走行データが自動車保険料を決める? テレマティクス保険

 

この記事では、「運転者情報が利用されるテレマティクス保険」についてお伝えしています。

 

前回、「コネクテッドカー」についてご紹介したさいに、自動車の新しい保険「テレマティクス保険」についてもご紹介しました。

それでは、テレマティクス保険はこれまでの保険となにが違うのでしょうか?

今回は、「これから始まるテレマティクス保険」についてご紹介します。

 

「コネクテッドカー」については、こちらの記事で紹介しています。

車がICTに繋がる? コネックテッドカーで車の未来は大きく変わる!

 

そもそも「テレマティクス保険」ってなに?

テレマティクスとは・・・

  • テレコミュニケーション(Telecommunication/電気通信)
  • インフォマティクス(Informatics/情報処理)

この二つを組み合わせたいわゆる「造語」です。

ちなみに、移動する物に対して通信を介してサービスを提供することを指します。

ここでいう「移動する物」というのは、自動車のことです。

「カーテレマティクス」とも呼ばれる。

つまり、「テレマティクス保険」というのは、テレマティクスのシステムを利用した自動車保険ということになります。

それでは、テレマティクス。つまり、どんな情報(データ)を通信利用するのでしょうか?

 

自動車の「テレマティクス」ってなにを利用するの?

テレマティクス保険で利用される自動車の情報は、自動車に搭載したデバイスから「契約した車」、「ドライーバーの運転情報」を通信システムを介して、保険会社に送られることになります。

そして、保険会社は送られてきた運転データを分析した上で、個別に保険料率が請求されることになります。

つまり、「自動車保険におけるテレマティクス=運転データ」のことです。

そして、「テレマティクス保険=運転者ごとの運転情報を取得・分析し、その情報を基に保険料を算定する自動車保険」のことです。

それでは、どのように保険料は算出されるのでしょうか?

 

「PAYD(走行距離連動型)」と「PHYD(運転行動連動型)」

国土交通省:第9回 自動車関連情報の利活用に関する将来ビジョン検討会(テーマⅠ)によれば、「走行距離」と「運転行動」の2つの算定方法があります。

さて、「テレマティクス」は自動車などの移動体に通信システムを組み合わせて、情報サービスを提供することですよね。

また、保険料を算定するわけですからリアルタイムで運転情報は保険会社に提供され続けることになります。

  • 走行距離
  • 運転速度
  • 急ブレーキ等

こういった運転情報を、各保険会社が取得。

→当該保険会社が、運転者ごとの事故リスクの分析結果から保険料率を算定される。

hirskoff / Pixabay

 

この事故リスクの分析結果の算定に使われるのが「走行距離連動型」と「運転行動連動型」です。

  • 走行距離連動型・・・走行距離:短い→保険料ダウン / 長い→保険料アップ
  • 運転行動連動型・・・保険料算定:安全運転→保険料ダウン / 危険運転→保険料アップ

特に、「運転行動連動型」では運転特性(運転速度、急ブレーキ・急アクセル、ハンドリング等)によって保険料が変わることになります。

→日本では、あいおいニッセイ、損保ジャパンが特定の自動車メーカーと連携し、純正カーナビを用いて実施。

*ちなみに、欧米ではスマホの活用事例も増加しており、特別なデバイスが必要なくなってきている。

 

テレマティクス保険のメリットとデメリット

メリットは?

  • 保険料を抑えられる
  • 「保険料が抑えられる」と言うことは、安全運転をしていることになるため事故リスクが減少する
  • 保険会社が支払う保険金額が減少する。
  • 中古車として市場にでる場合、車の経歴や素性が明確にすることができる(自動車取得時の手続きが簡略化)

このように、テレマティクス保険の保険料が安くなると言うことは、それだけ車を大事に扱っていることにもなる。

 

デメリットは?

そもそも、走行データがリアルタイムで保険会社に漏れることになります。

また、そもそも等級がすでに高いドライバーの保険料がどれだけ安くなるのか分かりません。

さらに言えば、例えば「持病持ち」や「高齢者」など事故リスクが高いドライバーは、既存の自動車保険に加入する可能性が高くなるのではないでしょうか?

そうなれば、新旧自動車保険の二極化になる可能性がありますが、もしも旧保険の保険料が今までよりも高く設定されたらどうなるでしょうか?

先程、「事故リスクが高いドライバー」と言いましたがその中には当然、免許を取り立ての若者も含まれます。

つまり、新旧自動車保険の二極化は、「自動車離れ」の要因に「自動車保険離れ」が加わり、加速してしまうことも懸念されています。

このように、技術の進歩がかえって妨げになることもあります。

 

最後に

そもそも、保険会社が成り立っているのは、未来の危険に備えてお金を払ってくれるドライバーに、実際はなにも引き起されないことが多いためです。

そもそも自動車保険は・・・

  • 車種(過去に事故が多かった車種)
  • 被保険者の年齢(運転歴が浅い若年層など)

などで、保険料は高めになる傾向があります。

だからこそ、一律の保険ではなくその人にあった保険に加入する必要があります。

これから当たり前になっていく可能性がある「テレマティクス保険」ですが、自分にあっているか見極めてから加入することをお勧めします。


参考

ビジネス+IT
https://www.sbbit.jp/article/cont1/35728

 

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