管理会社と駐輪場 ~自転車撤去は配慮が基本!~

 

賃貸に住んでいると、様々な出来事が起こります。例えば、小さい子どもと生活していると騒音苦情があったりします。

そのため、管理会社との関わりも大なり小なり発生します。

今回は、私が住む管理会社が現在進行形で実施中の「駐輪場の自転車撤去」についてご紹介します。

 

突然、自転車に撤去予定の札が取付けられていた!

私が住む賃貸の駐輪場は、それほど大きくはないのですが20台ぐらいは止めることができます。

さて、そんな駐輪場に止めてある自転車+原付の全てに「撤去予定」と書かれた札が付けられていました。これが、2020年6月4日の夕方近くの出来事でした。

その後、外に取付けられている郵便受けではなく、普段あまり見ない玄関扉に取付けられている郵便受けに投函されている封書を確認しました。

簡単に言ってしまえば、「6月17日になっても札がついている自転車などは処分する」という内容でした。つまり、封書の日付は6月5日になっているため猶予は12日間しかないことになります。

私が所有しているのは、「原付」と「電動自転車」ですのでそれぞれ10万円以上する代物です。もしも処分されてしまえば、20万円以上の損失になります。

せっかくの10万円給付が吹っ飛ぶ額です・・・

とりあえず、すぐに気付くことができたため札が取付けられていた6月4日には、2枚とも外すことができました。

今回は・・・

  • 札を外していない自転車を管理会社がどんな手続きで処分することになるのか?
  • そもそも、個人の所有物を2週間も猶予を与えずに「札をはずしていない」という理由だけで処分してもいいのか?

について、調べて見ました。

それでは、まずはその後の管理会社が自転車や原付を処分する流れについて見ていきましょう。

 

駐輪場の自転車は悩みの種!

そもそもの話しになりますが、駐輪場の自転車はどこの管理会社からしても「悩みの種」の一つです。

実際、錆びた自転車が放置されていることもあるため、ただでさえ少ないスペースがさらに狭くなりますし、景観もかなり悪くなります。

まさに、苦情の温床となります。

→管理会社を悪く言う意図はありません。むしろ、管理会社には日頃からお世話になっているため、「管理会社の視点」と「入居者の視点」から記事を書くように心がけています。

それでは、管理会社が処分するまでの一般的な流れについて見ていきましょう。

 

入居者の自転車だけが止められているとは限らない!

駐輪場に置いてある自転車であるなら、普通に考えれば「入居者の自転車だ」と普通は考えると思います。ところが、実際は違います。所有者不明の自転車があります。

  • 盗難車
  • 放置自転車(来訪者などが置き忘れた自転車など)
  • 以前住んでいた入居者の自転車

など、必ずしも駐輪場に置いてある自転車が、入居者の自転車とは限りません。さらに、長期間不在にしているマンション居住者もいらっしゃるかもしれません。

そして、仮にボロボロの放置自転車であっても、所有者はその持ち主であるため勝手に処分すると思わぬトラブルに巻き込まれる可能性があります。

そのため、管理会社としては様々な準備が必要となります。

 

管理会社の手順?

そもそも、放置自転車等の撤去・移動については、条例を制定している自治体が数多くあります。

ですが、マンション敷地内は私有地ですよね。そのため、残念ながら条例は適用されません。そのため、基本的に管理会社の責任で処分することになります。

 

自転車を処分するには?

持ち主を探す

これが、全てといってもいいかもしれません。ただ、先程も説明したように賃貸の駐輪場の自転車が必ずしも入居者の物とは限りません。

そのため、入居者を探す方法としていくつか対策を講じる必要があります。

  • 居住者に対して :掲示や回覧
  • 盗難車の場合  :最寄りの警察(警察が自転車を移動し保管)

ただ、盗難車でもなく所有者も現われない場合、管理組合は2つの選択肢のどちらかを選ぶことになります。

 

1.民法第239条:無期属の帰属

(無主物の帰属)
第二百三十九条 所有者のない動産は、所有の意思をもって占有することによって、その所有権を取得する。
2 所有者のない不動産は、国庫に帰属する。

つまり、「所有者不明の自転車を所有権が放棄された物とみなして、管理組合がその所有権を取得し、撤去・廃棄処分するという考え方です。

 

2.遺失物法

第三十七条 物件(第三十五条第二号から第五号までに掲げる文書、図画又は電磁的記録に該当する物件を除く。)について、すべての遺失者がその有する権利を放棄した場合又は第七条第一項(第十八条において準用する場合を含む。)の規定による公告をした後三箇月以内

遺失物については、以前の記事でも紹介していますが「落とし主が分からない」・「取りに来なかった落とし物」が落とし主の物になるのは、3ヶ月です。

*警察での保管期間・落とし主が落とし物を捜せる期間は共に3ヶ月。

 

「遺失物」については、こちらの記事で紹介しています。

落とし物をしたらどうすればいい? 焦らず手続きへ!

