前回、新型コロナウイルスが疑われる場合は「帰国者・接触者相談センター」へまずは連絡をすることをお伝えしました。
ただ、例えば37.5℃以上の発熱が4日間続いた場合などの「疑われる条件」がありますが、少なくとも数日間は一緒にいることになります。
それでは、家族はどんな対応をすればいいのでしょうか?
今回は、「一緒に暮らしている家族の誰かが新型コロナに疑われたら?」についてご紹介します。
→新型コロナウイルスが疑われる症状と、必ず連絡しないと行けない「帰国者・接触者相談センター」については、こちらの記事で紹介しています。
家庭内の注意事項ってなに?
一言でいってしまえばノロウイルス対策と基本的に同じです。
10年間、高齢者の福祉現場で働いていたので次亜塩素酸ナトリウムを使った消毒や感染対策は毎年のようにやっていました。
ちなみに、具体的な方法は東北医科薬科大学病院が2020年2月25時点の情報にもとづいて、ハンドブックも作成されています。
さて、家族ができる対策は限られますが、やることは施設での介護職員ができる対応とほぼ同じです。
- 隔離
- マスクの着用
- こまめな手洗い・うがい
- 換気
- 消毒
- 汚れた衣類・リネンの洗濯
- ゴミは密閉
家庭で特に対応が難しいのは、「隔離」と「消毒」ではないでしょうか?
《ワンポイントアドバイス!》
そもそも新型コロナウイルスが疑われる症状は、「帰国者・接触者相談センター」へ連絡して指示を仰ぐ必要があります。
その症状というのが、風邪の症状や37.5℃以上の発熱が4日間以上続く場合です。他にも、呼吸困難が続く場合などもあります。(高齢者や妊婦さん・基礎疾患のある方は2日間続いたら)
それでは、数日間ご家庭で感染の疑いのある家族を看護するときはなにから始めればいいのでしょうか?
隔離できる部屋の準備!
介護施設などでは、個室に感染した利用者を隔離することができますが、私のような賃貸で生活している家庭の場合は「隔離」は難しいのではないでしょうか?
とはいえ、一般家庭であっても少しでも隔離の効果を上げることはできます。それでは、隔離する部屋の選択はどのようにすればいいのでしょうか?
私が住む4DKの賃貸の場合は?
「隔離する」とはいえ、例えば施設のように部屋にトイレが設置されていることはないでしょう。ですが、トイレには行く必要がありますよね。
このように、感染した人が隔離された部屋から出ることがあっても、できる限りその導線を短い距離にする必要があります。
簡単に言えば、台所や寝室など複数の部屋を通過することなく、最低限の導線で日常生活が送れる部屋を作る必要があります。
さらに、換気する必要があるため窓がある部屋が必須です。
つまり、トイレに近く窓がある部屋を選ぶ必要があります。私の場合なら、「物置」として使っている部屋しかありません・・・(できれば、お風呂にも近い方がいいですね)
受診することを考えれば、玄関に近ければさらにいいでしょう。
《部屋選びのポイント!》
隔離する部屋を選ぶ場合は・・・
- 窓がある
- トイレが一番近い
- 複数の部屋を通らない
→最小限の移動で生活でき、窓がある部屋を用意する!
この部屋の確保が、家族で新型コロナウイルスが疑われた場合に行う第一歩となります。もちろん、インフルエンザやノロウイルスなど、新型コロナウイルス以外の感染症対策にも同じことが言えます。
部屋の確保ができない場合は、パーテーションやカーテンなどを設置したり、同じベットで寝るときは互い違いになるようにして寝るなど、感染の疑いのある人の顔から2m以上の距離を保つ必要があります。
→くしゃみや咳のしぶきは1.5~2m届きます。(場合によってはそれ以上)
さて、これで感染の疑いがある家族を受け入れる部屋(スペース)の確保ができました。次は、いよいよ数日間の看病生活が始まります。
日常生活でできる家族の対策!
看病する家族は1人だけ!
