皆さんは、新型コロナウイルスに対して緊急速報メールが出せるようになったことはご存じでしょうか?
緊急速報メールというのは、例えば「緊急地震速報」が緊急速報に当たります。
今回は、「新型コロナウイルスと緊急速報メール」についてご紹介します。
そもそも「緊急速報メール」ってなに?
緊急速報メールと言えば、災害時等に国や自治体からだされる気象警報や非難情報などを対象地域の利用者に一斉に知らせるサービスです。
誰もが、一度は自分も含めて周囲の人のスマホが一斉に鳴りだした経験があるのではないでしょうか?
例えば・・・
- 気象庁が配信する・・・緊急地震速報・津波警報・特別警報
- 国・地方公共団体が発信する・・・災害・避難情報
→緊急速報メールは、回線混雑(輻輳:ふくそう)の影響を受けずに無料で受信することができます。
つまり、「確実に必要な情報を送ることができるメール」ということになります。
さて、そんな緊急速報メールを発信しているau・ソフトバンク・NTTドコモ・楽天では、緊急速報メールに、「新型インフルエンザ等対策特別措置法に基づく感染を防止するための外出自粛要請」の項目が追加されています。
緊急速報メールに「緊急速報の項目が追加」ってどういうこと?
そもそも、緊急速報メールはこのように分類されています。
配信元:気象庁の場合(3項目)
❶緊急地震速報
➋津波警報
❸気象等に関する特別警報
配信元:各省庁・地方公共団体が発信する災害・避難情報の場合(17項目)
①避難準備情報 ②避難勧告 ③避難指示 ④災害発生情報
⑤警戒区域情報 ⑥津波注意報 ⑦津波警報 ⑧大津波警報
⑨噴火警報 ⑩指定河川洪水予報 ⑪土砂災害警戒情報 ⑫東海地震予知情報
⑬弾道ミサイル情報 ⑭航空攻撃情報 ⑮ゲリラ・特殊部隊攻撃情報 ⑯大規模テロ情報
このように、16項目が緊急即応メールとしてあります。あなたが知らない緊急速報メールもあるのではないでしょうか?
そして、「配信元:各省庁・地方公共団体が発信する災害・避難情報」にさらに17項目目として「新型インフルエンザ等対策特別措置法に基づく感染を防止するための外出自粛要請」が追加されたと言うことです。
つまり、「新型インフルエンザ等対策特別措置法」に基づいて、都道府県知事は同法第45条「感染を防止するための外出自粛要請」により、緊急速報メールを配信することができるようになりました。
つまり、「新型インフルエンザ等対策特別措置法」を根拠法として、感染を防止するための外出自粛要請が出された場合、各通信会社の緊急地震速報などと同じサービスを通じて、「外出自粛要請が配信できるようになった!」と言うことです。
神奈川県の事例
例えば、神奈川県では5月2日10時にこのような緊急速報メールが発信され話題になっています。
【10時に発出した、緊急速報メール】
GWはがまんのウイークです。今日から大型連休後半の5連休。
ふるさとへの帰省をはじめ、家族や友人と観光やレジャーなどを楽しむ絶好の季節ですが、今年だけは違います。
今は神奈川に来ないでください。今は神奈川から出ないでください。
そして、今はできるだけ家にいてください。
外出自粛の徹底をお願いします。神奈川県知事 黒岩 祐治
賛否はあったようですが、神奈川県のホームページを確認すると新型コロナウイルス感染症拡大防止のために、外出自粛の要請について1回に限りメッセージを発信できるようになったようです。
- 4月30日追加・・・au・ソフトバンク・NTTドコモ
- 5月1日 追加 ・・・楽天
このように、それぞれの携帯キャリアに緊急速報メールに外出規制の項目が追加されています。
それでは、そもそも「新型コロナウイルス等感染症拡大防止のために、外出自粛の要請」とはなんなのでしょうか?
「新型インフルエンザ等対策特別措置法に基づく感染を防止するための外出自粛要請」ってどういうこと?
そもそも、緊急事態宣言が出されたことで追加されたのですが、いきなり緊急事態宣言が発令されるわけではありません。
新型インフルエンザ等対策特別措置法により
第一段階:病原性が不明な段階
海外で発生(新型コロナウイルスは、中国の武漢市と言われている)が確認されることで、政府対策本部が立ち上げられ、同法第24条第9項に基づいて協力要請が実施されます。
- 基本的対処方針の作成
- 水際対策などの初動対処
などが行われます。
第二段階:病原性も明らかになり、国内に侵入
「病原性等が強いおそれ」や「社会的混乱のおそれ」があるときに初めて緊急事態宣言が出されます。
緊急事態宣言により、適宜、緊急事態措置が実施されるのですが、この時に第45条に基づく感染防止の協力要請等が必要に応じてだされることになります。
- 第1項:住民に対する外出自粛要請等
区域・期間が限定され、不要不急の外出自粛だけでなく、「手洗い」や「咳エチケット」などの感染予防策も実施されることになります。
つまり、法律に基づいて対策が実施されていきます。
このように、緊急事態宣言が発令されたことがきっかけで、「外出自粛」が緊急速報メールに追加されました。
最後に
国内の感染が拡がったことで「緊急事態宣言」が早く出されるように叫ばれるようになり、実際に宣言されるまでに至りました。
そして、日本全国にまで緊急事態宣言が適応されることになりました。
それでは、緊急事態宣言が発令したことで何ができるようになったのか?
報道で大きく取り沙汰されることといえば、その多くが「保障なき要請」についてではないでしょうか?
さらに、実は緊急速報メールの対象になっており、いざ使用されると「地震と間違えた!」など緊急事態宣言の内容について知らなかったことで、不満が高まる結果となっています。
それではなぜ、緊急事態宣言の発令が望まれたのか?
実は、中身も知らずに「保障がなされる!」と勘違いしていた人が多かったのではないでしょうか?
そもそも、強制力がないことすら多くの人が知らなかったのではないでしょうか?
今は、調べれば法律の概要や目的などは簡単に調べることができます。中身が難しければ、中身を簡単に解説してくれている弁護士のホームページなどもあります。
イメージだけで選挙に行ったり、緊急事態宣言の中身も知らずにイメージだけで「こうなるだろう!」と考えて望むことは現状かなり危険な行為です。
指示に従うのは楽かもしれません。ですが、自分で調べて自分の頭で考えていかないと、今回のように気付けば自由がなくなっているかもしれません。
参考
内閣官房:感染を防止するための協力要請等について第45条
→https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/ful/yusikisyakaigi/dai2/siryou2.pdf
ITmedia:緊急速報メール(エリアメール)の災害・避難情報に「外出自粛要請」が追加
→https://www.itmedia.co.jp/mobile/articles/2004/30/news091.html
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