突然ですが、皆さんは潮干狩りに行ったことはありますか?
そもそも貝は年中捕れるのですが、4月~5月は昼間に潮が引くため特に狙い目とされています。
4月~5月といえばGWがありますよね・・・
そんなわけで、家族連れが多くお父さんが張り切ってしまうことも・・・
さて、そんな楽しいはずの潮干狩りに思わぬ落とし穴があることをご存じですか?
今回は、気をつけないと怖い「貝毒」についてご紹介します。
貝毒って危険なの?
「危険か安全か?」で言えば、死亡することもあります。
というのも、毒成分は熱に強いため加熱調理しても簡単には分解しません。つまり、食べてはいけません。
さて、この貝毒は私達がよく食べる二枚貝が毒性を持つ植物プランクトンを摂取し、毒を蓄積することで毒化します。普段貝を食べていることから分かるように、貝自体には毒を作り出す能力はありません。
→二枚貝が毒素をもった植物プランクトンを食べる。→毒となる植物プランクトンが蓄積された二枚貝を人間が食べる→中毒になる。
それでは、具体的にどういった症状があるのでしょうか?
代表的な貝毒
麻痺性貝毒
- 食後30分程度で発症
- 舌・唇・顔面・手足のしびれ・運動失調
- 重傷の場合は呼吸麻痺で死亡することもある。
下痢性貝毒
- 食後30分~4時間で発症
- 下痢・吐き気・嘔吐・腹痛
- 基本的には3日以内に回復
→死亡例はありません。
このように、貝毒になったからといって必ずしも命に関わるわけではありません。ただし、麻痺性貝毒の場合は短時間でしびれが症状として表れるため、すぐに救急車を呼ぶ必要があります。
*潮干狩りで取ってきた貝を、家族や友人へお裾分けすることは避けた方がいいかもしれません。
普段、買って食べている二枚貝は大丈夫?
農林水産省のHPから解説します。
都道府県が設定した海域区分や二枚外の種類ごとに・・・
- 都道府県による有害プランクトンの発生状況調査
- 都道府県や生産者による貝毒検査
→規制値を超えた貝毒が検出された場合は、都道府県は報道機関などを通じて潮干狩りの人などにも注意を呼びかけています。つまり、ネットで検索すると危険区域がすぐに分かります。
また、有毒なプランクトンが減少すれば二枚貝等の体内の毒も減少し、食べられるようになります。逆に言えば、有毒なプランクトンが増加した地域の二枚貝は食べられない可能性があるということです。
*規制値を超えていた貝が出荷されるには、規制値を3回連続で下回る必要があります。
危険な潮干狩り?
例えば、毎年無料でアサリなどを捕っている砂浜などがあるとします。ですが、「去年食べれたから今年も大丈夫!」とは限りません。
理由は、先程述べたように貝が毒を蓄積しているかどうか、見た目では分からないためです。「タダより高い物はない」ということですね。
基本的には、有料の潮干狩り場では検査を実施しているため安全だとは思います。ただ、想定外が今のご時世・・・
不安な場合は、出先の潮干狩り場での検査の有無の問い合わせや、ネットでも危険な地域をチェックすることをオススメします。
*徳島県の取組みを例にすると・・・
有毒プランクトンの密度を定期的に調査→密度が一定値を超える→周囲の二枚貝が毒化していないか検査されています。
⇒つまり、そもそも有毒なプランクトンが発生していなければ、二枚貝が毒素を蓄積する心配もないということですね。
最後に
消費者庁は、2015年以降アサリなどによる貝毒は毎年発生していると発表しています。(2018年は11人が食中毒で患者が発生)
人数的にみると、少ないように思いますが報告があっただけなので実際はもっと多いでしょう。ちなみに、世界では毎年300人ほどの死者が出ているとみられています。
なんにしても、せっかくの潮干狩りで食中毒になってはかないません。特に、小さい子どもは毒の回りが早く危険性も大人よりずっと高くなります。
くれぐれも、無料の潮干狩りにはご注意下さい。
*天気予報と同じように、危険エリアのチェックもして下さいね!
参考
農林水産省
→http://www.maff.go.jp/j/syouan/tikusui/gyokai/g_kenko/busitu/01c_taisaku.html
大阪府
→http://www.pref.osaka.lg.jp/shokuhin/shokutyuudoku/kai.html
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