各都道府県の鳥獣保護担当部署に相談する。そして、保護するのであれば許可を取る。

これが、鉄則です。


参考

弁護士ドットコムニュース:「ツバメの巣」を壊したら「鳥獣保護法違反」で罰せられるってホント?
https://www.bengo4.com/c_18/n_3187/

公園文WEB
https://www.midori-hanabunka.jp/fixing?term=qa9

愛知県環境局:弱っている野鳥や鳥獣を見つけたら!?
https://www.pref.aichi.jp/kankyo/sizen-ka/shizen/yasei/kizuhina/yowatteiruyachouyachouzyuuwomituketara.pdf

 

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