「ステマ」で優良誤認? 景品表示法で違法になる場合とは!?

 

新型コロナウイルスが問題になっていますが、様々な「ステマ(ステルスマーケティング)」が散見されるようになりました。

例えば、ブルーベリープラチーノの画像と共に「よく考えたらコロナウイルスかかってる人あんまりいないよね笑(絵文字) 噂の力ってすごい」という同一のツイートが、複数のアカウントから一斉に投稿されたことがありました。

この件に限ったことではないですが、SNSでは度々おかしなことが引き起こされています。

さて、そんなステマは、私達の身の回りにあふれています。

今回は、「ステマがなぜ危険なのか?どうして嫌われるのか?」についてご紹介します。

 

そもそも「ステマ」ってなに?

「ステマ」とは、ステルスマーケティングと呼ばれ、消費者に対して広告と明記せずに隠して、非営利の高評価の口コミ(その商品などを本当に気に入った人からの口コミ)と装うことです。

程度の差はありますが、良くも悪くも消費者をだます行為であることは間違いありません。

また残念ながら、「ステマ」に法的な定義は存在していません。

ただ、東京地判平成26年6月4日判例集未搭載(平成25年(わ)第30183号)において、「ステマ」について以下のような解釈がなされています。

一般消費者に宣伝と気付かれないよう宣伝する手法であって、例えば自社商品の宣伝を口コミや感想の形であたかも一般消費者の評判が良いかのように表示する行為等を指すものである。

と判例がでています。

さらに、「事業者の商品やサービスが、実際のもの等よりも著しく優良または有利であると一般消費者に誤認(優良誤認)させる物である場合には、不当景品類及び不当表示法(景品表示法)違反になり得るとされました。

逆に言えば、「消費者に著しく誤認させなければ違法ではない」ということです。

つまり、ステマは必ずしも違法になることはありませんが、社会的な制裁を受けることになる可能性はあります。

 

そもそも、「ステルス」で実施される!

日本でステルスマーケティングといえば、「違法ギリギリの行為(グレーゾーン)」と言う認識が一般的です。

ただ、「ステルス」と名付けられているように、そもそもステルスとは「隠密」「こっそりすること」をいいます。

つまり、判例にもあるように「消費者に気付かれないように宣伝すること」ですので、気付かれた時点で失敗です。

ただ、消費者にワザと気付かせて競合会社を蹴落としたり(競合会社が他社のステマを告発するなど)、注意をそちらにワザと向けるなど、使い方は色々と考えられるため、一概に「気付かれれば失敗」とも言い切れない部分はあります。

それでは、判例にもある景品表示法にある「優良誤認」について、消費者庁の見解から見ていきましょう。

 

ステマが違法になる境目「景品表示法で規制されている優良誤認」とは?

そもそも、「景品表示法」は一般消費者の利益を保護することが目的とした法律です。

とはいえ、特定の表示をあらかじめ義務づける法律ではありません。

あくまでも、基本的に表示は自由ですが、実際の物よりも「すごくいい物だ!」と誤った判断を一般消費者に与えるほどの虚偽・誇大表示を禁止するための法律で、全ての商品・サービスが規制対象となっています。

 

故意・過失は関係ない!

景品表示法で定められているルールは、「一般消費者に優良誤認を与える表示をしてはならない」です。

つまり、理由はどうあれ結果的に一般消費者に優良誤認を与える結果になった場合、この法律に抵触することになります。

 

規制対象となる表示!

  1. パッケージ
  2. ラベル
  3. 店内ディスプレイ(「どれでも1,000円」・「広告の品:通常298円→特価198円」など)
  4. パンフレット
  5. チラシ
  6. 新聞広告
  7. ネット広告
  8. コマーシャル(テレビ・ラジオなど)
  9. セールストーク(訪問販売・電話など)

このように、全ての商品・サービスが対象です。

私達消費者は、こういった商品の広告などの表示を信頼して商品やサービスを購入するため、当該商品を販売する事業者がその表示を決めたら、不当な表示を改める責任があるのは「当該事業者」ということになります。

→例えば、この表示を納品事業者などに任せたとしても、表示を改める責任を取るのは「当該事業者」となります。

それでは、具体的にどういった場合が優良誤認に至るのでしょうか?