ただし、このどちらの方法も法律で定められている正式な方法ではないため、思わぬトラブルを確実に避けるためには、所有者を見つけることが唯一の方法だといえるでしょう。

どちらにしても、掲示や回覧で処分までの告知は十分にする必要があります。本当に慎重にするなら、処分までに3ヶ月はとる必要があるでしょう。

それでは、今回示されている「12日間という猶予期間」は短くないのでしょうか?

 

一般的な処分期間は?

マンションの「掲示板への回覧」や「各戸へのポスト投函」そして、警察の届け出をしたにも関わらず所有者が判明しなかった場合、管理組合で処分を検討することになります。

一般的には、所有者確認をした時と同様にマンション居住者へ2~3ヶ月程度の掲示や各戸へのお知らせを行ない、それでも所有者が現われない場合は管理組合が処分することになります。

つまり、仮に放置自転車であったとしても、本当に処分するまでには何ヶ月も手間と時間がかかりさらに、管理会社が自転車などの処分費用を負担しなくてはいけません。

つまり、駐輪場の自転車撤去は管理会社としては踏んだり蹴ったりな作業となります。

*本来ならどんなに短くても、警告書の告知期間は約2週間~1ヶ月くらいは必要になるでしょう。

 

ポイント! 駐輪場の自転車処分には2ステップ!

  • 該当車両の盗難紹介(警察への届出)
  • 必要期間の告知

→ちなみに、粗大ゴミとして出した場合は自治体によって変わりますが、1台1,000円前後がかかることになります。(台数がまとまっていると、無料で撤去してくれる業者もある)

*「20台処分するのに20万円かかった」なんて話しもあるようです。

 

最後に

アパート管理,賃貸管理,賃貸経営の日本AMサービスを確認すると、自転車の撤去手続きについてこのようにまとめられています。

自転車撤去の手続

各住戸、物件の掲示板に一定期間を設けて自転車撤去の通知

一定期間経過後、撤去予定の自転車を一部にかためてロープなどで固定

さらに一定期間経過後に各住戸に再度、自転車撤去の通知

処分手続き

ただ、管理会社によって対応は当然変わってきます。できれば、警察と連携を取る方が好ましいためその場合は・・・

「撤去通知→警察署へ連絡→放置自転車を処理」となります。

まさか、本当に12日間で撤去するとは思いませんが、今後の対応に注目してみています。

少なくとも、現時点で突然付けられていた撤去札を見て「何これ!?」と、少なからずショックを受けている住人もいるため少し急ぎすぎている印象はあります。

奥さんがそんな話しを住人の方としたそうです・・・

また、私が住む賃貸では駐輪シールもないため、「居住者」と「外部」の自転車などを区別することが難しいという状況もあります。

→管理会社としては、「札を付けた日時」や「対象自転車」「警告した場所」など工程の全てを写真などで記録をしっかりとっておく必要がある。(トラブル時の証拠になる)

どちらにしても、所有物の権利が優先されているため時間をかけて処分する必要があり、勝手に捨てることはできません。

ただ、掲示板に自転車撤去の用紙も貼りだしていないため、対策としては不十分な面があります。

全ての自転車などに付けられていた札は、すでにほとんどが外されているため撤去によるトラブルはおそらく発生しないと考えられます。

ただ、「撤去のお知らせの投函」と「札の取り付け」が同時進行で行なわれたため、住人からすれば「使っている自転車に突然、撤去札を付けられた!?」ということになります。

また、自粛規制解除が終わってすぐの段階で実施されています。

「配慮」は、本当に難しいと思いますがシビアな問題ですので、もう少し段階を踏んでやっていった方がいいのかもしれません。

 

《追記》

  1. 自転車撤去の有無について投函されたものと同じ用紙が、自転車置き場に張り出されました。
  2. 撤去期限が過ぎ、撤去札が付いている自転車は駐輪場の端にまとめられ、6/21時点でもそのまま置かれています。
  3. 6/24自転車撤去されました・・・

*6/5→24日で処分されたので、約20日間(3週間程)で処分されたことになります。これが、早いのか遅いのかは分かりませんが、皆さんが住んでいる賃貸ではどうですか?


参考

一般社団法人 マンション管理業協会
http://kanrikyo.or.jp/oyakudachi/vol09_2408.html

もっとわくわくマンションライフ
https://anabuki-m.jp/information/resolution/9832/

 

 

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