インフルエンザの家族間感染 ~お父さんの意識を高めるために~

 

インフルエンザに限らず、感染症は子どもがかかると家族全員が順番に?かかることも珍しくないですよね・・・

かくいう私も、年末に子どもから感染して年始早々寝込むなんてこともありました。

その時の状態は、「休日急病診療所」の記事で紹介しています。

休日の急病には休日急病診療所 「小児科と内科」

感染症治療に実績のある神奈川県にある廣津医院の院長が、長年にわたるインフルエンザに関する独自調査を公開しました。

今回は、「お父さん」のお話です。

 

家族間での感染率

対象:約4700人の患者で実施

これを年齢ごとに比較されました。

(%)は、家族間の感染率(家族間で相手にうつす割合)です。

  1. 乳幼児(0~6歳)   →12.1%
  2. 小学生(7~12歳)   →6.9%
  3. 中学生(13~18歳) →5.6%
  4. 母親         →4.9%
  5. 父親         →8.6%

このように1~5のグループに分けられました。

このグループの中で、もっとも高いのは乳幼児です。

これは仕方がないことでしょう・・・

つまり、家庭内では私のように乳幼児から感染が広がることが多いことが分ります。

 

今回の調査で浮き彫りになった結果は?

乳幼児からの感染は仕方がないでしょう。

ただ、次に多いのが小学生や中学生をおさえて、なんとお父さんがもっとも高い確率で家族の誰かにインフルエンザをうつしていました。

もちろん、これは割合なので気をつけているお父さん達もいらっしゃるとは思います。

ただ、お母さんと比べても1.7倍も多くなっています。

これは同じお父さんとしては、かなり不名誉な結果です。

 

インフルエンザ対策していますか?

インフルエンザは簡単にうつります。

みなさんもご存じだとは思いますが、インフルエンザの感染経路は「飛沫感染」や「接触感染」です。

  • 飛沫感染・・・くしゃみや咳で感染します。
  • 接触感染・・・インフルエンザウイルスが付着した例えばつり革を持ってその手で鼻や口などを触われば感染します。

飛沫感染を防ぐにはマスクが必要ですし、接触感染を防ぐには消毒することが大事になります。

ただ、消毒は治ってからも継続してしまうと免疫力の低下につながるのでほどほどにした方がいいですよ・・・

そして、なんといっても予防接種です。

予防接種については、それぞれ考え方があるとは思います。予防接種についてはこちらの記事で紹介しています。

インフルエンザ予防接種 子どもに打たせますか?

 

インフルエンザは隔離が理想

インフルエンザは、感染率の高さと死亡率の高さからかなり怖い感染症です。

特に、乳幼児や高齢者が重篤化しやすいですが、20代や30代であっても重症化することもあり、安心はできません。

詳しくは、厚生労働省の平成31年第一週(平成30年12月31日~平成31年1月6日)までのインフルエンザ発生状況からも知ることができます。

0歳~80歳以上のどの年代でもインフルエンザにより入院患者が発生しています。

その入院患者の届け出を集計した厚生労働省の統計をグラフ化したものがこちらです。

 図1 インフルエンザによる年齢別入院患者割合

確かに、インフルエンザによる入院患者は乳幼児や高齢者が多いですが、どの年代でもインフルエンザにより入院されていることが分かります。

また、「入院」と一言でいっても状態が分りにくいと思うのでこのような治療データも示されています。

 図2 インフルエンザによる入院患者の年齢別・治療別割合

グラフを見れば一目瞭然ですが、CT・MRI・脳波といった検査もされない入院がどの年代でも大部分を締めています。

ただ、ここで注目すべきは20~29歳は0人ですがそれ以外の年代では少ないとはいえ一定数ICUの治療がおこなわれていることです。(人口呼吸器の利用はどの年代でも見られます)

*図2の統計は、平成30年9月3日~平成31年1月6日までの約4ヶ月間の統計ですので、年間ではありません。

*ICUとは、重傷臓器(中枢神経、循環器、呼吸器、腎臓、肝臓、血液・免疫系など)が著しく障害を受けた患者さんを対象として治療するための集中治療室のことです。

これらのことからも、インフルエンザの予防対策は必須となります。

 

お父さんが家族間でのインフルエンザ感染を拡大させている要因の一つになっていた!?

我が家ではマスクを1箱買っています。(数枚ずつ買うよりは、こちらの方が安いので)

Sambeet / Pixabay

確かに、マスクをすると「めがねがくもる」・「息苦しい」、なにより「めんどくさい」といった気持ちはよく分かります。ですが、「マスクもせずに子どもと一緒に遊んだりして、感染させてしまい重症化させてしまったら」と考えたらかなり怖いですよね・・・

今回の調査でも、「お父さんの意識の低さ」と結論づけられています。

 

「そんなことはない!」と断言できるお父さんは問題ないかもしれません。

ただ、繰り返しくしゃみや咳をしているにも関わらず、マスクをせずに過ごしているならかなり危険な状態です。

「あなたが」ではなく、家族がです。

マスクを過信するわけではありませんが、少なくとも手当たり次第にウイルスを部屋中にまき散らすことはなくなります。

咳やくしゃみが止まらなくなったら、家庭内でもマスクは徹底しないとあとで後悔することになるかもしれません。

家族内感染は、十分にご注意下さい。

最後まで、読んでいただきありがとうございました。今回は、お父さんのインフルエンザ予防の意識を高めるための記事です。

 

まとめ

  • 家族間で他の家族にインフルエンザを感染させているのは、乳幼児のつぎにお父さんが多い。
  • 年代に関わらず、どの年代でもインフルエンザにより入院している。
  • どの年代でも、重篤化する可能性がある。

参考

厚生労働省:インフルエンザの発生状況について
https://www.mhlw.go.jp/content/000467585.pdf

HUFFPOST:意外に多い「父親」から感染 インフルエンザ感染拡大
https://www.huffingtonpost.jp/2018/02/02/flu-family_a_23350844/

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です