●この記事では、自覚のない低酸素症についてお伝えしています。
今回は、久しぶりに新型コロナウイルスについてご紹介します。
2021年になりましたが、令和3年1月7日「第51回新型コロナウイルス感染症対策本部」が開催されました。
この議論の中で、令和3年1月8日~2月7日までの1か月間、埼玉県・千葉県・東京都及び神奈川県の1都3県に緊急事態宣言を発出することが決まりました。
- 飲食店の営業時間短縮
- テレワークによる出勤7割減
- 20時以降の外出自粛
- イベントの人数制限
この4点が、今回の緊急事態宣言の対策として定められています。
さて、まだまだ余談を許さない感染症として世界中で猛威をふるっている新型コロナウイルスですが、ある症状が危険視されています。
今回は、「幸せな低酸素症」についてご紹介します。
そもそも「低酸素症」ってなに?
私達は、呼吸をすることで身体のすみずみの細胞まで酸素を運び、いらなくなった二酸化炭素は身体の外へ出しています。
以前の記事でも紹介しましたが、つまり低酸素状態は「血中の酸素濃度が低下している状態」のことです。
ちなみに、酸素濃度を数値化できる医療機器は「パルスオキシメーター」と呼ばれる医療機器で、人差し指などに装着することで簡単に測ることができます。
- 97~99%:正常
- 93%以下:正常よりは体の中の酸素が少ない状態と判断。
- 90%以下:呼吸不全(呼吸困難)の状態。
当然ですが、酸素飽和度が低下すれば息苦しさを感じることになります。
このように、低酸素症は必要な血中の酸素濃度が低くなった状態です。ところが、新型コロナウイルスではこの「息苦しさ」といった自覚症状がない場合があることが指摘されています。
もっといえば、「苦しくない?」ことが指摘されています。
→「低酸素状態」については、こちらの記事で紹介しています。
酸素が足りていないのに、苦しくない?
例えば、『入院先が決まるまで自宅療養をしていた自覚症状のない高齢者が、いざ入院してみると「重症」の基準を満たすほど体内の酸素が欠乏している状態だった』というような事例がニュースになっています。
→軽症で自宅療養中に重症化して亡くなることが報道されている。
そもそも、低酸素状で軽症の場合は・・・
- 坂道や階段昇降での息切れ
- 呼吸数の増加
- 頭痛
- めまい
- 多幸感
- 判断力の低下
といった症状があります。
こういった低酸素状態の症状は、例えば低酸素血症がゆっくり進行している場合、「初期の症状が出現せずいきなり重症化する」ということもあります。
ちなみに、この「幸せな低酸素症」は、科学雑誌:サイエンスが「ハッピーハイポキシア(happy hypoxia:幸せな低酸素症)」と呼んだことが始まりのようです。
さらに言えば、この幸せな低酸素症はもともと航空医学で使われている言葉でもあります。
例えば、パイロットの墜落事故でこの「幸せな低酸素症」に陥った可能性が指摘されていますが、低酸素状態に陥ることは、多幸感により身体の異変に気付けず初期症状を見逃し死亡してしまうことがあるためです。
このように、すくなくとも航空医学では以前から「幸せな低酸素症」という状態が知られていました。
そして、この状態が新型コロナウイルスでも可能性として指摘されるようになったということです。
「幸せな低酸素症」はなにが危険?
そもそも、自分が酸欠の状態になっているにもかかわず、気付かないことはそれだけでリスクですよね・・・
現実問題として、軽症と判断されていたにも関わらず重症化して亡くなられている現状があります。
「幸せな低酸素症」の危険性とは?
この状態で安静にしていると、急激に呼吸器が悪化し、急いで人工呼吸器をおこなわないと危険な状態になることがあります。
具体的な原因なまだ分かっていませんが、自覚症状はなくても、実は激しく息を吸ったり吐いたりしており、それによって肺がさらに痛んでしまう「自発呼吸誘発性肺傷害」が指摘されています。
つまり、意識としては息苦しさは感じていなくても、身体は息苦しさを感じているため「呼吸が激しくなり肺を痛めているのでは?」ということです。
このように、新型コロナウイルスの症状は少しずつですが分かってきています。
そもそも、「息苦しくないのに低酸素症になっていた!?」なんて、突然いわれたら恐怖ですよね・・・
ですが、そもそも酸素飽和度なら先程紹介した「パルスオキシメーター」を使えば、誰もが簡単に酸素飽和度を測ることができます。
→楽天市場で検索すると、3,000円以下でも販売されている。(スマートウォッチで測定できる物もある)
最後に
新型コロナウイルスは、さまざまな情報が錯綜しています。
ただ、どういった理由でそんなことが言われているのか基礎知識があれば少なくとも「コロナで突然死!?」なんてセンセーショナルな情報に振り回されることはないでしょう。
もしも、突然死が引き起こされたとしてもそこには必ず原因があります。
そもそも、私達が命を落とす可能性がある感染症は新型コロナウイルスだけではありません。不安になる情報は、調べるとそれなりの原因が隠されていることが多くあります。
まずは、情報に振り回されないように、その情報にどういった根拠があるのか調べることから始めてみるといいかもしれません。
参考
株式会社ヒューモニー
→https://humonyinter.com/column/med/med-27/
クリニックフォア
→https://www.clinicfor.life/articles/covid-033/
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