RSウイルス感染症が増加中!? コロナ対策は特別な対策ではなかった?

 

この記事では、RSウイルスと感染症対策とコロナ対策の共通点についてお伝えしています。

テレビを付けると、連日新型コロナウイルス関連のニュースが報道されていますよね。

そして、この日本でも変異株が猛威をふるっています。

ただ、感染症は残念ながら新型コロナウイルスだけではありません。

今回は、「増加している成人のRSウイルス」についてご紹介します。

 

RSウイルスは子どもの病気?

そもそも、RSウイルス感染症は一生の間に何度も感染と発病を繰り返します。

また、この感染症は「生後1歳までに半数以上。2歳までに、ほぼ100%の乳幼児が感染する」と言われているため、子どもの感染症として認識されている方も多いかもしれません。

なにより、感染力が強く「幼稚園」や「保育園」などの施設感染に注意が必要なため、親が心配する病気でもあるため、「子どもの感染症」と認識されるのも無理のない話しと言えるでしょう。

そもそも、RSウイルスは出生体重が軽く小さく生まれた子どもや、心臓や肺の基礎疾患といった免疫不全がある場合には、重症化のリスクが高くなる傾向もあります。

*2歳以上なら軽い「鼻風邪」で終わることが多いが、1歳未満の中でも特に6か月未満の赤ちゃんは重症化することがある。

このように、RSウイルスは当たり前に感染する感染症ですが、残念ながら「一生の間」とお伝えしたように、大人も例外ではありません。

 

大人が感染すると・・・

さて、誰もが何度も感染するRSウイルスは、正式には「Respiratory syncytial virus(レスピラトリーシンシチアルウイルス:RSウイルス)」と呼ばれます。

この感染症は、急性呼吸器感染症の一つとして知られていますが、基本的には一般的な軽い風邪と同じで軽い鼻水・くしゃみ・熱などの症状が現われます。

そして、「呼吸器感染症」と呼ばれるように息を吐くときに「ヒューヒュー」・「ゼーゼー」と喘鳴ぜんめと呼ばれる症状もでてきます。

また、「胸がペコペコとへこむような呼吸」や「呼吸が速く、呼吸の回数が極端に増える」といった症状にも注意が必要です。

さらに、重症化すれば肺炎・気管支炎・細気管支炎などを発症する可能性まであります。

ちなみに、RSウイルスで大人が合併症を引き起こす可能性は希だと考えられていますが、風邪症状が出ているにも関わらず、安静にせずに体力・免疫力が低下していると重症化するかもしれません。

この点は、新型コロナウイルスも含め、多くの病気に共通して言えることではないでしょうか?

また、「マスクの着用」と「手洗い」・「うがい」が基本的な感染症対策となるため、これも新型コロナウイルスと同じ対策だと言えるでしょう。

ArtRose / Pixabay

→新型コロナウイルスの感染症対策は、その他の感染症対策にも通じている。

*RSウイルスは特効薬もないため、対処療法しかできない。

 

RSウイルスが増加!?

例えば、RSウイルス感染症は大阪府内の定点医療機関からの報告数が増え続けており、令和3年(2021年)3月8日~3月14日(第10週)には、定点医療機関あたり1を超えています。

 

「定点医療機関」というのは、例えば新型インフルエンザ等感染症の場合なら「全体把握対象疾患」と呼ばれ、全ての医療機関に報告義務があります。

その一方で、RSウイルスのように「定点把握対象疾患」に指定されている疾患(五類感染症のうち、インフルエンザ・流行性耳下腺炎(おたふくかぜ)など、24種類の感染症)は、医療機関の中から選定されて協力してもらえる定点医療機関からのみ報告されています。

そして、「定点医療機関あたり1を越えている」ということは、定点当たり患者数が1を越えたということになるため、統計的に、1週間に市内の全医療機関に平均して1人以上の患者が受診したとみなされます。

ちなみに、インフルエンザの場合は「10を越えると注意報レベル」・「30を越えると警報レベル」となります。

このように、新型コロナウイルスだけではなくRSウイルスなどその他の感染症にも注意が必要になりますが、その対策は、コロナ対策に通じています。

 

最後に

RSウイルス感染症の主な感染ルートは、「飛沫感染」「接触感染」です。

感染者の鼻水や咳を浴びたり、触ったりすると感染します。

そのため、仕事に行くときはマスクを着用し、周囲の人は手洗い・うがいの徹底が必須になります。

まさに、新型コロナウイルス対策ですよね・・・

このように、今私達が実施している新型コロナウイル対策は、実は特別な感染症対策ではありません。

程度の問題はあるかもしれませんが、仮に新型コロナウイルスが終息したとしてもやめてしまっては危険です。

今ほど、徹底した感染症対策ではなくても普段の「手洗い」・「うがい」や「咳エチケット」などは継続した方がいいでしょう。


参考

キャップスクリニック:子供がRSウイルスに感染したら?
https://caps-clinic.jp/rs-virus/

WPARK :大人もRSウイルス感染症はうつる!早く治す方法は?仕事は?
https://epark.jp/kosodate/enjoylife/k-rs-virus-adult_9501/

広島市:感染症情報/定点当たりとは
https://www.city.hiroshima.lg.jp/site/infectious-disease-joho/265.html

地方独立行政法人 大阪健康安全基盤研究所:RSウイルス感染症が増加しています。ご注意を!
http://www.iph.osaka.jp/li/070/20210324174012.html

 

 

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