夏になると出てくる黒いアレにも「一利」がある!? 

 

暑くなり、我が家でもとうとう「黒いアレ」が目につく季節になりました。個人的には、見た目がもう無理なので嫌いですが実は、見た目だけはない危険性もあります。

今回は、そんな「ゴキブリの3つの害と一利」についてご紹介します。

*以下、ゴキブリは「黒いアレ」で統一しますのでご了承下さい。

 

「黒いアレ」の基礎知識

エサを100%なくすことはそもそも不可能!

なんといっても、強い生命力が一番の特徴ですが、極端な話し「頭を切ってもすぐに死なない」という特徴まであります。

ただ、この特徴はカマキリやアリなど多くの昆虫にも見られます。

とはいえ、食べることができなくなるためいつかは餓死することになりますが・・・

また、多くの昆虫が植物質や肉食質といった具合に食べる物が決まっていますが、黒いアレは腐敗物までエサにしてしまいます。

それこそ、「流しの隅に溜まったゴミ」「ガス台にたまった汁や油」も食べますし、糞便や痰などの汚物、動物や昆虫の死体、最終的には共食いもします。

ちなみに、ダンボールや埃、髪の毛なども食べるため、清潔にすることは大切ですが、生活している以上はそもそもエサを100%なくすことは不可能といえるでしょう。

*ちなみに、水分さえあれば種類によっては1ヶ月以上も生き延びる場合もあります。

 

巣は発見しづらい!

黒いアレは、暗い場所や暖かい場所、水のある場所といった条件があった場所を好みます。そのため、流し台の周囲や冷蔵庫の裏など台所周辺に多くあります。

ただし、電子レンジなど隙間に巣を作るため、普段の生活では基本的に動かしたりしないのではないでしょうか?

ただし、「巣」といってもアリのような決まった形の巣ではありません。あくまでも、「集団生活をしている場所」のことです。

つまり、多くの人が想像するような「巣」ではありません。

例えば、黒いアレの糞にはフェロモンが含まれているため、他の黒いアレが集まります。以上、これで巣のできあがりです。

→「集団生活している場所=巣」ですが、いつでも移動することができます。

また、黒いアレは7月~8月に多いですが、冷蔵庫や電子レンジを動かそうとしたときにその裏に巣があったり、「暖かい場所」と言う意味では、テレビやパソコンのディスプレイなども好みます。

他にも、本棚の裏やタンスの中など、挙げればきりがありません。ちなみに、ダンボールは「食べてよし!住んでよし!」の快適空間になってしまうため、注意が必要です。

ゴマのような黒色や茶色の点状のものは黒いアレの「糞」ですので、すぐに掃除をして下さいね。

それでは、黒いアレによる被害はどんな物があるかご存じでしょうか?

 

害虫による3つの害とは?

黒いアレは「害虫」として私も含めて多くの人に嫌われていますよね。それでは、そもそもどんな「害」だと思いますか?

害虫と一言でいってもその「害」によって以下の3つに分けることができます。

  1. 不快害虫・・・「存在が嫌!」など、人間を不快にさせる。(心理的な「害」)
  2. 衛生害虫・・・菌・ウイルスなどの病原菌を媒介するなど衛生環境を悪化させます。(人間を直接攻撃する「害」)
  3. 経済害虫・・・品物などに害を与え、経済的な損失の原因なる。(経済的な「害」)

さて、それでは黒いアレはどれに当てはまると思いますか?

3つ全てに該当します。

「不快害虫」や「経済害虫」については、説明の必要はないと思いますが、単純に例えばレストランで食べているときに黒いアレが床や壁などを移動していたらどうでしょう。

そのお店は、避けるのではないでしょうか?

SNSが普及しており、その様子をアップされたらお店としてはマイナスにしかなりませんよね・・・

それでは、危険な衛生害虫についても見ていきましょう。

 

なぜ、「衛生害虫」と言われるの?

そもそも黒いアレは、大半は屋外に生息しています。

つまり、屋内で羽化した卵だけでなく、そもそも外から侵入してくることは言うまでもありません。それでは、侵入経路はどこになると思いますか?

  • 下水
  • 排水口
  • トイレ

などの、不衛生な場所から侵入してくることが多いことが分かっています。つまり、「様々な雑菌」や「雑菌を持つ微生物」が大量に付着している可能性が高いことが言えます。


実際、毒性の強い危険なものが数多く発見されています。

  • サルモネラ菌・・・食中毒
  • 赤痢菌・・・赤痢
  • チフス菌・・・腸チフス・パラチフス
  • 大腸菌・・・尿路感染症急性胃腸炎
  • 小児麻痺病原体・・・小児麻痺

などが一例です。

つまり、黒いアレは病原体を部屋中にまき散らすことになるため、かなり危険な害虫であるため「百害あって一利なし」と言われるほどです。

*ちなみに、黒いアレが乾燥し細かく砕けた死骸や糞が空気中に舞い上がり吸い込むことで「アレルギー」を引き起こすがあります。

→さらに、本当に希ですが、噛まれることもあります。

ただ、気になるのは「なぜ黒いアレは危険な細菌や雑菌などを付着しても平気なのか?」ということではないでしょうか?

実は、ここに「一利」があると考えられました。

 

抗菌ペプチドが黒いアレを守っている!?

抗菌ペプチドというのは、副作用のない超強力な抗生物質です。

これがあるため、腐った食べ物を食べても黒いアレは食中毒になりません。

抗菌ペプチドというのは、「病原性微生物の感染から宿主を守るための先天的な生体防御機能の1つ」。つまり、免疫です。

つまり、黒いアレに限らず多くの生物が獲得しています。2000年代に入ると、医療薬学面で人間にも効果が期待され世界中で研究がなされるようになったほどです。

 

最後に

黒いアレは、約3億年前に出現しましたがほとんどその姿形を変えてこなかった「生きた化石」と呼ばれます。

多くの生物が進化しながら環境に適応してきたと考えられていますが、黒いアレに関しては出現当初からほとんど進化の必要がない完成体だったことが想像できます。

ただ、「生命力の強さ」を考えると人間が一番強いのかもしれません。

確かに個人としての生命力は、それほど強くないのかもしれませんが、歴史をみると何度も感染症に打ち勝ち、今回の新型コロナウイルスも乗り越えるのではないでしょうか?

黒いアレの生命力は、人間にとっても「一利」になるかもしれません。


参考

ゴキブリ駆除マイスター
https://t-meister.jp/gokiburi/lab/higai.php

imidas:なぜ人はゴキブリを怖がるのか?
https://imidas.jp/jijikaitai/k-40-084-13-08-g503

抗菌ペプチドによる先天的生体防御機構と内分泌系の接点を探る
https://www.jstage.jst.go.jp/article/nl2008jsce/35/133/35_133_71/_pdf/-char/ja

ホットライン
https://hotlines.shop/article204/

 

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