あなたのお子さんは、いわゆる「行儀のよい、いい子。」でしょうか?
または、「感受性が強い!」なんて言われたことがありませんか?
今回は、そんな「ハイリーセンシンティブチャイルド」についてご紹介します。
「ハイリーセンシンティブチャイルド」ってなに?
とても難しそうな名前ですが・・・
Highly Sensitive Child(HSC)=「とても敏感な子ども」という意味です。
HSCは、アメリカの心理学者:エレイン・N・アーロン氏が唱えた概念です。
子ども達の内、15~20%(5人に1人)という高い割合で存在しているといわれています。(1クラス30人なら、約6人は存在することになります。)
間違ってはいけないことは、HSCは「病気や障害ではない!」ということです。
ただ、子ども達の様子から例えば「発達障害」と受け取られることまであります。
それでは、なぜ周囲から間違って受け取られてしまうのでしょうか?
HSCの特徴とは?
敏感な子ども?
- 深く考える
- 過剰に刺激を受けやすい
- 感情の反応が強く、共感力が高い
- ささいな刺激を察知する
という特徴があります。
さて、この特徴だけを見ると正直、私の場合は「自分のことかな?」と思ってしまいましたが・・・
ちなみに、オンラインで質問票(「HSP」・「HSC」・「HSS」という3種類)が公開されているので、参考程度にやってみてもいいかもしれません。
→質問票はこちらアーロン氏のHP
- HSP:「感度の高い人」のことですが、HSPの子どもバージョンが今回ご紹介しているHSCです。
→ちなみに、14個以上当てはまるとHSPの傾向にありますが、あくまでも判断するための1つの指標です。私の場合は、15個当てはまりました。
(当てはまる数が少なくても、設問の内容がよく当てはまるものがあるなら、HSPの可能性もあります)
- HSSは、刺激追求型HSPといわれ、「強い刺激を求める人」のことです。→HSPとは真逆のタイプですが、2つの特徴を併せ持つ場合もあります。
誤った対策
もし、病気や障害だと思ったらあなたはどうしますか?
- 病院に行ったり、生活リズムを改善したりと治そうとしますよね・・・
- 例えば、障害として麻痺が残れば動かすように訓練しますよね・・・
- 内向的なら、社交的になるようにと部活やサークル・生徒会の役員に入ったりと改善しようとしますよね・・・
ですが、これらは全て本人を苦しめるだけとなります。
というのも、これは気質(その人本来の性格)で、治るものでもなければ、改善しないといけないものでもありません。
例えば絶対音感のある人に、「音で感じるな!」と言っているようなものでしょう。
感じてしまうことはどうにもなりません・・・
「目で見る」、「耳で聞く」といったことを突然、「止めろ!」といわれたらどうしますか?
その人が持って生まれた感性ですので、どうすることもできません。(大多数の人が、HSCの感性を持っていればそもそも問題にならないのですが・・・)
さまざまな事例
- 身体の刺激に敏感で、例えば服のタグが気になって仕方がない。
- 他の人が怒られているのに、自分が傷付く。(他人の気持ちに敏感)
- 音や光(満員電車・教室のざわめきや教師の大声)など、些細なことですぐに動揺(びっくり)する。
- 知らない人がいると、実力を発揮できない。
- 完璧主義なところがある。
- 大きな変化に対応できない。(大人の場合なら、異動などで人間関係が変わると対応できない)
- 相手の気持ちをよく察する。
このように、さまざまな特徴がありますが、感じ方はそれぞれ違います。
端的に言えば、些細なことでダメージを受けやすい。敏感に反応してしまうためどんどん消耗していきます。
ちなみに、発達障害は「他人の気持ちが理解しづらい」という特徴があるのですが、HSCはまさにその真逆と言っていいでしょう。
親はどうしたらいいの?
不登校の原因として注目されているHSCですが、注意する点があります。
親の感じ方・考え方を押しつけない!
親の気持ちを敏感に感じ取るので、親の言いなりになりやすいですが、親の考え方に無理矢理合わせようとするため、どんどん消耗していくことになります。
→子どもの考え方を尊重し、同時に敏感に感じることの大切さを伝える必要がある。
時には背中を押す!
石橋を叩いて・・・叩いて・・・叩いて・・・やっぱり止めた!
「やめるんかい!」と突っ込みたくなりますが・・・
これぐらい慎重すぎるぐらい慎重な場合は、親ができると確信できれば背中を押すことも時には必要になります。
ヘタな声かけはNG!
例えば、足の遅い子に「足が遅いな~」と言っても自信をなくしてしまいますよね・・・それで「なにくそ!」と頑張れるならそもそもHSCではありません。
HSCの特徴は、「人一倍繊細なこと」です。
つまり、「内気だね」とか「やる気ないの!」なんて言われるとどんどん自信を無くしていきます。
→「根性論が誰にでも当てはまることではない」という根拠の1つともいえるでしょう。
環境に大きく左右される!
嫌なことを無理矢理させようとすると、パニックになります。そうして、敏感さのあまり傷付いて疲れて最後は「わがまま」と相手に誤解させることもあります。
→長所を認めていく必要がある。
相手の気持ちに察することができることは、多くの人の力になる可能性を秘めています。そして、「分かる」と言うことはその分、自分自身が頑張ってきた証拠だといえるでしょう。
HSCの特徴として、自己肯定感が低いことが多いですが、少なくとも頑張ってきた子が「自分自身を否定する」というのはあまりにも「もったいない!」と感じてしまうのは私だけでしょうか?
なにも言わなくても、頑張りすぎてしまうため、「頑張らせすぎず」・「しっかり休みを取れる」ようにすることが親の役割の1つとなります。
最後に
HSCは、ちょっとした刺激からダメージを受けやすいだけで、「サボっている」わけでもましてや「ワガママ」でもありません。
強いて言うなら、これから国際社会に向かって舵取りをしていかないといけない現実があるにも関わらず、未だに軍隊式の教育方法で、多数派のための教育しかできない学校教育のやり方に問題があるといえるでしょう。
学校の教育改革が2020年から本格的に始まることから、授業内容ではなく、教育方法がはたしてどこまで変わっていくのか、2人の親としてはとても気になります。
少なくとも、2020年の教育改革で国が掲げている「国際社会に通用する人材」は、軍隊式ではありませんよね・・・
参考
The Highly Sensitive Child
→http://hspjk.life.coocan.jp/book-hsc.html
産経新聞:人一倍敏感な子「HSC」 ペースを尊重、自己肯定感育んで
→https://www.sankei.com/
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