●この記事では、「携帯電話の頭金は手数料?」についてお伝えしています。
携帯電話にはなにかとお金がかかりますよね。特に、子どもが産まれると通信費もバカになりません。
ところで皆さんは、「頭金」支払う契約をしたことがありますか?
例えば、家や車を買うときなどに「頭金」を支払うことになります。
ただ、そんな大きな買い物をしなくても、多くの人はすでに頭金を支払うような経験をしています。
それが、携帯電話です。
ただ、携帯電話の場合は「頭金」という名前が付けられているだけで、実際は別の料金なんですが・・・
今回は、国民生活センターだけでなく総務省や消費者庁も注意喚起している「携帯電話の頭金?」についてご紹介します。
そもそも「頭金」ってなに?
「頭金」は、一般的に契約が成立した場合に、その「証拠として購入者が支払うお金」のことです。
そして、基本的には住宅ローンなどで「代金の一部として現金で支払われるもの」が本来の頭金です。(「手付金」・「保証金」と呼ばれることもある)
ちなみに、保険の場合は保険料の支払い方法の一つでもあります。
→契約時に保険金額の一部に対する保険料をまとめて払い込む、「一部一時払い」のこと。
つまり、「頭金」は契約した証拠として支払われるお金であり、その金額はあくまでも「代金の一部」のことを指します。
それでは、なぜ携帯電話の頭金には注意喚起が行なわれているのでしょうか?
これまでも注意喚起はだされていた!?
消費者庁などが発表した注意喚起を紹介する前に、実はすでに2018年5月28日に国民生活センターから「携帯電話を機種変更したら、頭金を余計に取られた」という報告が出されています。
どんな相談内容だったの?
携帯電話ショップで、端末代金を分割払いにして携帯電話の機種変更をしました。店頭で頭金を支払いましたが、割賦総額から頭金分の金額が減額されていないことに気がつきました。このようなことはあるのでしょうか?
さて、割賦販売(かっぷはんばい)というのは、「売買代金の支払いを分割して支払うことを条件にした販売方式」のことです。
つまり、「割賦総額=月々の支払い額✕支払い回数」となります。
当然、本来の「頭金」の意味で考えるなら、支払った頭金は支払代金の一部になるため、「月々の支払い額」や「支払い回数」が減ることになりますよね。
ところが、実際は携帯電話の購入金額が減額されていませんでした。
つまり、相談者としては「頭金」という言葉を使っているだけで、「実際は購入代金とは全く関係ないお金を騙し取られた?」と考えて国民生活センターに相談したということになります。
国民生活センターは、この状況を分かっていた・・・
国民生活センターの回答
携帯電話を購入する際に支払う金額は、販売店により異なります。分割払いの場合、販売店によっては、割賦総額(月々の支払額×支払回数)に含まれない「頭金」を設定していることがあります。
つまり、このことは周知の事実だったことになります。
ちなみに、総務省は消費者庁はこのことについてさらに以前から(2010年3月18日)、「携帯電話の契約時のトラブルと消費者へのアドバイス」としてすでに報告しています。
例えば、68,000円でスマホが販売されていたとします。
この金額の内訳は、「頭金:8,000円+割賦総額:6万円(12回✕月額:5,000円)」となっている場合があるということです。
つまり、携帯電話の場合は「頭金」と書かれているだけで、実際は手数料のようなものだと言うことになります。
*ちなみにこの報告書では、「頭金」だけでなく「オプション加入が必須」だったり、「そのオプションを解約するときに手数料がかかる」など、以前からトラブルが頻発していることも報告されている。
このように、携帯電話に関するトラブルは少し調べただけでも10年前からすでに問題になっており、国民生活センターでも注意喚起の報告がなされています。
そんな携帯電話の頭金に対して総務省・消費者庁から再度、注意喚起が出されています。
再度の注意喚起?
2020年11月10日「携帯電話業界における「頭金」の表示や端末販売価格に関する注意喚起 ~携帯電話端末の購入を検討している方へ~」が発表されました。
3つのポイント!
- 携帯電話業界では他業界と異なり、あらかじめ定められた「割賦払い額」の上乗せという意味で「頭金」という用語が用いられている場合がある。→「頭金」の意味に注意。
- 「頭金0円」が殊更に強調された広告に注意。→「頭金」の減額により、他店より携帯電話端末が安くなるとは限らない。
- 携帯電話端末の販売価格は店舗ごとに異なる。→支払総額の多寡をよく確認する。
先程もお伝えしたように、一般的に「頭金」は販売価格の一部として支払われるお金のことを指します。
さらに言えば、頭金を支払う場合、普通なら「消費者は与信限度額の範囲内で割賦払いの額と頭金を決定する」ことになります。
ところが、携帯電電話業界ではここまで説明したきた通り、全く違う意味で「頭金」という言葉が使われてきました。
そもそもの話しになりますが、個々の販売代理店が携帯電話端末の販売価格を決定しています。
となれば、「少しでも安く購入できた!」と消費者に思わせて購入してもらった方が、代理店としても利益を得ることができますよね。
その手法の1つが「頭金」という便利な言葉だと考えられます。
そもそも携帯電話業界の「頭金」は、携帯電話の端末料金とは別物。
携帯ショップなどで、「頭金0円」といった広告を目にすることがあるのではないでしょうか?
ですが、そもそも、携帯電話端末には「希望小売価格」がなく、いわゆる「頭金」を含めた販売価格が店舗ごとに違います。
つまり、「頭金」という言葉が使われているだけで、私達消費は勝手に勘違いすることになります。
- 「頭金」を支払うことにより割賦払いの額が減少すると勘違い
- 「頭金」の割引を「希望小売価格」からの割引であると勘違い
- 「0円」が強調されることで、その携帯電話端末が非常に安価に販売されていると勘違い
このように、「頭金」という言葉が使われるだけで、さまざまな勘違いが生まれます。
ですが、そもそも販売店が販売価格を決めているため「頭金」も「小売価格」も自由にできます。
ただ、こういった行為は景品表示法の「優良誤認」に当たる可能性があります。
→「景品表示法」については、こちらの記事で紹介しています。
こういった現状が続いているため、携帯電話事業者や販売代理店に対して、不適切な表示がなされないように是正されることが示されています。
最後に
携帯電話のトラブルは以前からありました。
そして、2010年からの注意喚起から考えても、不適切な表示是正にいたるまでにすでに10年が経過しました。
どこまで、是正がおこなわれるか分かりませんが携帯料金の見直しはすでに始まっていますよね。
携帯電話は、今や財布の代わりになり、災害時などの緊急時には生命線にもなります。
そして、誰もが持っていて当たり前の時代となりました。
そんな携帯電話の購入は、やはりトラブルは最小限にする必要があるでしょう。
分かりにくい「プラン」や「オプション」などは改善され、今後は分かりやすい携帯電話料金を実現するための是正が続いていくといいですね。
参考
保険市場:頭金
→https://www.hokende.com/words/%E3%81%82/%E9%A0%AD%E9%87%91
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