みなさんは、健康を保つために「特定保健用食品(トクホ)」や「機能性食品表示」、「栄養機能食品」という名前のついた食品を購入したことはありませんか?
テレビのCMでもよく流れていますが、実はこの3種類はそれぞれ別物です。
結論から言えば、特定保健用食品が最も厳しい審査にクリアしている「証明」になっています。
→特定保健用食品については、こちらの記事で紹介しています。
全3回に分けて、それぞれについてお伝えします。
今回は、機能性が表示されている3種類の食品のなかでも、「栄養機能食品」についてご紹介します。
栄養機能食品ってなに?
食品の分類
そもそも、食品には以下の分類があります。
❶一般食品:「機能性」の表示ができない。
➋保健機能食品:「機能性」の表示ができる。
- 特定保健用食品(トクホ)
- 栄養機能食品
- 機能性食品表示
このように、保健機能食品の1つが栄養機能食品です。
栄養機能食品とは、「ビタミン!」「ミネラル!」といったように特定の栄養成分の補強のために利用する食品のことです。
例えば、カロリーメイトが栄養機能食品に当たります。そもそも、「栄養機能食品」と表示する義務があるので、商品を確認すれば栄養機能食品かどうかはすぐに分かります。
*特定保健用食品のように、「マーク(ロゴ)」はありません。
栄養機能食品の特徴
先程、「特定の栄養成分の補強のために利用する食品」と説明しましたが、もう少し詳しく解説します。
実は、「13種類のビタミン」と「6種類のミネラル」そして、脂質である「n-3系脂肪酸」について国が規格基準を設けています。そして、この規格基準に適合すれば、国への許可申請や届け出の必要なしに「栄養機能食品」の表示をおこなうことができます。 →自己認証型
【13種類のビタミン】
- ナイアシン・・・皮膚や粘膜の健康維持。
- パントテン酸・・・皮膚や粘膜の健康維持。
- ビオチン・・・皮膚や粘膜の健康維持。
- ビタミンA・・・夜間の視力維持・皮膚や粘膜の健康維持。
- ビタミンB1・・・炭水化物からエネルギー産生・皮膚や粘膜の健康維持。
- ビタミンB2・・・皮膚や粘膜の健康維持。
- ビタミンB6・・・たんぱく質からのエネルギー産生・皮膚や粘膜の健康維持。
- ビタミンB12・・・赤血球の形成を助ける。
- ビタミンC・・・皮膚や粘膜の健康維持・抗酸化作用。
- ビタミンD・・・腸管でカルシウム吸収を促進・骨の形成。
- ビタミンE・・・抗酸化作用により、体内の脂質を酸化から守り細胞の健康維持を助ける。
- ビタミンK・・・正常な血液凝固に関与する。
- 葉酸・・・赤血球の形成を助ける・胎児の正常な発育に寄与。
【ミネラル】
- 亜鉛・・・味覚を正常に保つ・皮膚や粘膜の健康維持・たんぱく質、核酸の代謝に関与。
- カリウム・・・正常な血圧を保つ。
- カルシウム・・・骨や歯の形成。
- 鉄・・・赤血球を形成。
- 銅・・・赤血球の形成・体内酵素の正常な働き・骨の形成。
- マグネシウム・・・骨や歯の形成・体内酵素の正常な働きと生産を助ける・血液循環を正常に保つ。
【脂質】
- n-3系脂肪酸・・・皮膚の健康維持。
*ビタミンK・カリウム・n-3系脂肪酸については、新たに追加されています。(全20種類)
それぞれの栄養成分の効能を確認してみると「皮膚や粘膜の健康維持」に役立つ栄養素が圧倒的に多いことが分かります。他にも、「赤血球を形成する栄養素」など栄養素の効果が重複していることが分かります。
→ちなみに、妊婦さんに「葉酸」が勧められるのは、胎児の正常な発育に関係しているためです。
このように、栄養機能性食品を食べることであなたにとって必要な栄養素を効率よく摂取することができます。ただし、あなたが希望している栄養素の1日の適量を守る必要があります。
*栄養機能食品の表示義務の1つに、「1日当たりの摂取目安量」は記入されています。
栄養機能食品の注意点
●「葉酸」を例に説明します。
例えば、「胎児のためには葉酸が良い!」と聞いて妊婦さんやパパさんが「葉酸」を多く摂取できる栄養機能食品を購入しようと薬局に行ったとします。
ところが、いざ薬局に行ってみると「葉酸+ビタミンB群全8種をまとめて摂取できる!」と書かれた栄養機能食品がありました。(実際にありますが・・・)
あなたは、「葉酸だけの栄養機能食品」と「複合的に栄養素が入った栄養機能食品」のどちらを選択しますか?
栄養素には、それぞれ1日の摂取目安量があります。栄養機能食品は、あくまでも栄養成分の「補給・補完」を目的としてします。
ちなみに、葉酸を多く含む食べ物といえば・・・
「野菜・キノコ・海藻・豆・果物・魚・肉・卵など」と想像以上にたくさんの食べ物に含まれています。ただ、「レバー」には葉酸が多く含まれていますが赤ちゃんの奇形リスクが高まるビタミンAも多く含まれていため、特に妊婦さんはレバーの過剰摂取はダメ!
基本は、適度に身体が欲しいものを食べることになります。母子ともに、ストレスが一番の悪影響を与えてしまうので・・・
話しが脱線しましたが、「栄養機能食品」は自分が足りていない栄養素を選んで摂取することが基本です。やみくもに、あれもこれもは過剰摂取に繋がるのでご注意下さい。
まとめ
栄養機能食品の表示義務のなかに、「注意喚起表示」があります。この注意喚起表示にはどの栄養素に対しても、共通して次の一文が書かれています。
「本品は、多量摂取により疾病が治癒したり、より健康が増進するものではありません。1日の摂取目安量を守って下さい。」
過剰な期待はしないようにしてくださいね・・・
→「機能性食品表示」についてはこちらの記事で紹介しています。
参考
明治
→http://qa.meiji.co.jp/faq/show/1352?site_domain=default
栄養機能食品に係る現行制度からの主な変更点
→https://www.cao.go.jp/consumer/history/03/kabusoshiki/syokuhinhyouji/doc/141210_shiryou1_2.pdf
消費者庁
→https://www.caa.go.jp/policies/policy/food_labeling/health_promotion/
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