●この記事では、受動喫煙と子どもの虫歯についてお伝えしています。
誰もが一度は、歯医者さんで虫歯の治療をしたことがあるのではないでしょうか?
とはいえ、喜んで虫歯の治療に行く人は少ないですよね・・・
ところで、そんな虫歯がタバコと関係していることを知っている方もいらっしゃるのではないでしょうか?
今回は、「タバコと虫歯についての研究結果」をご紹介します。
2つの研究結果!
今回取り上げるのは、「岡山大学大学院医歯薬学総合研究科(歯)」と「京都大学 医学研究科」の研究結果についてです。
「岡山大学大学院医歯薬学総合研究科(歯)」で分かったことは?
この研究では、家庭で 10 年以上受動喫煙にさらされた若者は、むし歯になりやすくなることが発表されました。
というのも、小さい頃から受動喫煙にさらされ続けた大学生は、そうでない者と比較して1.5倍も虫歯になりやすいことが明らかにされたためです。
以前、紹介しましたが健康増進法の改正により施設内での喫煙は難しくなりましたよね。となれば、確実にタバコを吸える場所は「自家用車」や「自宅内」ということになります。
実際は、自宅内などであっても気軽に吸えるものではないとは思いますが・・・
さて、受動喫煙に関しては、これまでも癌や気管支などさまざまな悪影響が指摘されてきました。
そして、この研究により「子どもの家庭での長期間の受動喫煙の曝露に注目した調査はほとんどなかった現状」が、1つ明らかになりました。
そもそも、受動喫煙の曝露がある乳歯は虫歯になりやすいことが明らかになっていますが、この研究により、永久歯に生え替わった若者(大学生)にまで、受動喫煙の影響が続くことが分かりました。
それでは、この乳児の虫歯とタバコの関係にはどういった関係があるのでしょうか?
その研究結果が「京都大学 医学研究科」で明らかにされています。
京都大学研究科の研究発表とは?
この研究では、神戸市で2004年~2010年で神戸市内で生まれた76,920人の中で・・・
- 生後4カ月での受動喫煙の状況
- 3歳時点で1本以上の虫歯や歯の欠損、治療歴
この中で、そもそも家族に喫煙者がいる子どもは、全体の55.3%(42,525人)でした。
さて、家族に喫煙者がいない子どもに比べて虫歯になる可能性は1.46倍で、さらに目の前で喫煙があった環境下では2.14倍にまで高まりました。
つまり、子どもはそもそも受動喫煙にさらされ続けるだけで虫歯の可能性が高まりますが、同じ受動喫煙でもその状況によってその影響が大きく変化することが分かりました。
→間近で受動喫煙を受けるほど、影響が高くなる。
ただし、妊娠中に母親が喫煙していた場合の子どもの虫歯の影響は見られませんでした。
ちなみに、受動喫煙の影響で唾液の成分が変化し、虫歯の原因菌が集まって歯垢(しこう)や虫歯ができやすくなる可能性はすでに示されています。
あくまでも、これらの研究は虫歯だけに焦点を当てた研究発表ですので、それ以外の受動喫煙による影響についてはまた別の話です。
受動喫煙と子どもの虫歯
この2つの研究結果から、家族に喫煙者がいる時点で子どもが虫歯になる可能性が高くなることが分かりました。
しかも、同じ受動喫煙でも目の前で喫煙するかどうかで2倍以上の差が出てしまっています。
なにより、受動喫煙による虫歯の影響だけを見ても、その影響は大学生になり永久歯に生えそろってからも続いています。
最後に
定期的に、新しいタバコが発売されます。
「電子タバコ」や、最近では「無煙タバコ」も発売されるようになりました。ただ、その影響が分かるのはずっと後です。
→「無煙タバコ」についてはこちらの記事で紹介しています。
そんなタバコについて、JTは全国たばこ喫煙者率調査を2018年まで調査していました。
この調査によれば、男女とも喫煙率は少しずつ減少しており2018年は・・・
- 男性:27.8%
- 女性:8.7%
となっています。
ちなみに、昭和40年以降のピーク時の昭和41年は男性: 83.7%の喫煙率があったため、約50年前と比較すると半分以下にまで喫煙者は減少していることが分かります。
今後も、喫煙者は減少していくかもしれませんが、法律で喫煙自体は禁止されていないため、今後も新商品が出続けるでしょう。
安全なタバコがあるのかは知りませんが、仮に安全だったとしても証明されるのはずっと先のことです。
少なくとも、新商品であるにも関わらず「安全」を前面に出している場合は特にご注意下さい。
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