 

実は、一律不変な「優良誤認」の基準はない!

そもそも、優良誤認の基準は一般消費者ですが、それぞれ「知識量」や「住んでいる地域」などを比較しても、商品への認識は違います。

また、同じ商品を「居酒屋で出された場合」と「高級料理店で出された場合」とでは同じ商品も違って見えるのではないでしょうか?

このように、「優良誤認」の判断は難しい点が挙げられます。

さらに、「著しく誇張された場合」に違反となることから分かるように、そもそも商品がある程度は誇張されていることは一般消費者(「私」や「あなた」)の通常認識としてある程度は理解していますよね。

消費者庁の優良誤認への対策は、このようになっています。

優良誤認表示を効果的に規制するため、消費者庁長官は、優良誤認表示に該当するか否かを判断する必要がある場合には、期間を定めて、事業者に表示の裏付けとなる合理的な根拠を示す資料の提出を求めることができ、事業者が求められた資料を期間内に提出しない場合や、提出された資料が表示の裏付けとなる合理的な根拠を示すものと認められない場合には、当該表示は、措置命令との関係では不当表示とみなされ(第7条第2項)、課徴金納付命令との関係では不当表示と推定されます(第8条第3項)(不実証広告規制)。

日本でステルスマーケティングが取りしまわれる場合は、こういった商品やサービスが誇大広告と判断されたときとなります。

そのため、法律だけの規制では難しいため、それぞれの業界団体の自主規制が必要になります。

例えば、一般社団法人日本インタラクティブ広告協会(JIAA)は、「インターネット広告掲載基準ガイドライン」を定めています。

このガイドラインは、インターネット広告の信頼性を保つために、広告掲載の可否判断の論拠を提示したガイドラインで、不当な広告を排除するために策定されました。

このように、企業努力というか業界努力がなされていますが、相変わらずさまざまな宣伝広告に溢れています。

それでは最後に、優良誤認表示の具体例について紹介します。

 

優良誤認表示とは?

  1. 10万km以上走行した中古自動車のメーターを巻き、3万kmと表示して販売。
  2. ブランド牛ではない国産牛を国産有名ブラン牛かのように表示して販売。
  3. 天然ダイヤを使用したネックレスのように表示していたが、全て人造ダイヤだった。
  4. 「入院1日目から入院給付金をお支払い」と表示したが、入院後に診断が確定した場合、その日からの給付金しか支払われないシステムだった。

こういった、明らかに「嘘」と分かる表示をして販売された場合は、基本的に「優良誤認表示」として認められることになるでしょう。

ただ、そもそもこういった場合は景品表示法以外にも、刑法など別の法律違反にもなるでしょう。

 

最後に

日本では、ある意味「ステマ」は暗黙の了解なのかもしれません。

ただ、最近では誰もがSNSを使うため、おかしな投稿が頻発するとすぐにバレてしまう傾向があります。

そして、ステルスマーケティングの「だます行為」という特性上、バレてしまえばそれに関わった人達(企業やインフルエンサーなど)にどれだけの影響があるのか予想もできません。

これまでは、企業にとってステマは「リスクの見返りとして広告費用を抑える」といったメリットがあったかもしれません。

ですが、最近では「ステマ」を疑われてしまうと炎上してしまう可能性が高くなりました。

とはいえ、どんなやり方も「悪用」もできれば「善用」もできます。

例えば、サプライズ的なステルスマーケティングの善用な使い方ができれば、「ステマのイメージ」は変わるかもしれません。

 

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