感染の疑いのある人は、基本的にトイレやお風呂以外は隔離された部屋から出ないことになります。
ですが、その部屋にいろんな人が入ってしまっては意味がありません。そのため、看護する人は1人に決める必要があります。
私の場合なら、専業主婦の奥さんということになります。(夫婦共働きの場合は、しばらくコンビニ弁当や菓子パンなどが続くかも・・・)
ただし、高齢・妊娠中・糖尿病といった基礎疾患がある家族が対応することはリスクが高いため、看病することは避ける必要があります。
家族全員がマスク着用
誤解されることが多いですが、マスクの効果として最も期待できることは「咳やくしゃみのある人が装着する」場合です。
つまり、体調不良になった人が装着することです。
というのも、マスクにはどうしても隙間ができてしまうため100%防ぐことができないためです。
とはいえ、マスクを付けていれば直接、口や鼻を触ることはありません。また、くしゃみやしぶきを直接浴びる看護者はマスクの予防効果があると考えられています。
こういったことから、マスクは家族全員が装着する必要があります。
こまめな手洗い・うがい
テレビでも、連日正しい洗い方などが紹介されています。
マスクの着用をする理由の1つに、直接、口や鼻を触らないことを理由に挙げました。これは、手にウイルスが付着していることが大前提だからです。
例えば、衣類に付着しているウイルスを手で触るかもしれませんし、看病の際にほぼ確実にウイルスに汚染されている食器や衣類などを触れることになります。
そのため、隔離した部屋から出たときはすぐに手洗い・うがいが必須です。家族も、汚染した物に触れている可能性があるため、こまめに行う必要があります。
日中は換気!
隔離している部屋だけでなく、できれば他の家族がいる部屋も換気していく必要もあります。また、空気清浄機や加湿器も効果があります。
*空気清浄機はどれでも言いわけではなく、「HEPAフィルター」と「電子集塵フィルター」の2つのフィルターがついた空気清浄機が高機能です。
→空気清浄機についてはこちらの記事で紹介しています。
消毒!
ドアノブやベット柵などにウイルスが付いている可能性があります。そのため、みんながよく触る場所の消毒が必要になります。
基本的には、トイレなどはいつも通り家庭用の洗剤を使用して掃除します。その後、薄めた漂白剤(次亜塩素酸ナトリウム)で拭いたあと、アルコールや水拭きをします。
→アルコールが効かないノロウイルスとは違い、新型コロナウイルスはアルコール消毒も効果があることが分かっています。
ちなみに、漂白剤を使う場合はかなり注意が必要です。
間違っても、漂白剤の原液を素手で触らないで下さい!劇薬ですので、肌がすぐにボロボロになります(私は、介護現場で漂白剤をじかに触ってしまい手が荒れ、出血してしまい手が洗えなくなったことが何度もあります)
*2Lのペットボトルの上部分を切り取り、薄める位置でマジックでチェックしておけば、誰でも簡単に薄めた漂白剤を作ることができます。(濃度0.1%なら、水500mlが入るところでマジックで印をつける)
《次亜塩素ナトリウム(希釈した漂白剤)の作り方はこちら》
- 0.1%→嘔吐や糞便の処理(500mlのペットボトル1本の水に原液10ml)
- 0.02%→調理器具・トイレのドアノブ・便座・床・衣類など(2Lのペットボトル1本の水に原液10mL)
このように、次亜塩素酸ナトリウムは原液をたくさんの水で薄める必要があります。(希釈するときは、ビニール手袋を装着してくださいね)
スプレー容器に入れ替えて、トイレならトイレットペーパーなどに吹き付けて使います。ちなみに、鉄製の物は錆びるため、アルコール消毒にして下さいね。
*商品により塩素濃度がことなるため、商品ラベルの使い方を確認しながら使って下さいね!
*新型コロナウイルスは、下痢を引き起こすことがあることが分かっており、糞便から新型コロナウイルスが検出されることがあります。
ゴミは密閉する!
鼻をかんだティッシュなど、さまざまなゴミにウイルスが付着している可能性があります。
いかがでしょうか?
ご家庭で看病するイメージができてきたでしょうか?
慣れていないと、どうしても戸惑ってしまうことが多いと思います。ただ、この感染症対策は他の感染症対策にも使うことができるため、覚えておいて損はありません。
また、手にはいらなくなる前に必要な物をあらかじめ買っておくこともできるようになります。買い占めや転売が一日でも早くなくなり、以前のように当たり前のように買える状態に戻って欲しいです。
最後に
マスクや消毒液だけでなく、最近ではトイレットペーパーやティッシュなど予想外の物までデマにより店頭から消えています。
ただ、生産が続けられているのならこの状態は長くは続かないでしょう。
とはいえ、海外からの爆買いなど国内だけでなく海外にも注意しなくてはいけなくなりました。なぜか、国内にないマスクを海外へ寄付する動きまでありますよね・・・
助け合いは大事ですが、自己犠牲では意味がありません。
まずは、冷静に行動できるように心がけましょう!子どもを家に閉じ込めておくこともできませんので、私はこれから子どもと山(丘)登りに行ってきます。
参考
厚生労働省:新型コロナウイルスの感染が疑われる人がいる場合の家庭内での注意事項
→https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/newpage_00009.html
自治医科大学付属さいたま医療センター
→https://www.jichi.ac.jp/center/sinryoka/kansen/taisaku_04.html
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